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美しさが暴くもの
2016/02/21 01:11
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
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評判の高さはレビュー等で知っており、ストーリーも最後まで知っている状態で読みました。
読むのを躊躇っていたのは、スプラッター表現がきつそうだった為です。
ミステリーやホラーは好きですが、残酷表現は苦手なので不安でした。
読んでみると確かに相当痛そうな表現が所々で見られましたが、
ストーリーのインパクトの方が重かったせいか、直視できないというレベルではありませんでした。
ストーリーとしては、簡単に言えば、
限度を知らない悪意と暴力を増長させたバカな中学生のガキどもが、
限度を越えたイジメ(+犯罪)を極めた末に、主人公に惨殺されるという流れで、
全体的に救いの無い話ではありますが、一種のカタルシスを得られる部分もあり、
読後は色々と考えさせられ、強い印象の残る作品でした。
単純な復讐憚ではなく、人が恐怖に直面した時、どう考え、どう行動するか、
それによって生まれる闇がリアルに描かれていると思います。
恐怖のあまりに、相手への憎悪を好意へすり替えて自分の心を守ろうとしたり、
別の者へストレスを向けて残酷な行動を起こしたり、
過去の恐怖を長期に渡って自分の中で腐らせて停滞したままの大人になったり、
こういった歪んだ心理は、世の中にはザラに存在していますので、
その醜さが読んでいて辛くなります。
地方の廃校寸前の中学校といういかにも閉塞的な環境で、
歪んだ悪意や好意が澱のように沈んでいる中、
都会から身も心も強く美しい少女が登場したことで「バランスが狂った」、
「何もないクソ田舎の中、キミの存在はあまりにも…」というのは、
責任転嫁のチープな表現に見えて、実は的確な理解なのかなと思います。
十代前半の幼稚な独占欲や残酷性、劣等感など、誰もが見ないフリをして、
いずれは過去のものとして埋めるはずの醜い感情を直視する事になってしまったという点で
確かに主人公の登場が集団に与えた影響は多大だったのではないかと。
ただ、だからといって主人公に何ら問題があるわけではなく、
言わば引越しのタイミングと運の問題でこんな展開に陥ってしまうというのも
何ともやるせない話だと感じます。
情景として重苦しくつきまとう積雪の印象が強いせいか、ラストの美しさがとても切なく、
最初から最後まで強く惹き付けられる力を感じた作品でした。
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田舎の学校に転校してきた春花は、陰湿ないじめの標的に。帯に押切蓮介初の本格ホラーとありました。ということでギャグではないです。ホラーとして楽しめると思います。
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まったくギャグなしです。
完全にホラーです。
押切先生、やっぱりこういう作品も書けたんですね。
そして、書きたかったのかな?
今までの作風が作風なので、すんなり入れるホラーです。
ネットでの「カイキドロップ」では、このテのイラストもかなり書き下ろされていますし。
とにかく、今後に期待です。
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ギャグもシュールもないホラーです。しかし絵柄は普段と変わらないので、他作品を読みつけている人には、トラウマ感が倍増すること請け合い(ヒロイン春花の父親とか……)。
ヒロインとヒーローのあやうい美しさが、ガラス玉のような瞳とべったりと塗られた不安定な輪郭の黒髪から成っており、それが、舞台となる村の、真っ白な背景の中に置かれることで、非常に心が打たれます。
ものすごくどうでもいいんですが、留美を個性派美少女に替えれば、案外アイドル映画の企画としても有りのような気がしました。ヒロイン役のプロモーションとしてとても優秀だと思う。
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押切蓮介の本気・本格スプラッタ・ホラー。
読んだ事のない人は、まさかこの絵にこごえ、追い込まれ、あわい優しさを感じるとは思わないだろう。
春に焦がれて冬になる少女には、もっと過酷な雪が降る。乞うご期待。
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ミスミソウ1巻
読んでみて、もしも好みが合いそうならば
続きも読んでいただきたいです。
内容は大変な内容ですが、私はキャラクター、登場人物の魅力があるので大好きです。
好きな登場人物が多いです。
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友人から借りて読んだのですが...一言で言うならホラー??
少し…じゃないかもしれませんが、グロい表現があるので
そういうのが苦手じゃなければ、どうぞ☆
友人は「純粋な狂気、ってこんなのかなぁ?」って
笑いながら言っていましたが...まさにそんな感じでした☆
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虐めと復讐の漫画
ホラーギャグをメインに書いてるからか、そのギャップで
この漫画の黒さが更に際立ってるような
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スプラッタとかホラーとか言われてるけど、私は勝手にある種の群像劇だと思っているよ
人の心の醜さを描き、そして美しさも描いていて、とても読み応えがあります
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とにかく怖いです。
押切さんは普段お化けのでてくるホラーが多いですが、これは人間が怖いです。
激シリアス。
ラストが衝撃。
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人間が持ち得る狂気を、たった三冊の中に出来る限り詰め込んだ作品。吐き気がするほどの閉塞感。目を覆いたくなるほどの悲痛。極めて儚い希望。そして咲き乱れるような美しい暴力。全てを読んだ後、あとがきの「『普通』の人間」に何を思うか。間違いなく傑作。
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押切せんせーは、「怖い」っていうよりも、なんていうか「人をイヤな気持ちにさせる」のがとても上手い。
不快のマエストロ。
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「でろでろ」と「ゆうやみ特攻隊」は全巻買ったけど。
まだミスミソウは買ってないのでいつか買いたい
なんかガチでホラー特化作品ぽいけど・・・
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月刊『ホラーミステリー』に掲載されていた作品。
陰鬱で壮絶で、最後がまた儚い。
人間の神髄に迫った作品。きび悪い。でもそれがいいのである。
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超 絶 に 鬱 で す。
全編を通して光など全く見えません。表紙と帯(あらすじ)に釣られて買ったのですが、期待を裏切らない内容でした。
イジメに耐える春花の心の支えは家族と、たった1人の大切な妹。それを失い、春花は…と、1巻はだいたいこの辺まで。2巻以降は「終わり」に向かって物語は加速するのでしょう、楽しみです。
静かに狂っていく無口で黒髪ロングの美少女って萌えm(自重)