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図書館で借りてきました。
これまで私が読んできた類似本とは、ちょっと切り口が違っていて面白かったです。
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まとめれば、
「やたら『忠臣蔵』を推しながら好きなミステリ小説を引合いにだしつつさりげなく無難なことを書いて、途中から本気を出して具体的な説明をしてくれる小説の書き方を教える本」
です(長。
森村誠一なりに独自の観点から文体やプロットの作り方を解説してくれます。
「小説の書き方」というタイトルですが、まず導入の第一章は具体性に欠いていました。第四章も同様に抽象的な話だったので、無難な話をとりあえず書いたな、という印象でした。
また、「実践編」とはあるものの、別に何がしのトレーニングをすれば云々の技術が身につく、というような話はしません。
それでも他の章は完成度が高く、森村誠一が自らの読書経験から引っ張り出してきた種々の図書の文を使って具体的な説明を行っていきます。
しかしながら、具体的な説明とはいえ、決して手取り足取り、手順とステップを教えるなんていうことはしません。
作者は何回か「文は人なり」という言葉を引用します。考えてみると、小説の書き方の手順とステップを教えないのは、森村誠一に知識と技術が不足しているからというわけではなく、「文は人」だからなんですね。「十人十色」というように、文=小説の構築というのも、人それぞれの個性がある。だから、作者は手順を教え渋っているのではなく、手順を知らないのでもなく、手順が存在しない。
様々な例を用いて小説の書き方を多面的に切り取っているのですが、いかんせん、抽象的な部分はとことん抽象的でした。そこがやはり欠点です。また、やたらとミステリー系の話を引用したり話題にあげたりします。
買って損はしません。
★★★☆☆
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本を読む理由とは
「知的要求」である。本を通しあらゆる人間の考え方や知識、知恵を学び、人生の方途を決定したり、自分を探す。
他人が築きあげた知識の集積を、罪を犯す事無く、自分のものにできる。
とあった。
これが根底にあり、小説を書く。
知的要求を満足させるような内容はやはり自分が一番勉強し、インタビューなどをして、考え方の集積を計らなくてはならない。
本を書く難しさと大変さを痛感した反面、
プロットの作成の方法などを様々なバリエーションで説明してくれた。
ただ、全部を薄く多く紹介した感は否めない。もっと分かりやすく図をもちいてほしい。
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松本清張以後の社会派を代表する推理小説家の著者が、小説の書き方について語っています。
数多くの作品を執筆してきた著者の、小説についての考え方が語られているという意味では、おもしろく読みましたが、テクニックのレヴェルにまで落とし込まれていないという印象があります。じっさいに小説を書きたいと考えている読者にとっては、あまり役に立たないのではないか、と思ってしまいます。
「小説道場・実践編」というサブタイトルには、ちょっとそぐわない内容だったように思います。
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架空の人物と人生の中に人間の真実を彫り込むのが小説である。
小説は事実より奇なりでなければ、小説の価値はない。
人間にはそれぞれに魅力があり、すべての人間の魅力を造形するのが作家の役割であり、腕である。
小説作家は過去の単なる発掘ではなく、現代への再生である。
とても参考になった。
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【芝蘭友のトップストーリーニュース】vol.34で紹介。http://www.shirayu.com/letter/2009/000079.html
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今までブクログにレビューを書かない派だったのだが、一念発起してメモ程度でいいから書き始めようと決意した。この本はレビュー第一陣目となる。
よし、と意を決して本棚一覧の中から本書をクリックし、背景が薄暗くなる中に白く浮かぶ編集ウィンドウと向かい合う。
何事もやり始めは気合いが入るもので、本書に関してもかなりしっかりめにレビューを書いた。これは今の自分の感想を漏れなくしっかりと記載できたぞ、いつか読み返すのが楽しみだ、とわくわく心踊らせ保存のための青いボタンを押す。そしてそれがこの後30分は続いた後悔の始まりだった。
その青いボタンは「レビューを保存」ボタンではなく「次のアイテム」ボタンだった。さて、このブクログの「次のアイテム」ボタンについてだが、現在特筆すべき仕様が主に3つある。1つ目は選択中アイテムの編集ウィンドウが消えること。2つ目は選択中アイテムの次に登録されたアイテムの編集ウィンドウが表示されること。そして最も重要な3つ目は、消えたウィンドウで編集した内容は保存されないこと。もうわかるな?
