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起きて欲しく無い悲劇がまさに二つの祖国
に分け隔てられ、戦場で合間見れてしまう。
兄弟がそれぞれ戦争という名の悲劇の渦に飲まれ
また、賢治の妻エイミー、チャーリー、椰子
も二世への偏見、そして広島への原爆投下
と日系二世の苦難の新たな歴史が始まってしまう。
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物凄く悲惨な描写が続く二巻目。
三巻目は東京裁判から始まるが、これもどの様に描かれていくのか。
二巻目にしてなかなか忍耐力のいる作品です。
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賢治が迷っている様子がわかる。▼第二次世界大戦において私は在米の日系人の立場における戦争の視点を欠いていた。
折りに触れて、日系人のWWⅡについても考えていきたい。このことは今起こっている戦争についても、そのような立場の人々がいるという視点をもって考慮しなければならないと思った。▼
祖父の国の日本、日系2世アメリカ人としての立場、アメリカ市民として米軍人として求められるもの、日本軍で戦う忠、米軍に入隊しヨーロッパ戦線で戦死した勇、何を選択すれば最善かわからない中で前線へ志願する。
▼日本降伏後、広島に入り賢治は日本のために何か成すべきだと決意する。▼極東国際軍事裁判の通訳モニターを使命と考えた賢治は東京裁判をどう評価し関わっていくのか?
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日系二世の天羽賢治の弟の勇はアメリカの軍隊に志願して一兵卒として、ヨーロッパ戦線で戦っていた。
勇が所属する、三十六師団四四二部隊(日系二世部隊)はテキサス大隊の救出に向かわされる。
275人のテキサス兵を救う為に、日系人は200人以上が死亡し、約600人が負傷した。
ここでも日系人は虐げられていた。
勇は死亡し、認識票のみが、ツールレークの隔離収容所に居る天羽の家族に渡された。
勇の葬儀には、天羽乙七、テル、賢治と同じ収容所の大野保と長男夫婦、娘だけだった。
乙七の胸にはヨーロッパ戦線で戦死した四四二部隊の息子の表彰と勲章の授与式が、鉄条網の中で行われたことに対する怒りと屈辱があった。
一方、日本軍の立石小隊に属する、弟の天羽忠は最前線のルソン島リンガエン湾に送られる。
天羽賢治はアメリカ軍第六軍第一軍団に属し、リンガエン湾の六万八千人の上陸部隊とともに上陸する。
そこでは、死亡寸前の日本兵の口から、忠がいることを知る。
後に、忠と賢治は、戦場で遭遇する。賢治は誤って弟を撃ってしまった。
忠を捕虜として米国の陸軍病院へ送った。結果、弟の命は取り留める事ができた。
忠は、祖国日本を裏切った兄が許せなかった。兄弟の心にはシコリが残った。
カバルアン・ヒルから日本軍は撤退し、アメリカ軍六師団第二十連隊長のアーノルド大佐は戦闘終了を告げた。
ーーウイキペディアよりーー
第二次世界大戦において、1941年12月22日に本間雅晴指揮する日本軍がルソン島侵攻の際にリンガエン湾に上陸した。1945年1月9日にはダグラス・マッカーサー指揮するアメリカ軍が、ルソン島侵攻の際にリンガエン湾に上陸した(リンガエン湾上陸(英語版)、1945年1月6日 - 1月9日)。
ーーヘンリー・アーノルドーー
アーノルドは1945年6月16日の日記に「アメリカでは日本人の蛮行が全く知られていない」「ジャップを生かしておく気など全くない。男だろうが女だろうがたとえ子供であろうともだ。ガスを使ってでも火を使ってでも日本人という民族が完全に駆除されるのであれば何を使ってもいいのだ」と書いている。6月17日の日記には「マッカーサーはさらなる日本攻撃にB29を使う我々の計画への理解が足りていなかった。ジャップの30か所の都市部と産業地域を破壊したうえで侵攻地域となる場所には一か月ごとに20万トンの爆弾を投下し侵攻する日には8万トンを投下することをちゃんと説明したらマッカーサーも気に入ったようだ」とある。7月23日には「スターリンとチャーチルに『現在のペースでB29が飛び続ければ東京には何も残っていないことでしょう。そこで会議することになりますね』と言った」とある[12]。民間人を無差別に虐殺した汚名を後世に残すことになった。
ーー「日刊まにら新聞」Webからーー
一九四五年一月、鹿児島県出身者で構成される旧陸軍歩兵第七一連隊所属の大盛支隊約九百四十人が丘に陣取り、米軍の艦砲射撃や爆撃にさらされ約二週間で八百人強が戦死した。
広島に原爆が投下され、太平洋戦争は終結した。
天羽賢治は米国戦略爆撃調査団の一員として、広島に派遣される。
広島の惨状を目に���た賢治は、呆然とした。灰燼に帰した市街を見て、涙で目がかすんだ。
敗戦国日本における東京裁判の米国通訳モニターとして賢治は参加することになる。
……
リアルに綴られる、フィリピン ルソン島での忠の目から見た、日本軍の惨憺たる様子に、戦争の虚しさを感じた。
物語は三巻目へと続く。
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米軍の語学将校となった賢治。
アメリカへの忠誠を示し、米軍に志願し、欧州に向かった勇。
日本で、帝国陸軍兵士として、出征した忠。
戦争は3人の兄弟を、家族を巻き込んでいく…
ドイツ軍からテキサス大隊の救出にあたっていた勇は…
戦闘の激しさがます、フィリピンで賢治と忠は…
賢治の恐れていたことが…
そして、8月6日、広島…
もう日本の敗戦が決まっているというのに、広島に落とす必要があったのか⁇
戦争とはいえ…
たくさんの一般市民を犠牲にする必要があったのか。
2度とあってはならない。
賢治と忠はどうなっていくのか…
東京裁判は賢治の行く末にどんな影響を与えるのか。
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2巻は主人公が暗号解読官として戦場に出向く話。
末弟もアメリカ兵に志願するが、ヨーロッパで戦死する。
そして、主人公は、日本在住の日本で徴兵されたもう一人の弟とフィリピンの戦場で再開する。
血を分けた兄と弟が敵味方に分かれて戦場で出会うという最悪の場面が現実となってしまった。
主人公の誤射により弟は足を負傷するが、結果的にそのおかげで命拾いする。が、2人の間に埋められない溝が残る。
本巻の最後は、広島の原爆投下で幕を閉じる。
広島に日系二世が多数在住していたという話は驚き。彼らは祖国アメリカに最悪の形で殺されたようなものである。
1巻から一貫して違和感を覚えるのは、主人公の妻が身勝手な女として描かれていること。
確かに多少ワガママな部分はあると思うが、現代の視点で見ればわりと普通なこと。
当時の感覚では、妻は黙って夫に従うのが良い妻であるという価値観だったのだろう。
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日系2世として生まれ育った賢二。
太平洋戦争末期から始まる物語で4巻の連作。
2巻目では戦場での弟との再会、戦勝国として日本に赴く葛藤、かつて恋仲にあった椰子と広島での再会など印象深いエピソードが沢山描かれる。
1巻より徐々に面白味が増してきた。
3巻も楽しみだ。