電子書籍
平安時代の性別交換
2021/11/30 02:35
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投稿者:719h - この投稿者のレビュー一覧を見る
心理学者の河合隼雄氏が注目して
自ら一書を物している、風変わりな物語です。
設定が奇天烈であると同時に、現代の社会的性の
問題にも通ずる内容なので、数多の類似作品を
生み続けています。
でもそんな二番煎じに手を伸ばすぐらいならば、
本家を読んでみるに越したことはないでしょう。
総ルビと充実した解説が読む助けになるので、
それほど怖くはありませんよ。
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前から凄く興味があって、買ってみました。
ビギナーズ・クラシックスのシリーズは本当に話が分かりやすくてすきです。
まだ半分くらいしか読んでないですが、男君と女君の、それぞれの生きる道は何かを模索していく感じがいいです。
私も、自分自身の事を考えさせられる気がします。
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なんでやねんっ、という展開が多く、いい意味で(?)ヒドイ話でした(笑
また、展開が早く、結構読みやすかったです。
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女君は女の姿に戻ってから幸せになれたのか。
そうじゃない気がする…。
奇抜な発想の物語だけど、(当時において)典型的な女性像に疑問を呈しているとも言えるお話。
ビギナーズクラシックスは表紙がどれも可愛いから好き。
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男が女として育てられ、女が男として育てられるという大変にスリリングな展開。宮中の男の人の直接的なふるまいにびっくり。簡単に惚れすぎ?笑 古典の音のうつくしさを現代訳と比較しながら読み進めることができる。時には昔の言い様のほうが、現代語訳よりその景色をいっそう言い表しているようで、興味深い。
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ずっと読んでみたかった『とりかえばや物語』。
いきなり古典は難しいので、ビギナーズ版から。
主要な場面を抜粋して、前書き(状況説明)と現代語訳、原文、解説の順に載せてくれている。非常にわかりやすく、興味が持てる構成になっている。
とくに現代語訳のあとに原文があるから、内容が頭に入った状態で原文に当たれて、なんだか古文をスラスラと読める気分になれる。
肝心の内容は、男女のきょうだいが、幼いころに女の子が活発で”男らしく”、男の子は内向きで”女らしく”育ったため、女の子は男として、男の子は女として世間にでていき、思春期を過ぎ、成年となったあたりで女の子(男として生活)の妊娠をきっかけに、もとの性のとおりの人生に踏み込んでいく、という話。
この、平安当時の女らしさ、男らしさというのがミソ。
世間一般の考える型にはまらなかった人たちの、なんて生きにくい様よ、と辛くなる。
結局はもとの性の通りに生きていくわけだけれど、あとがきにもあるように、帝に寵愛され子もたくさんもうけ、それなりの環境が整っても、自分らしく生きられなくなってしまった女君には、不幸の影が寄り添う。
男女にとらわれない生き方のできる(人によって程度はあれども)現代の、なんと幸せなことよ。
非常に示唆に富んだ一作。
古典って、面白い。
これをきっかけに、今度は原文に当たりたい。
それにしても、権中納言は好色すぎる!!
源氏物語の光源氏もそうだけど、現実に近くにいたら勘弁、の一言に尽きる。腹が立って仕方が無い。
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普段本は空き時間にしか読まないけど
これは面白すぎて
図書館で借りた当日に読みました(笑)。
源氏物語の影響を強く受けている。
平安時代に書かれたんだな
って思うと余計面白みが増す。
源氏物語と比べたら
そりゃ文学的価値は低いだろうが
こっちのほうが大衆娯楽作品っぽくて
私は好きだなー。
このシリーズも名前の通り、
ビギナーズ向きで、
大変わかりやすい解説・図説で
本当に読みやすいです。
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『本来そうであるべき姿』を強制する社会はずっと変わらなかったから、今もこの物語が生き続けている気がする。女君が内向的になっていくにつれ、男君が社会に順応していくのが対照的。
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概要だけなのが勿体無い。全文読みたかった。導入にはオススメです。平安王朝のジェンダー論的一冊でないかと思います。
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読みやすかったですね。
現代文だけまとめて読みました。
今から千年も前の人たちが考えていることは、今とあまり変わらない。
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わかりやすいですが、ところどころ飛ばしています。
内容ですが・・・なんか、こう、頭が良くて才能がある人が、自分ではどうしようもない理由(性別など)で思うように生きられない話はなんだかモヤモヤする。
あ、話としてはとても面白いです。斬新な着眼で。
あと、好色手籠め男には本気でイラッとした。
チ○ポもげてしまえ!
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おとこらしい姫は男として、おんならしい若は女として、それぞれ成長し結婚までするが、途中で入れ替わりもとの性別どおりに。
C0093
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父親の前世からの宿業の報いが「天狗の呪い」として主人公の2人に現れたのである。悲劇のお話。なかなか発想が当時としては面白い。
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「女君」の心がクローズアップされていく物語の進行がやはり興味深い。
女君が「ああ、自分も男の訪れを待つばかりの女になってしまった」と嘆くあたりを、同時代の読者たちはどう思ったんだろう。
女性は身につまされたのかな。そして、男性は…?
男女の境が攪乱されたけれど、結局伝統的な男女の役割に収斂していく、と読むべきなのか、攪乱の中になにがしかの価値があるのか。
どう判断すべきか、まだ決めがたいけれども、とにかく読了。
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1000年前に書かれたこのお話は、今でも充分楽しめるし、今だからこそ考えさせられるジェンダーの問題。
生まれ持った性質より生まれた性別で役割や振る舞いが制限される時代。男女の役割を入れ替えたきょうだいの運命やいかに?
面白いのは、男性の魅力として、優美さやたおやかさが描かれていて、平安時代の平和さを象徴してるなと思いました。
また、権力や男性的な力によって手篭めにされた女性が悲しんでいる場面で、権力を行使した側は気づかなくても、力によって傷つけられた方は恨みを溜めているのだという解説にうんうんと頷いてしまった。