何の疑いもなく「編集内容を保存しました」といったメッセージを受け取ると無防備に期待したわたしの前に現れたのは全てが空白の編集ウィンドウ。もちろん冷静に考えると、それは他の作品の編集ウィンドウなのだが、わたしは突然消えた渾身のレビューに非常に焦った。
焦った時にとっさに取る行動はいくつかパターンがあると思う。その複数のパターンから、今回のケースにて選択されたのは"体に染み付いた動きの再現"だったようだ。体というか、正確には指だが。わたしの指はとっさに慣れ親しんだ位置にあるキーを押した。動いたのは左手のみ。小指はCtrlキーに、人差し指はRキーに。Ctrl+R。Webページの再読み込み処理を実行するショートカットキーだ。小指と人差指のお馬鹿コンボは、リセットすればなんとかなるとでも思ったのだろうか。
あ、と気がついたときにはもう遅い。ページタブ上で普段はブクログのアイコンがある場所をぐるぐると線が回転し、少し後に再びブクログの可愛らしいアイコンが浮かぶ。再読み込みの完了だ。
そして全てが、跡形もなく、消えてしまった。何度ページを更新しても、キャッシュクリアをしても、何もない。本棚一覧から本書をクリックし、編集ウィンドウを開いて確認できるのは「レビューや感想を書く」という無機質な指示文言のみ。当たり前だ。Webページ表示の際に参照するデータベースには、何も保存されていないのだから。
事態に気がついたときに真っ先に浮かんだのは混乱、そして次に怒り。「次のアイテム」ボタンが保存ボタンと同じビジュアルで本当に紛らわしい、未保存の編集内容があったら「次のアイテム」ボタンを押したとて保存されるべきだろう、だいたい、未保存の編集内容があるときにページ再読み込みを実行されたら警告のポップアップを出さないとはなんて不親切なんだ、などとプンスカした。
ひとしきり苛立ったあとは怒りもおさまる。これじゃあただのクレーマーじゃないか。サービスの開発と運営は色々と大変なんだし。なにより��結局一番の原因は不注意な自分。あのレビューはもう戻らないのだと思うと、ただただ悲しく、虚しい。くうう。。。
あまりの悲しみと虚しさに、本書のレビューとは関係ない駄文を書き連ねてしまいましたが、星3の評価はこの状況とは全く関係なく、純粋に本書への評価です。気が向いたらレビューを更新して真のレビュー文を書こうと思います。
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琉球大学附属図書館OPAC
http://opac.lib.u-ryukyu.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BA89716935
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小説の書き方
小説道場・実践編
著:森村 誠一
角川Oneテーマ21 B-119
けっこうおもしろかった
■アイデアと構成
・小説のプロット(筋)やアイデアはどのようにして考えるのか
百作あれば百作とも、スタイルやプロットの練り方がちがう
カフェでぼんやりコーヒーを飲んでいるときもあり
仕事場でデスクに向かって脂汗を流すようにおもいつくこともあり
・登場人物が勝手に動き出す、始めにつくった青写真が全く役にたたなくなることも
・推理小説では、途中で予定変更はできないが、連載小説であれば、ゴールが変わっても問題はない
・作家としての蓄積があればあるほどいい
それはまず読書、続いて、人生経験
・小説とは人間や人生を描くことが一義、人間や人生を描くものがそれらを知らないことは、作家としての基本的な欠陥である
・物語の作り方
①時系列を基準として構成に並んでいて、太い一本の軸に沿って構成した作品
②複数の幹を絡ませながら最後に一本の結末に収束する多元的構成
・感性を磨く
作家の感性とは、書く対象に感ずる能力
作家の維持能力を支え得るには、野次馬根性というべき好奇心、好奇心がない作家は少なくとも語り部になり得ない。
・世界に誇る長編ドラマ 忠臣蔵
長丁場を維持するものは、物語の起伏
起伏ない物語は風景に変化のない大平原の直線道路を走るように退屈する
それから要所要所に見せ場が必要
そして、見せ場と見せ場をつなぐ橋があって、全体として、ストーリー全体が起伏に富んでくる
・忠臣蔵と並ぶ人間集団のドラマ それは、新選組、
新選組の山場は、池田屋
池田屋は夏で血なまぐさいだけであるに対して、忠臣蔵は、雪化粧で華がある
新選組は、滅びの美、そして、時代錯誤
・小説の主人公は人間である
したがって、魅力ある登場人物の設定が作品のキーとなる
主人公は正邪、善悪いずれもでもよい
