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”横道世之介” は、大学進学と同時に東京での生活が始まります。
緊張の中にも、好奇心イッパイの 世之介 の様子が
読む側にも伝わってきます。
友人も出来き、生活も楽しいものに変わっていく。
そんな中、恋人 ”祥子” に出会った事から
話は面白くなっていきました。
世之介 と関わりのあった人たちの現在の様子も織り交ぜて書かれていました。
大学のキャンパスで世之介と一緒に歩いてみたい。
そんな愛嬌のある 横道世之介 が活き活きと描かれていました。
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自分が大学生だったのは、10年以上前のことだが、
この小説を読んで、その時の恥ずかしい気持ちとか、
うれしかった思い出とか、いろんなことが思い出された。
大学に入学して、いろんな人と出会いながら、世界が広がっていく。
そんなことがこの小説では描かれていて、
誰でも、すっと、この主人公の横道世之介に寄り添うことが
できるのではないかと思う。
世之介が出会う人たちがみんな魅力的で、
穏やかな連携の中で、つながっている。
そんなことも読んでいて、温かな気持ちになった。
世之介が40歳になるまで、どう生きてきたのか、続編を読みたくなった。
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読み終わって涙しながら最後のページ うまいよ!でも反則だろっ
青春ものと思いきや、ダークなところが潜んでいて吉田修一です
読んでる時は面白いけど、そこまで世之介が良いって思わなかったんだけど、感想書きながら涙して、そうか〜とか納得した
そんな自己満足なきりりちゃんの感想はこちら
ってリンクできなくなってるよ!
しかたない...「聞いてあげるよ君の話を」をググって下さい
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吉田修一作品の真骨頂というかまさにそのもののような気がします。
横道世之介という主人公のことは、大学1年間の生活と40歳になって亡くなる時のことしか書かれていない。
この作品は実は世之介と出会った者たちの作品なんだろう。
彼と出会った取り巻きの者たちの今の生活はきちんと書かれているのに。
大学を出てからの彼はきっと、日常のありふれた場面をとる報道写真家として生きてきた。それは吉田作品そのものがそうであるように。そして彼や作品にふれた人たちが希望のようなものを感じて生きていけるように。
【hanabi】というミスチルの歌詞がぴったりきます。
『どれくらいの値打ちがあるだろう? 僕が今生きてるこの世界
すべてが無意味だって思える ちょっと疲れてんのかな
手に入れたもん引き換えにして 切り捨てた いくつもの輝き
いちいち憂いでいれるほど 平和な世の中じゃない
いったいどんな理想を描いたらいい?
どんな希望を抱き進んだらいい?
答えようもないその問い掛けは 日常に飲まれて
君がいたらなんて言うかな?「暗い」と茶化して笑うのかな?
そのやわらかな笑顔に触れて この憂鬱が吹き飛んだらいいのに
誰も皆 悲しみを抱いてる だけど素敵な明日を願ってる
臆病風に吹かれて 波風が立った世界を どれだけ愛することができるだろう
笑っていても泣いて過ごしても 平等に時は流れ
未来が僕らを呼んでいる その声は今君にも聞こえていますか?
誰もが問題を抱えている だけど素敵な明日を願っている
臆病風に吹かれて 波風が立った世界を どれだけ愛することができるだろう
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大学生になった主人公世之介の一年間の日常と、彼を取り巻いていた友人たちの現在が所々に描かれる。読み終わり、世之介に切なさと共に愛しさを感じる。描かれてはいない大人になった彼の様子が、母親の手紙で想像でき、暖かい気持ちさせられる。
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横道世之介が田舎から上京して大学生活を始める場面から物語は始まる。カルチャーショック、個性的な友人、初めてのアルバイト、恋、そして・・・。六本木交差点でタクシーを止めようと万札を掲げていたという時代ならではの話や当時の流行やニュースなども織り交ぜてあり、80年代に学生生活を送っていたアラフォー世代にお勧めの小説。
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携帯電話もなかった80年代に学生時代を送った男の青春期。どこかぼーとしていて自己ちゅーなんだけど許せてしまう。「あー 大学生に戻りたい」と思ってしまった。
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これは、いい。
俺の中では『悪人』を超えました。吉田修一の言葉はなんでこんなに簡単で、深いんだろう。。もっともっと評価されていいのに。。
読んでいて心底、世之介がうらやましかった。かっこよくもなければ、博識なわけでも、徳人でもないのに吉田修一が書くとこんなに魅力にあふれた人物になる。。
ま、きっと吉田修一の大学時代の自分と重ねているのだろうけど、とにかくうらやましい。
これは名作。
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2009/10/23-2009/10/24
この小説の内容に関する感想ではないが…
初めて新聞に連載された小説をリアルタイムで読み、改めて単行本として出版された本を読んだ。
今まで「加筆・訂正して出版」との断り書きのある本を何冊も読んできたが、今回のように加筆・訂正前後の両方を読んだのは初めて。
こんなに変わるものなのかとビックリ!
