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Aセクっぽいとの噂をきいて読んでみたけれど別段そうは思わなかった。
信念に従う人は美しい。けれどこの主人公はそうでもないような……と、微妙な気分で読んでいたけれど、最後の章で一気に主人公が好きになった。
とりあえず真面目にジョークを学ぼうとする姿はひたすら可愛い。
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カズオ・イシグロ2作目。イギリスの権威ある賞を受賞した作品という事だが、正直なところ何回か眠くなってしまった。イギリスには執事という職業がある。二つの大戦の前から執事を務めたスティーブンスが、新しい主の薦めで旅に出かけ以前の主人のこと、一緒に働いていた女中頭との思い出、そして自分の「執事」としての品格について回想する。品格ある執事であることを求めるスティーブンスはイギリスの政界に深く係わるダーリントン卿の元で働いていた。そのお屋敷では各国の重要人物が集い不穏な時代の非公式な会議が開催されることもしばしばあった。卿を尊敬し正義のために働いていると信じる卿と同じように主人に尽くす事に執事としての品格があると信じる彼は、品格ある執事の一人であったと信じる父の死や女中頭のミス・ケントンとのやり取りよりもその職務を全うすることを選ぶ。その彼の態度は半ば滑稽なようにも感じられるほど頑なに「品格ある執事」であることを追及する。主人の言いつけが理不尽なものであると感じながらもそれにどんなに強く反対する抗議があっても自分の感情を表すことなくその命に従うことが「執事」たるものという態度。誤った方向に進もうとしている主人を見ながらもただ主人を信じ主人の意のままにつつがなく客人をもてなし、主人を喜ばせようと務める。何か偏屈といおうか柔軟性がない。スティーブンスによる語りという文章は、訳者が意識したものかバカ丁寧な物言いで、なんとなくNHKのドラマのポアロの声の熊倉カズオを思い出しちゃうんだけど、そのどこまでもくだけた調子のないところがイギリスの執事なのだろうかとも思う。そしてダーリントン卿との思いでと共に語られるのが、ミス・ケントンのこと。この女性、女中頭としてお屋敷に勤めだしたのは計算してみるとまだ二十歳そこそこというところだろうか。それで完璧な女中頭であったというのだから、それはどうもとは思うのだが(惑うでもいいことなのかもしれないが)、時にはお互いに自分の仕事に対する自負心とプライドからぶつかり合うこともありながら、認め合い信頼し合っていた。ミス・ケントンが唯一の身寄りの死に打ちひしがれているときも慰めの言葉よりも勝手にもう立直ったと女中頭としての仕事にミスを指摘してしまう彼の態度は鈍感というか、これもまた独りよがりな思い込み。ミス・ケントンの思いに気づきながらも執事としての態度をくづさず職務を優先しようとする彼。旅の終わり、お互い年を取り再会したミス・ケントンの言葉に、彼は自分が失ったものに気がつく。おそーい。ダーリントン卿もミス・ケントンも去り何も残っていないと彼は泣く。そんな彼にかけられた言葉。人生はこれからだと。夕暮れは一仕事が終わりほっとする時間だと。彼の人生もまた今はその夕暮れの時間であると。そうか。やはり私はこの前に読んだ「私を離さない」でのほうが好きだな。これは映画にもなっているらしい。アンソニー・ホプキンスか、映画のほうが感動するかも。
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「私を離さないで」以来のイシグロ作品。
やっぱすごく丁寧なんだなぁー。
本の世界の情景が目の前に広がるよう。
なんだか綺麗でした。
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「ザ・モラル・リーダー」教材。ハーバード・ビジネススクールにある軍学講座い。リーダーシップにまるわる強烈かつ意義深い教訓をビジネスリーダーに提供している。文学作品を読み互いに評論しあうことで、リーダーシップの育成に役立てている。
「ビジネスリーダーの日常生活には道徳的あるいは倫理的な側面を無視できない判断が絶えずつきあいまとう。つまり、リーダーには道徳的規範が求められるが、一般的な組織では道徳上の問題にまつわる微妙なニュアンスを理解する力を養ったり、その種の問題について議論する機会はほとんどない。ザ・モラル・リーダーのプログラムでは、議論を通じて、本質に迫る対話を身に付けます。」
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秋葉原のメイドはこの本をバイブルにすべき。
というのは冗談だけど。
のど越しのいい文章でするするしてる。
つるんと読んでいるのに、いつのまにか沈殿したものから
イギリスが見えてくる不思議。
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淡々としているものの、品があって、時にユーモラスで、読み始めると引き込まれました。どこかの書評で女性作家さんが「執事としては完璧だけど、人としてはかなり抜けてる」みたいなことを書かれていて興味を持ったのですが……確かに(苦笑) こと恋愛についてはかなりツッコミどころ満載ですが、静かな物語の中で、それは愛おしいものでもあります。(2008.07.06読了)
