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人の死って悲しくて辛いものだけど、後に残された者を成長させてくれる大事なもの。悲しみを共有することで絆が深まったり。大切なことを考えさせてくれる本。
妻に先立たれて子どもを男手ひとつで育てていく、というのは「とんび」と同じ設定だけど、内容はまったく別物。共通することは、子どもが育っていくのと同じように親も一緒に育ってゆくということ。それは二人がいてではなく、周りの温かい人々と関わることで。
自分が親になったら参考にしたい本。重松清の本は読み返す価値があるなあ。
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男手ひとつで一人娘を育てていく父親とその娘の成長の物語。
保育園に初めて娘を預ける日から小学校を卒業する日まで。
娘が1歳半のときに妻に先立たれ、不安だらけの中で一人で娘を育てていこうとする健一。妻の両親を始め周囲の人たちの支えを得ながら。
妻の両親はときに過干渉で鬱陶しくもあるが、やはり頼りになる家族。
娘の成長の折々のエピソードが季節の移り変わりに重ねて描かれる。
家族の「永遠の不在」をどう受け入れ、暮らしていくのか。
また、目の前に訪れる祖父の「永遠の不在」を小学生の娘はどう受け止めるだろうか。そして新しい家族をどう受け入れるだろうか。
娘との生活の細かい描写は少ない。むしろ周囲の人との関係の中でのこの父娘の成長、心の揺れ動きが描かれている。
この家族の幸せを願わずにはいられない。
春に読むにふさわしい本だ。
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結婚三年目で急逝してしまった妻。
残された「僕」と娘。家族の成長の物語。
「子供の成長物語ってほっこりして癒されそうだなあ」と、
軽い気持ちで買ったのですが、ところがどっこい。
毎章ジーンと来る場面があったり考えさせられる場面があったりで、
いい意味で裏切られました。
小説で泣きそうになったのはこの本が初めてです。
重松清さんの作品は初めてだったのですが、
登場人物の感情が非常にリアルに描かれているなあと感じました。
文庫版あとがきに書かれている、
人は「永遠の不在」をどう受け容れていくのか、というのが、
本当によく描かれていたと思います。
また、ネタバレになりますが、
さり気にタイトルが最後の方の章で絡んでくるところも
なかなか憎い演出をするなあと、してやられた感じです。
家族物の話が読みたい方には是非お勧めです。
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妻をなくした夫と、母を知らない娘が沢山の人との関わりのなかで成長していく話。心の描写が丁寧で感動しました。
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結婚3年目で妻と死別してしまった主人公。妻は1才の娘を残していった。娘が小学校卒業までの物語。何度も泣けるシーンがあります。同じ大切な人を失った義理の両親。出世を心配してくれる上司。再婚を願う両親。不妊治療中の義理の兄夫婦。みんなの親切は痛いほど分かるのにそれが重荷と苛立ちにつながる。季節感のある話も多く飽きません。続編がよみたい!!
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人は変わり続けることができる。
どんなに辛い別れがあっても、変わり続けて、成長し続けることが、生きている者の役目(?)なのかな。
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病気で妻を亡くし、父娘が頑張って生活している。
保育園~中学生までの娘の成長が描かれてて切ない。
涙が止まらなく、心があたたかくなります。
もっと父と娘のエピソードが多いほうがよかったな…。。
いまいち絡みが少ないのが残念。
父子題材は石田衣良さんのチッチと子を思い出した。
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結婚三年目、30歳の妻を亡くした健一さん。
残された娘を育てることを決めて暮らす年月。彼の人柄か周りに善い人が多い。一人で子供を育てるのは容易ではないのに、義父が義母が義兄夫婦が支えてくれる。
身近なところにもそんな人が多い。母を亡くした娘といった暗いイメージを持たずに成長する娘が愛おしい。嫌なことも辛いこともあるだろうにホンワカと包んでいく強さがある父娘でした。
これからも哀しいことが有るかも知れないけれど、その暖かさで乗り越えていくんだろうと信じることができます。
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わかっていても号泣。泣ける。重松清はあざといと思う人もいるけど、私は本当に心情描写が納得できるので、大好き。
シングルファザーの話では、とんびも名作だけど、これもよかった。父と娘の話もいいね。
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妻を亡くした男性が、子どもと二人で生活していく話。
すごく感情移入してしまった。
男性視点だから、当たり前だけど他の人が考えてることが分からない。
そのせいで思い悩んだりもする。
娘の成長、義父母との関係、仕事、自分の恋愛。
難しいことだらけだ。
病床の義父の「俺だって、若い頃に単身赴任してた二年間、神様に言って返してほしいんだから……」って言葉が印象に残る。
たぶんその時は単身赴任、やる気に溢れていい選択だと思ったんだろうな。で、別にそれは間違いでもなくその時のことも後悔するようなことではないんだと思う。でも「もしもあの時こうしてたら」とか考えちゃうんだろうな。
私のこれまでの選択の中にも最期にそうやって振り返ることがたくさんあるんだろうなぁ。その時その時で真剣に悩んで、後悔はしない!って選択してるつもりではあるんだけど。
せめてこれからの生活でも、その時その時の幸せも苦労もしっかり噛み締めて生きていきたい。
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子どもを持つ親として泣きそうになる。というか、泣きながら読んだ。
ただ、登場人物が綺麗すぎる。安っぽいテレビドラマを観ているような感じ。それも嫌いではないけど、重松清にそれを望んではいない。
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とんびや希望ヶ丘の人々と同様、丁寧な心情描写には参った。どうして重松さんはこうまで人の心情を的確に表現できるのだろうか。
妻、母、義理の両親家族を想う気持ち、誰にも分からない将来の幸せをお互いに気遣う気持ち、時間の流れ...、最高でした。名作。
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妻と死別した夫と娘。のこされた人たちの成長の物語。
「キュウリの馬に乗って」のおばあちゃんとの会話と、「サンタ・グランパ」での妻の幼少期のフィルム映像には特にグッときます。
本書で描かれていない2人の生活を想像するのが楽しく、幸せになってほしいと心から願ってしまいます。
誰もがたくさんの人に支えられ、今はもう会えない人、顔も思い出せないような人たちにも愛されて育てられてきたんだと再認識できる、そんな心あたたまる桜色の物語。
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悲しみや寂しさ包み込んで生き続けること。悲しみや寂しさの隣には楽しかった記憶がある。
死ぬことで、その存在は消える訳じゃなく、形を変えて共にあり続ける。
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とても重い内容だったが、いろいろと考えさせられた。妻がいなくなったらどうなるのか。子どもがいなくなったらどうなるのか。そして、自分がいなくなったら残された人はどうなるのか。
やっぱり重松清の作品はとてもおもしろい。