今まで新聞で連載されている小説を読む習慣がなかったが、これからは積極的に読んでみようと思った。
今後の私の読書習慣が変わるかもしれない、ある意味大きな存在の1冊。
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なんかよかったなぁ~最近の吉田さんの作品は悪意のある人間が登場することが多かったんですがそれとはまったく正反対の青春物語。
長崎から上京してきて『な、ん、か、ち、が、う、』っと思いながらあっちへふらふらこっちへふらふらする憎めない世之介。
インターネットも携帯電話もなかったバブリーでどこか浮かれたあの時代が懐かしい。
派手なドラマがあるわけでなくただなんでもない日々の出来事が楽しく心地よい。
20年たった今、みんなの中に世之介って奴が昔いたよなって優しく愛しく思い出す。
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2009.11.14 図書館。
吉田修一と僕は同じ大学の同じ学部で、舞台となっている大学に僕も通っていた。学食、お壕沿いの遊歩道、飯田橋駅、ビリヤード場、産業概論・・・。懐かしい。読みながら当時の友達の顔が浮かぶ。みんな元気でやってるだろうか?社会を支えてるのは何でもできるスーパーマンみたいな人じゃなくて、世之介みたいな人なんじゃないかな?
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「2009年、これを読まなきゃ終われない」というアオリ文句に珍しく乗ってみた。「これを読まなきゃ」というほどの「感動巨編」ではないが、新聞連載小説にしては淡い色彩の、それでも眩しい青春の日々を生きている世之介のほんわかした80年代の日常が、確かに愛しい作品。実際にあった新大久保での事件と絡めてみたのは途中からの構想? 世之介のようなひとには、そのまま普通の大人になって普通に生きてる「今」が待ってても良かったのに。ドラマティックにする必要は必ずしも感じない。が、それとは別に、特にモデルというわけではないだろうが、結果として関根カメラマンというひとの生き方にも光を当てた作品となったことは良かったと思う。
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長崎から東京の大学に出てきたフレッシュマンの1年間のお話。
なんだかフレッシュマンの頃を思い出して懐かしくなった。
時代は80年代後半なんだが、20年後の現在の話も出てくる。
自分がこれまで出会ってきた人たちに、
ボクもなにかその人の人生に影響を与えたりしてるんやろか?
と考えた。
でも人とのかかわり合いの積み重ねで現在があるんですよね。
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なんか語呂合わせのような名前は、両親が
『好色一代男』から取ったとか。
長崎の港町から大学進学のために上京し
慣れぬ都会生活にあたふたしながらも少しづつ
広がっていく人間関係!
隙だらけ人間である世之介の日々奮闘ぶりが
ユーモアと深みある文章で綴られていた。
周りを固めるキャスティングにも唸った
そのうえ何といっても自分の若かりし頃とダブる
80年代青春。
あの頃見たテレビ番組、服装、映画、本・・・
全てが懐かしさで溢れてるような感じがした
そして、最後の母親の手紙には涙がでそうだったな~
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なかなか面白い小説だった・・というのは、ちょっとした意味で。
この物語は長崎から東京の大学に入学する横道世之介(よこみちよのすけ)の大学生活1年間を綴っている。
その間には、友達との出会いやアルバイト、コンパにクラブ活動(サンバクラブ)、恋人との出会い・・等々。
様々なシーンが描かれるが、いずれもオレの大学生活にシンクロするのである。
その理由であるが、実はこの吉田修一という作家は、オレと同じ大学出身。ゆえに彼の小説の中に描かれる大学生の生活では、時々「ああ、あのあたりね・・」とリアルに想像できることが多いのだ。
今回も「日本武道館での入学式」、「神楽坂の居酒屋」「クラブの溜り場だった学生会館」・・こんな描写が出てくる。
このあたりが郷愁をそそるのだ(笑)
もしも「世之介」が隣にいたら、いい友達になれそうな気がする・・