登場人物の日常的危険性、性格、才能、感性、徳義、その生活、交友関係、癖、仕事、趣味、家族構成、病気、進学、就職、恋愛、結婚、離婚、リストラ、倒産、死
その人生の場面における起伏が人物に潜む危険となって魅力的nキャラクターを刻んていく
・長編小説
長丁場を維持する圧力とは、多彩で魅力的な登場人物
ディスカッションドラマは二人以上の対話、討論形式で進行する
小説の主人公は人間である、作品の成否はひとえに人間の造形にかかっている
・恋愛小説
愛し合う2人を阻む障害が必要である
・登場人物のマイナスの魅力
肉体的魅力 美貌、体形、音声、肉体的能力
精神的魅力 人格、性格、教養、知力、感性、勇気、思慮、広い視野、先見力、分析力、精神性
マイナスの魅力 身体、精神のハンディキャップ、反社会性、凶暴性、残忍性、狡猾、悪知恵、虚栄、吝嗇、遊蕩、射幸性、好色、淫乱、耽溺性、独善、多���人格、虚言癖
間接的魅力 生活環境、条件、交友関係、過去
■書き始めと結末
・書き始めは玄関口 玄関口でもたついているとせっかくの訪問者を逃がしてしまう
・結末 ラストメッセージ ラストメッセージのない作品も少なくない
・題名 書き始めが玄関口であれば、題名(タイトル)は表札、魅力的な題名は読者を惹きつける、平凡だと、書物の大海の中で存在主張に乏しくなる
・小説のリアリティ 小説は虚構であっても、事実と真実の反映がなければならない、読者が小説に共鳴し、登場人物に感情移入するのも、小説にリアリティがあるから
・本物らしさを出すには
①まず作者みずから実地を見分すること
②次に書こうとすることについて、知識や情報を集める。綿密な調査に基づいた虚構は事実と通底している
・ディテール すべての事項についての詳細の説明や解説である 専門的な事項についてはある程度の説明を加えないと読者に分からない
ディテールを欠いた作品はリアリティが薄くなる
■プロットの立て方
・小説はプロットが命 物語系の小説ではプロットの面白くない小説はもはや小説ではない
・プロット作法のパターン
①短期発想型 なにかのきっかけでひらめく
②出会い型 人間、場所、資料などの出会い
③長期構想型 長いあいだあたためてきたプロット
④バリエーション型 他の作品、映画、演劇などの影響を受けた作品
⑤最先端専門知識型
⑥同時進行型
・小説全体の推敲
①時系列 時間的な誤謬
②場所の検討 空間的錯覚
③伏線の欠落 伏線なしにいきなり書かれている
④情報もれ 知ることができないものを登場人物がしっている
⑤前段との不整合 流れに矛盾がある
⑥季節感 環境の描写に統一感、時制がない
⑦重複語
⑧専門知識、事実誤認
⑨差別用語
⑩敬語の使い方
・面白くするこつ
序破急、起承転結、クライマックスの置き方、意外性
■文章論
・言葉の6つの機能
①知識、情報、客観的事実
②情緒の伝達
③人間関係の潤滑油、挨拶、激励、弔意
④娯楽
⑤だまし
⑥暴力
・描写と説明
描写とは骨格を支える肉付け、筆者の主観によって描かれるもの 情景を情緒的に協調する
①心理描写 一番大事な描写
②情景描写
③風景描写
・説明とは客観的に記述されるもの できるだけ正確に伝達する
■文体論
・文体とは作者の文章のくせである
・文体を形成し、磨くには
①多くの名文に接する
②模倣する
③他人の訂正、修正などと格闘する
④模倣を踏まええ、独自の文体を研究、開発する
・切り口 作品のアングル(視角)である
・会話と地の文
会話の得意な作家は、作品も面白い、当然会話も多くなる
会話の不得意な作家は地の文章の比重が多くなる
会話で心しなければならないのは、その人間の人生や性格、��会・時代・生活環境などから決して使わない言葉を話させてはならないということだ
・視点
自分の視点、1人称
神の視点 多視点
■実作のサンプル
・性 年齢別 幼年期、青春期、壮年期、老年期
異性のどこを描写するか
ブラトニックラブ 精神的な愛は、肉体的な愛よりもはるかに深い絆を結ぶことがある
・雰囲気づくり
季節、時間、登場人物の心理状態、視野、視角、ファッション、言葉、方言、地域性など
・環境
・現場
・行動
・理論構成 思想、信条など
・叙情(リリシズム)
・奇想天外、諧謔
・ユーモア
・飲み物、味、アイロニー
・引用
・予告
・錯覚
・隠語、会話
・連作・反復・擬人化
・におい
・音
・色
・光と影
・風俗・ファッション
・四季
・演説
・超能力・超常現象
目次
第一章 アイディアと構成
第二章 書き始めと結末
第三章 プロットの立て方
第四章 文章論─言葉の六大機能
第五章 文体論
第六章 実作のサンプル
ISBN:9784047101876
出版社:KADOKAWA
判型:新書
ページ数:256ページ
定価:781円(本体)
発売日:2009年04月10日