投稿元:
レビューを見る
マルクス経済をわかりやすく解説。「たしかに世の中はこんな風だ。」って感じですらすら読める。だからって皆がマルクス主義にならないように思想的な面を極力省いてる感じ(だからわかりやすいのだけど)。ワーキングプアのことを考える上で欠かせないだろう、というのと、うちの父が共産党員でやっぱり高校時代にマルクス化したクチなので、そう、血に従って読んだのであります。今日読んだ『AERA』の記事に共産党が勢いをつけてきているというのが載っており、行き過ぎた自由主義経済の反動で「マルクスを見直せ」の声が高まっているのだと付け加えられていた。NHKのドキュメンタリーで、イギリスなんかはいち早く労働問題に関して国が介入・援助する範囲を拡大させ、社会主義的な要素を取り入れている。早くから格差社会化したというのもあるだろうけど、ロバート・オーウェンの精神が生きているとも思える気がする。
マルクス主義は失敗だった。これは疑いようのないものだが、いま世界が求めているものは紛れもなくマルクス的なものなのだ。世界を考え、先取りできる、必読の入門書。
投稿元:
レビューを見る
マルクスというと、ソ連の解体・ベルリンの壁崩壊・革命主義者などの影響で、古臭い・劣っている・なんか怖い、イメージがあると思う。
私もそんなイメージを持っていたうちの一人。
でもこの本を読んでそのイメージが変わった。
マルクスすげー。
この時代にこれだけ資本主義を熟知していたとは。まさに天才ですね。
現在にも当てはまる部分は大いにあり、経済を捉える上でのひとつの大きな武器と成りうるだろう。
K.NAGAO
投稿元:
レビューを見る
確かにわかりやすい。文毎に口調が変わるのが少し違和感を覚えますが・・・しかも誤植も多い。
これで一番分かりやすくした、ということですが、これでもかなり難しく思えてしまいます。おそらく資本論そのものが相当難しいのだと思います。
書いてる本人(カール・マルクスその人)も分かってて書いてるのかなぁと思えてしまいます。
一ついえるのは、資本論は「資本主義の暴露本」であり、「共産主義社会の道しるべ」ではありません。
「必然的に起こりうるだろう」と、予測はしてありますが。
投稿元:
レビューを見る
「働ける状態の維持に必要な生活手段の価値の合計で労働力の価値が決定される」
マルクスが見る資本主義を語った主著「資本論」の本質をざっくり理解したいという要求にぴったり。
わざと小難しく書いた後に、言葉を換えて優しく説明することによって、親切な一冊を演出するスタイルが個人的に少しめんどくささを感じさせたが、とにかく簡単に、例を交えて、何度も、記述することで頭にすり込まれる感じは悪くなかった。
資本論の雰囲気につかることができる。
労働者を生活に必要な賃金で一日分の労働を買うという時代をまず前提として据えなければ、「ん?」となってしまう。
ただ、液晶パネルの価格推移と企業業績なんかを思い描くと、機械化による利益率の低下、価格の低下のあたりの動きをマルクスがいかにキレイにまとめているのかが分かる。
特許であったりイノベーションであったりといったモノは考えず、極めて透明な社会で単純な生産と消費が繰り返される世界を見ているマルクスだが、当時は近しいものだったのだろう。
シンプルに考える経済学の原点として意義深いと感じる。
商社や銀行などの機能がどうしてできたのか、どうして必要なのかといっった点も、原点を確認出来る。
経済の拡大と恐慌の関係は非常に納得のいくロジック。
危機にまで発展せずとも生産財生産者と消費財生産者間のブルウィップ効果などの問題はあり、、あた。製造から小売りまでを見通せる自動車業界において、今回の金融危機発端のクラッシュから受けたインパクトを見れば認めざるを得ない事実。
資本主義が恐慌を呼ぶ。
悪い面ばかり見えてきそうだが、淘汰と技術革新により新しい世界に繋げる過程と思えば悪くない。
ただ、振れ幅が拡大していき、企業がビビッてしまい企業業績と労働者報酬に開きが出てきている点が問題であることは確かだとは思うが。
投稿元:
レビューを見る
マルクス経済学をわかりやすく解説した本。思想としてではなく、経済学という科学的側面の解説。
「使用価値」「価値」「剰余価値」など、独特の考え方を用いて経済を追っていくマルクス経済学。非常に技巧的だというのが、率直な印象。よく創りあげられた嘘というのは、それに気づかなければ非常に蠱惑的で甘い香りを放つものだ。
労働者の権利を重んじる立場でありながら、その労働者を機械とおなじようにしか考えていないように見える。所詮唯物主義か。
といいつつ、後半の資本や利潤の章で展開される論は、現在の経済状況と酷似しているところに、空恐ろしさを感じる。
資本主義や自由主義の世の中で暮らしていくには、その対となる概念は学んでおかねばならない。その点で非常に有用な本。
投稿元:
レビューを見る
マルクス経済学について、非常にわかりやすく書かれた本。
資本主義社会であっても
改めてマルクスを学び、お金の価値とは何か。
労働の価値とは何かを学ぶことは非常に意味があることだと思う。
投稿元:
レビューを見る
「資本論」は難解だそうで、これぐらいなら何とか読めるかなぁという印象。労働とは何か、資本とは何か、価値とは何か、など経済学というよりは哲学的。資本主義においては拡大再生産→恐慌というサイクルが必然なんだとか。それは、拡大再生産の過程において、最終需要が変化する前から設備投資を行うため、需要の減少がすぐには上流での生産過程に伝わらず、供給の過剰が起こるためだという。本書ではそこまで触れられていないが、計画経済の根拠というのはここらへんにあるんだろう。
投稿元:
レビューを見る
完全にマルクス「主義」ではなく「経済学」の本。
なので、思想的な解説はあまりしてくれない…
「マル経では、○○を××と考えます~」
と平易な文章で丁寧に解説してくれるのだが、
「それはなんで??」ってとこには答えてくれない気がする…。
思想的な面を知りたかったので求めてたものとは違いましたが、
結局のところいつか通る道だったのでよかったかなと。
しっかし、これほど簡単に書かれても頭に入らない部分は
著者の書き方が悪いのか俺の頭がよっぽど悪いのか…
レビューの評判を見る限り、きっと後者なんだろう。。
とことん経済に疎い自分に渇を入れたくなりました。
この程度で眠くなるようじゃだめよねぇ。ほんと。
投稿元:
レビューを見る
資本主義の欠点として、労働者の搾取やバブルと不況の発生に行き着くことを論理的に説明していて、マルクス経済学が現在に役立つことがよく分かりました。恥ずかしながらマルクス経済学とマルクス主義が別物だということも知らなかった私にとって、この入門書はありがたい。それにしても大学時代に経済学も受講しておけば良かったなあ。