投稿元:
レビューを見る
天皇や皇族に信教の自由はあるのか?英照皇太后の死去に際して、本人の仏教信仰を尊重すべきとの考えが拒否された…!キリスト教はもとより、仏教さえもそのような扱い絵であったとは実に興味深いところ。戦後、昭和天皇はキリスト教がもっと増えるであろうと予想していた!これも面白い。国家神道が宗教ではないとの理屈付けを否定すべきとの考え方が、逆にGHQとして、介入しづらくしたということは考えられることである。天皇の信仰が日本独自の宗教なのか、それとも単に慣習なのか!それを天皇本人の立場から、面白い視点を知ることができた。欽明天皇時代に仏教が神祗信仰と異質のものとして受け止められていた、「神祗」という言葉自体が日本独自はなく古代中国・朝鮮にもあったとは驚きだった。そして順徳天皇(鎌倉時代)の故実書「禁秘抄」の「神事を優先にすべき」との思想に始まり、明治初期にはキリスト教敵視を誤っていると考えた木戸・大久保・大隈・伊藤博文らが方向転換を考えた、更にキリスト教を国教にして文明国の仲間入りをしようと考えた福沢諭吉、原敬…実に興味深い天皇史あるいは仏教・キリスト教との関係史である。