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マープル第六作”A Pocket Full of Rye”
毒殺された実業家のポケットの中に入っていたライ麦。
続けて殺された夫人、そしてメイド。
ラストのマープルに宛てた手紙が切ない。
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読む前から、マザーグースの一節のタイトルが気になっていた一冊。
最後の締めくくりがとても切なくて印象に残る。
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中盤まで主役を務めるマープルの登場はないが、故に警察官の活躍が際立つ。
ここ最近放送されていた、深夜のミステリチャンネルでのTV版では二時間で解決されるという仕様だったので、所々不明が残ったものだが、こうして文字を追ってみると、犯人が判明した際に、成る程。と思うところが多々あった。
要するに、TV版よりも文字の方が、時系列がはっきりと覚えていられる。
覚え書き。
投資信託会社を経営する男が、自社の社長室で毒殺される。その男の上着のポケットには、ライ麦が一杯に詰められていた。
その後、男の若い後妻、屋敷に勤めていたメイドが連続で殺害され、このメイドの行儀見習い先の主であったミス・マープルが新聞による事件を知り、屋敷を訪れる。
マザーグースの歌になぞらえて起こる殺人。
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色褪せない作品だな、と思う。
ミスマープルが自分の育てたメイドが殺されたと知って事件解決に乗り出す。
出てくる刑事さんが優秀で、事件を整理しつつ進めてくれるから読むのも楽。ミスリードに導くのも彼だけどね。
事件の最後に殺されたメイドから手紙が届いていて、マープルでなくても涙がでるよな、って思う切ない終わりだったなぁ。
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ミス・マープルが面倒を見ていたメイドが殺された事で、ミス・マープルが乗り出すので、半分弱読み進めないとミス・マープルが登場しません。
意外な犯人。見事にミスリードされました。
最後にミス・マープルの思いやりと情の深さを感じてしんみりします。
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社会でよく見受けられるタイプの人物をうまく取り込んで人間関係を構築し、連続殺人事件を発生させるクリスティ女史の手腕は、この作品でも冴えわたっており、物語としては、楽しめる内容であった。
しかしながら、ミステリー作品として見ると、この作品には決定的なキズがある。
1つの殺人事件に関して、犯人のアリバイ、犯人がその時にどうしていたかに関する取り調べの内容に全く触れられていない。こんな重要な事項を内緒にしたままでは、本格ミステリーとは言えない。
また、マープルの推理には必然性、論理性が全くなく、単なる憶測にすぎない。
それを自信満々に、「仮説ではありません。事実なのです」と言うのには、あきれてしまった。
犯人の計画も、ある人物の性格に依存したものであり、それがうまくいかなければ露見してしまう、極めて危険なものだ。
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ミス・マープルシリーズの長編第6作目。
「ライ麦」は本編にもタイトル通り登場するが、もう少しトリックに絡んだ方が良かったかな。
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図書館で。
実はこっちだったか~というお話。やっぱりアガサ・クリスティはお話し作りというかキャラクター設計が上手だなあ…。マープルさんが上手に家に居座っちゃう感じが面白かったり。ああいう、食客というかお客様みたいな存在、昔は普通だったのかしら。
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さすがアガサ・クリスティ。
先入観は危険だと思わせられるのも見事だし、ヒントはきちんと作中に散りばめられているのもすごい。
最後のシーンがより一層全体の筋を引き締めているなあ。
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アガサ・クリスティーがすごいのは、読者の犯人探しの視点を完璧に捉えていることだと思う。
この事件の中心は複雑な家族関係を抱えた豪邸水松荘。けれど冒頭は被害者の職場にあるタイピング室から始まる。結論から言うとタイピング室は事件に無関係で、冒頭以降の物語はすべて水松荘で展開される。
だけど、だからこそ、ミステリ好きの読者はその導入部分が気になってしまうのでは。タイピング室の人間関係や描写が軽快でわかりやすいのもそれを助長する。あのタイピング室は一体? 美人秘書のミス・グローブナーは事件後なぜ辞めたのか? もしや犯人はタイピング室に… と考えてしまう。
ミステリのトリック・種明かし自体はちょっと弱い。でも解答への道のりはちゃんと小説内に書かれているし、結局はそれ以外に答えはない。それでも読者をさりげなく惑わせるのは、アガサ・クリスティーの一筋縄ではいかないミスリードの手腕。さすがはミステリの女王!
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アガサ・クリスティーの作品は初めて手に取った。非常に読みやすい印象。訳が素晴らしいからなのかな…。
ストーリーや犯罪動機、トリックは特段目を見張るものではないが、読んでいるだけでなんだか優雅な気持ちにさせてくれる心地のよい作品。
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ミス・マープル物の第6弾。ミス・マープルのベストに挙げる人も多いので気になっていた作品。いつもは俯瞰して事件の推理を組み立てるマープルが、今回は怒りに燃えている。マザーグースになぞらえて起きた3件の連続殺人で、マープルの仕込んだメイドが殺されるからだ。複雑に絡み合う登場人物の思惑が事件をかき回すが、マープルが現場に乗り込み、正義の鉄槌を下す。
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いつになく怒りに燃えたマープルに、こちらも心を揺さぶられた。穏やかで可愛らしい老婦人のイメージが修正された。ラストのセリフのたった一言に、被害者の愚かさと哀れさと切なさが凝縮されててすごい。
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相変わらず私は登場人物の把握が下手くそ。家族はまぁ把握できても、お手伝いさんやらそのほかの登場人物はごっちゃになってしまっている。すーと読んでいたらいつの間にかマーブルが出てきてたという感じになってしまった。ちなみにクリスティもののわき役たる警察官は作品が違っても同じように感じてしまう。それにしても、ラストシーンは物悲しい演出でなんともいえないです。
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いやあ、またまた資産家一家の資産をめぐるドロドロな家族劇。今回は殺されたその家のメイドがマープルが家事を仕込んだ少女だったことから、墳怒したマープルが真相解明に乗りこんでくる。
殺されるのは財を成した一家の長フォテスキュー、そして二度目の若い妻、メイド。それを取り巻くのは最初の妻の長男夫婦、二男夫婦、長女とその婚約者、意味ありげなメイド、経営する会社のタイピスト、秘書。彼らは「水松(イチイ)荘」と呼ばれるお屋敷に住み、イチイの毒で親父は死ぬ。
フォテスキューは成りあがりなので貴族の格にあこがれていたり、イチイ荘が豪壮な作りなので本来なら「イチイ館」とつけるべきなのに「荘」とつけるのがイヤミだ、またタイピストたちの描き方、ボロ家でもそこに幸せはあったなど、各階層へのするどい描写がよい。
1953発表
2003.11.15発売 2013.9.15第5刷 図書館