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長崎生まれ、英国育ちの著者のブッカー賞受賞作。
実直で勤勉な老執事、スティーブンスの短い旅に込められた思いや目的を美しい言葉で綴った小説。
(原書ではなく日本語訳を読んだので、翻訳者の力量もある)
古きよきイギリスの空気を感じられる1冊。
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執事の仕事がどういうものかよくわかり、興味深かった。
一人の執事の人生に胸を打たれた。
仕事についてプロとは何か?品格とは何か?など奥深い内容が詰まっていた。
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やー。すばらしいですね。すばらしいですね。二回。
私を〜もだったけど、ストーリーがどうとかっていうか、カズオイシグロがすばらしいよ。ごちそうさまでした。720円ですよ。街の本屋にいきゃすぐ手に入るんですよ。ああ、小説ってすばらしい。本屋っていうシステム作った人ありがとう。すげー。
なんか、時々ギャグなのか?っていう瞬間があってそれがまた切ない。これをよんでそっこー映画も借りてきたんだけど、まあ映画もいいけど、小説のがいいわね。なんか小説のが客観的だし、それゆえの愛ってのがあるし、救いがある。最後が断然小説のがいいです。
ところで唯一のラヴ・シーン(と呼べるのか)、スティーブンスが読んでる本をミス・ケントンが無理やりみるところ、映画ではホラーで笑えた。二人とも怖いですから。ハンニバルー。でもアンソニー・ホプキンスは、当然すばらしい。
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11/9 Never let me go よりも、個人的にはストーリーが好きだった。時間の経過、物語の進み具合、主人公の心情の混ざりあいが絶妙。ラスト近くでの独白は圧巻。必見。他のものも読みつくしたく幸せに思う。
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The evening's the best part of the day
夕方が一日の中でいちばんいい時間なのさ
You've done your day's work
一日の仕事を終え
Now you can put your feet up and enjoy it
脚を伸ばしてのーんびりと過ごす
That's how I look at it
わしはそんな風に思っとる
五十年後、誰かにそう言いたい。
You've got to enjoy yourself
人生は楽しまなくちゃ損だ
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大好きな小川洋子さんがFMラジオでとりあげてらっしゃたので読んでみました。 キーワードは『品格』でしょうか。 それがちょっと滑稽に描かれているように思います。
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読み終った瞬間にもう一度はじめから読み始めた小説はこれがはじめて。カズオ・イシグロの現時点最高傑作。
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ストーリー、話の組み立て、ところどころに挟み込まれるユーモア、卓越したセンスに技術、それら全てが素晴らしい。
小説に、まだこれほど良いものがあるとは思いませんでした。
最近は、ブログや日記、ケイタイ小説など、だれでも文章を書いて発表することができて、ヒットする作品の多くが、素人の書いたウェブ発のものだったり、ケイタイで書かれていたり。
それはきっと良いことで、これからもこの流れは止まらないだろうと考えていましたが、このような作品に出会ってしまうと、やはりプロと素人の差はあまりにも大きいと考えざるをえません。
「品格の有無を決定するものは、みずからの職業的あり方を貫き、それに耐える能力だと言えるのではありますまいか。」
「人生たのしまなくっちゃ。夕方がいちばんいい時間なんだ。脚を伸ばして、のんびりするのさ。夕方がいちばんいい。わしはそう思う。みんなにも尋ねてごらんよ。夕方がいちばんいい時間だって言うよ。」
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英国の名家に仕え、主人を敬い、家政諸事万端取り仕切る事に誇りをもつ一人の「執事」を描いた小説。輝かしき日々を懐古しながら、執事の誇りにかけて変動する戦後の日々を生きようとする謹厳実直な人間性がひどく堅苦しく伝わってきた。新しいアメリカ人の主人に合わせるためにジョークの研究に励むなんて…ああ、なんてクソマジメなんだ〜!執事の職に徹するあまり、恋もプライベートもすべて切り捨てているところなどは「唐変木」という感じだがそれもまた彼のプロフェッショナルな誇りでもあるのだろう。以前これの映画化作品をみたのを思い出した。エマ・トンプソンが良い演技してたなあ…