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大好きな宮沢賢治の詩が、
一部分なのですが、まとめて
読むことができます。
解説もついていて読みやすい。
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このシリーズを読んでいてほんとうに思うことは、詩というのは教科書でとりあげられた一編だけで良い悪いを判断できるものじゃないんだ、ということです。詩集を一冊読まないとわからなかったです。「永訣の朝」がこんなに切実で美しい詩であったということ。今にも溶け落ちそうな、霙のように澄んで美しい詩集ですね
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宮沢賢治はずっと好きだと思っていました。
ただ、レビューするにあたって、この「永遠の詩」シリーズの第六巻、全部読み直しましたが、賢治は小学校の教科書にも載っている、なじみの深い作家ですが、非常に難しい作家だと思いました。
しかし、好きなこと、イコール意味がよくわかることでは、必ずしもなくていいのだと、巻末の椎名誠さんのエッセイを読み励まされました。椎名誠さんも賢治の全集をただ漫然と読み流していただけで、実はまるで何も理解していなかったという過去を書かれていらっしゃいます。
このシリーズは親切に一篇一篇の詩に解説がついていますが、それでも難しく、いくらかみしめても読んでわからないものも多かったです。
「星めぐりの歌」
あかいめだまの さそり
ひろげた鷲の つばさ
あおいめだまの 小いぬ、
ひかりのへびの とぐろ。
オリオンは高く うたい
つゆとしもとを おとす、
アンドロメダの くもは
さかなのくもの かたち。
大ぐまのあしを きたに
五つのばした ところ。
小熊のひたいの うえは
そらのめぐりの めあて。
<解説より>
賢治の童話の中には、物語のエッツセンスを結晶させたかのような素敵な歌詞が多く出てくる。それは賢治の童話が詩と分かちがたく結びついていることを示しているし、また童話と詩の底に音楽が流れていることでもある。この「星めぐりの歌」も、1918年(大正7)8月作の童話『双子の星』の挿入歌に、賢治みずから曲を付けたもの。「あかいめだま」は蠍座の首星である赤星アンタレス。以下鷲座、小犬座、蛇座、オリオン座の星ぼしが夜空をめぐる。「大ぐまのあし」は大熊座の北斗七星のひしゃくのあたりだろう。「そらのめぐりのめあて」は北極星のこと。
賢治の宇宙感覚がのびやかに声をあげている。
「春と修羅」「報告」「永訣の朝」「無声慟哭」「告別」「雨ニモマケズ」もよかったです。
宮沢賢治(みやざわ・けんじ)
1896年(明治29)~1933年(昭和8)。
岩手県花巻市に生まれ、幼時から自然や動植物を愛した。
中学時代から短歌を手がけ、のちに農学校教諭として働きながら、膨大な数の童話や詩を創作した。
生のあるものすべてを慈しみ、絢爛たる言葉の魔術を駆使して表現するその詩は、多くの読者に愛されている。
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宮沢賢治の詩集ですね。
たまには詩も読んでみたいなと思いまして、馴染みの深い宮沢賢治さんを選んでみたのですが、軽はずみに読めるものでないと改めて恥じ入りました。
宮沢賢治さんは「詩集」という言葉を嫌い「心象スケッチ」と言われたそうです。
観賞解説の詩人の高橋順子さんの案内無くしてはとても読み進められませんでした。
なかには私でもなんとかついて行けそうな詩もありました。
詩を読むときは深く考えすぎず、自分の中で受け取れるものを感じる事だと思って、静かに目を通していきました。
解説の椎名誠さんも「ひとつひとつの意味はわからないないけれど、読んだあとになぜか悲しくなってくる。あるいは苦しいなかにも気持ちのどこかが明るく解放されてくる。そういう読後感というものがあります。」と述べられています。
宮沢賢治さんの生きざまのなかで、宮沢賢治さんの言われる「心象」を読み取るのは至難かも知れないけれども、詩を通して思い至るものがあればと、手にする機会を持てればいいかな。
この詩集は宮沢賢治さんの全詩より三十一篇を選ばれたものです。
初めて詩集を手にされる方も、私のようにたまに詩集を読んでみたい者にも、なじみやすくよい詩集ですね。