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「---五百年、千年のむかしにも、私たちがこうして眺めるように、誰かが、 こんなふうに、あの山を眺めたかもしれない、これから五百年、千年ののちにも、また誰かが、此処へ来て、同じように、あの山を眺めるだろうか」
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珍しく長編です。
主人公の気持ちがすごく分かります。何もかも捨てて心のままに生きたい・・・。
欲望を持たずに生きれたら幸せそうに思えるけど、生きるということは欲そのものなのかもしれないな・・・。
乙女のようになりたい。
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柳沢吉保が権勢を誇った時代、半之介は幼い頃に「かんば沢」という奇怪な土地の話を叔父から聞いていた。武田家再興を願う一族に縁のある地、「かんば沢」を調査していた叔父はその後、狂人となり失踪してしまう。成長した半之介は叔父が残した書付を見付け、どうしようもなく魅了され…。
通勤途中に読み終えたのですが、半之介のように全てを捨てられたら幸せだろうなぁとぼんやりと駅の雑踏を眺めてしまった。気持ちが落ち込んでいるときには読まないほうがいいようです。
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武田家再興を目論むみどう一族。主人公安倍半之助は、「かんば沢」にとりつかれ、これまでの生活を投げ打ち、江戸を出奔、甲州の山中に住み着く。豊かさとは何かをふと考えさせられる。13.6.11
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江戸三代将軍の頃に役人の家に生まれた安倍半之助は、幼い頃に叔父から甲府の武田にまつわる不思議な話しを聞いた。その叔父は甲府で行方を失った。武田家の再興をもくろむみどう家の長女、天真爛漫な妹、再興の為の財宝、江戸役人生活を嫌って甲府に逃げる半之助。それらがひとつのロマンをつくる。文中に語る半之助の言葉は、山本周五郎の人生観か。
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山本周五郎作品は今まで短編小説しか読んでいなかったので、ちょっと長く感じてしまいましたがヒロインの溌剌とした所や世の中に対する目線等がやはり作者らしく読後も爽やかな気持ちになりました。
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山本周五郎の先祖は武田家の遺臣であったとのこと。
武田家再興を狙う一族の密かな動きを探索する江戸幕府の役人、そして柳沢吉保と綱吉のこと、秘密めいた会合、秘密めいた美人姉妹のこと、また、山彦乙女の中でも重要な舞台に使われる武田八幡の風景、主人公安倍半之助と花世とのやりとり、山本周五郎のロマン味あふれる作品でした。
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http://denki.txt-nifty.com/mitamond/2007/12/post_f37f.html
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江戸時代の元禄年間が舞台。武田家再興の陰謀と柳沢吉保の権勢維持が絡む。権力を求めることの虚しさが描かれる。