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歌人でもあり小説家でもある著者が、日常の食事に思いを馳せて詠んだ歌とエッセイ。
干し物文化について書かれたエッセイの、
「戻していく時間と、新しく加えられていく時間。生きていくということもこれに似ているのでは、と唐突に思う。長い間会わなかった人と、ふいに再会する。干物がやわらかくふやけていくように、その人に対して持っていた感情もゆっくりとやわらかく取り戻してゆけるのだから」
というくだりが心に残りました。
対になる歌も深いなぁ。
取り戻せることもあるのよ とにかくね今の今なら今が今なの
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お節料理の黒豆、鍋料理、ちらしずし、天麩羅、そうめん、ごはんのおこげ・・・などなど、オリジナルレシピやら食べ物へのこだわりやら切ない思い出に、36の短歌を添えた「今日のビタミン」&「つらつらごはん日記」の書き下ろし作品の贅沢な食べ物エッセイ集。
「肌重ねあったことは語らずにすり鉢の中にふくらむ豆腐」
「取り戻せることもあるのよ とにかくね今の今なら今が今なの」
何気ない日々の食べ物を切り取り、人生になぞらえた短歌が心に響く!
本のタイトルが『千年ごはん』とにあるように、食べるという行為はある意味、連綿と生きてきたその生きものの時間と付き合うことなのだろう。家族となることは、一緒にごはんを食べることから始まる・・・と、改めてそんな風に想いを馳せた。
某TV番組チューボーですよ!風にいうと★★★「星みっつですぅっっ!」(^_-)-☆
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食べること=生きること 美味しい=しあわせ
これは人類最高の方程式だ(と思う)!
と、そんなにしゃっちょこばらなくても、自然に読めて、ほっとする一冊でした
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「ほんのり厚めのロース肉」「ラー油をぽとりと落とした酢じょう油」「じんわりとひろがる草と光の記憶」「とろとろと流れる水を舌で直接受け止めると、なんだかうっとりあまかった」など表現がすごくいい。
23 白く、はかないものが一番スキ。
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山手線の中で出会ったおじさんのクリームパンに思いを馳せ、徳島ではすだちを大人買い。これまでも、これからも、連綿と続く日常のひと皿に短歌を添えて。日々のおだやかな風景を歌人が鋭い感性で切り取る食物エッセイ。
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その家庭、その人のそのときどきのひと皿というものは、なんと魅力的でときめかされるものなのだろう。その人にとっては日常的、あるいは母から受け継いだ特別の日の食卓の料理の一部なのだが、読者は人さまのプライベートな部分をそっと覗き見するような心地になりもする。どのひと皿にも著者やご家族のそのときにしかない気持ちが宿っていて、料理がどれもおいしそうなのはもちろんなのだが、その周りにいる人のことを思い浮かべてあれこれ想像をめぐらしたりもしてしまう。食べるということの本能的な貪欲さをも感じられるのである。一首が添えてあることで艶かしさ――あくまでも健全な――が更に増す一冊である。
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大変僭越ながら、我が家の食卓にそっくりで
驚きました。展覧会の差入としていただいた一冊。
下さったのは秘かに、憧れている方でしたから
喜びと感激はひとしお、でした。
幾たびも手にして、読み返す一冊となりそうです。
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日々食卓にのぼる飾らない一皿への愛。何かを食べよう、と思い立ち、材料を買いに行き、自分の台所で調理する。食材や季節によって、思い出される人や風景。生きとし生けるものが連綿と続けてきた、食べるという営み。その奥深さを感じながら、おなかがグゥと鳴りそうになる。さっそく茗荷に味噌を塗って焼いてみようと、スーパーで買ってきた。
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自分と食に関するいろんなお話しとそれにまつわる短歌が
書かれている前半と,ご自分の食生活を日記形式で書かれている後半。
どちらも食を丁寧に考えていらっしゃるのだなぁと,感心しながら
読みました。
私はずっと同じ地域に住んでいるので,他の地方の食文化に触れるのは
なかなか苦手なので,東さんのチャレンジ精神?にはびっくりです。
食べるのは好きですが,すごく偏食で,
食材にも別にこだわりのない自分は
自分で良くない体を作っているのかな・・・なんて
少し心配になってしましました。
なんかほっこり,手間?心をかけたものを作って食べたくなりました。
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短歌が添えられた食エッセイ、という趣向が面白そうで読んだけれど、短歌があまり良いとは思えなくて、がっかり。
読んでも、情景がちっとも思い浮かばないんだもの。
エッセイの文章も、可もなく不可もなく、それほど印象にのこる箇所もなく。
ささーっと読み終わってしまった。
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ずっと気になっていた東さん、ようやく読みました。
大好きな食べ物エッセイであっという間に読了。
ちゃんと料理をしようと思った。
ひとりぐらしって適当になりがちだけど適度にテキトウに。
東さん、他のも読んでみよう。
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無性に自炊がしたくなる、そんな本でした。
特に、つらつらごはん日記は、ちょっとした笑いもあり、ためにもなり、大変楽しめました。
作中で紹介されている、河野裕子さんの茗荷の花の比喩の歌の引用でなぜか軽く涙ぐみました。
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どこかでタイトルだけ見かけ興味があったので図書館で借りて読んでみました。ふうっと読み流せる本でした。
食べ物に関する本は食いしん坊なので多少は読んでいるのですがあまりこの方のレシピはピンと来なかったなあ、と言う感想です。(ありていに言うと食べてみたい、作ってみたいと思う料理があまりなかった)仲良しの友達や家族あてに作る料理、手紙のような本だなあと思いました。ちょっと気取った感じが合わなかったのかな?
人の好みはそれぞれだと思うのでこの料理はコレ、と言うように言われるのが苦手な所為もあるかもしれません。出来あがった料理に調味料を足す描写が多くてそれもどうかな?と思ったからかも。
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生きてあることと 食べてゆくことが すごく密接であること
そしてそのふたつがうまく繋がると、日々がより豊かな時間となること
を、味わわせてもらった。
言葉で表現されてるにも関わらず、他の五感で伝達されたような、不思議な味わい。ゆっくり噛み締められる一冊。
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食べ物をテーマとしたエッセイ+短歌。
それぞれ3ページ程度の短いものだけどぎゅっと濃いものを含んでいる。
ほむほむもだけれど、短歌の人は日本語の使い方が本当にうまいなあと思う。
でもおなかがすく。
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美味しそうものがいっぱいでした。トマトソースのスパゲティとか、豆腐は苦手なのに、白和えがなんだかとても美味しそうで、ついつい作りたくなってくる。