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重力理論というか現代物理学の解説書。
万有引力の法則で有名なニュートン。そして、ニュートン理論では説明できなくなったよりマクロの重力現象を説明するアインシュタインの相対論、アインシュタイン理論では対応できないよりミクロの重力現象を説明するものとして量子力学、更に両者を統一する理論として期待されているのが超弦理論と解説が進みます。正直、後ろに行けばいくほど難くてなかなか読み進みにくくなります(著者としては平易に書いてくれているのでしょうが私には難しかった)。1回読んですぐ読み直しましたが、その後も”?”な部分が少なくありません。
また、超弦理論の解説中、素粒子の標準模型の中で唯一見つかっていないヒッグス粒子という部分がありますが、丁度読んでいる頃に”観測された模様”というニュースが駆け巡りました。まだ重力の理論は完成していないようですが、まさしく現在進行で研究が進んでいる分野なようで、理論の理解はできなくても興味深くページをめくることができました。
しかし、有名な算式 ”E=mc^2”。
見た目は単純なんですが、なんと悩ましいことか…。
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ていねいに、大切に書かれているのが伝わる良書。
あれもこれもと内容を拾ってくれているのに、(専門的にならない程度に)半端な省略がなされないのはすごい。
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文章が易しくてわかりやすく、且つ飽きないように面白く書かれていてよい(内容が難しいので途中から理解し辛くなったけどそれは僕の知識不足)。
話題のヒッグス粒子に関して「発見が期待される」と書かれていて、今著者が同じお題で本を書いたら内容が変わっていただろうなと思った。
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9割くらいは知ってることではあったが、超弦理論の発展の歴史やその周辺で明らかになってきたこと、細かい小ネタなどが盛りだくさんで、とてもわかり易い本だった。
P.6
今ヒッグス粒子で話題のCERNのLHCの前に世界最高だったフェルミ研究所の加速器の予算審議で、初代所長のロバート・ウィルソンが「この加速器は、直接には国防の役には立ちません。しかし、わが国を守るに足る国にすることに役立ちます」と答えた下りはあっぱれ。
P.37
「質量」(慣性質量)と「重さ」(重力質量)は10兆分の1の精度で一致が確認されてはいるが基本的に別という事を強調するのが古典力学だけれど、この本のように弱い等価原理的(WEP)に質的にも同じと断言されると、そうなのかと思ってしまう。
P.62
エーテルの不在を図らずも証明してしまったマイケルソン=モーリーの実験は、1887年、石造りの建物の地下室で、水銀のプールに浮かべられた砂岩(Wikipediaには大理石とある)の巨大なブロックの上に装置が置かれ、振動による影響を排除した。
P.64
アインシュタインが相対性理論を考えていた時、マイケルソン=モーリーの実験結果を知っていたかどうかは明らかになっていない。
P.78から記述してあるE=mc^2の証明の説明はあっぱれだ。
P.112
アインシュタインが一般相対論の方程式導出をしていた1915年、先に導出をした論文をアインシュタインに送ったヒルベルトは、翌週に発表するつもりだったというアインシュタインからの返信に対し、アインシュタインの功績を認める友好的な返事を送った。
ヒルベルトプログラムを巡るクロネッカーやゲーデルの争いに出てくる堅物なヒルベルト像とは違った懐の広さを感じる。
P.122
重力波の観測を目的に岐阜県神岡鉱山に建設予定の「KAGRA(KAmioka GRAvitational wave telescope)」の精度は、300垓分の1で、地球と太陽の距離を水素原子の10分の1の精度で計測することに匹敵する。
P.125
人工衛星は、相対速度(特殊相対論的効果)によって地上より一日7マイクロ秒遅れ、重力の弱さ(一般相対論的効果)によって一日46マイクロ秒時間が進む。合計で39マイクロ秒進む。
P.144
アインシュタインが自らの重力場方程式に宇宙項を付け加えたことを「生涯の不覚だった」と言われたとされているが、カリフォルニア工科大学でアインシュタインの論文、手紙、メモなどの一次資料の決定版を作成する「アインシュタイン・ペーパー・プロジェクト」のディレクターによると、その発言の記録はジョージ・ガモフの自伝以外に存在せず、ガモフのつくり話である可能性がたかいらしい。
P.168
イギリスの科学誌「フィジックス・ワールド」が2002年に行った「科学史上最も美しい実験」に読者投票で選ばれた日立製作所の外村彰らによる超有名な電子の干渉縞実験。外村氏は、震災直後の昨年3/15にがんと診断され、4月に膵臓の半分と脾臓の大半、胃を摘出。しかし、今年3月に再び体調を崩し、5月に予定されていたFIRST(最先端研究開発支援)外村プログラムの国際シンポジウムの開催と古��を前に息を引き取った(4/24)。残された遺品から「電顕、電子の波、ホ電(ホログラフィー電顕)は僕の命です。」などと書かれたメモがみつかった。(日経サイエンス2012年7月号参照)
P.201
CERNのLHCの1京倍のエネルギーを実現する加速器を考える。半径は銀河系の厚み程度。加速する粒子の波長は、10ナノ・ナノ・ナノ・ナノメートルで、この粒子が衝突した際に発生するブラックホールのシュヴァルツシルト半径も同程度になる。したがって、観測すべき領域が覆い隠されてしまい、原理的に測定不可能。これがプランク長さ。
P.206
アメリカでシュウィンガーとファインマンという二人の天才がくりこみ理論の完成に向けて競っていた最中の1948年、日本から小さな小包が届く。同封された雑誌には、朝永振一郎が第二次世界大戦中の1943年に日本語で発表した論文の英訳が掲載されていた。後にこの3者の方法が数学的に同等であることを示したフリーマン・ダイソンは「戦争による破壊と混乱のまっただ中で、世界の他の部分からまったく孤立しながらも、・・・・彼はシュウィンガーに5年先んじて、・・・・新しい量子力学を独立で推し進め、その基礎を築いていた。」と語っている。
その他、クォーク・グルーオンプラズマの発見のドラマや、トポロジカルな弦理論、重力のホログラフィー原理、など、楽しい話題がもりだくさん。
宇宙が人間が存在できるような形でたまたま存在したという人間原理を、科学の最終兵器とする考えには共感できない。たまたま存在しているのは人間の方で、「物理的好奇心」を持ったことはさらにたまたまという気がするから。
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重力の事が知りたくて読みました。
難しい事をわかりやすく書いてくれてると思います。
無知な私でも何となくわかったようなわからないような。。。
でも読んでて楽しかったですよ。
こういうことに興味があるなら一読をお勧めいたします。
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重力の不思議から宇宙の姿を捉える理論まで例え話を用いながら紹介。世界の科学者たちが挑戦する知的冒険の一端を垣間見ることができる。想像力と好奇心を掻き立てられる、宇宙好きには堪らない一冊。
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ニュートン力学から超弦理論まで順序立てて説明されるこの書は
とても読みやすい。噂には聞いていた「宇宙は10次元」とやらも、
他の本ではまったく理解できなかったが、この本ではなんとなく
わかった気がします。読んで良かった。
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インフレーション理論は誤った方向に進んでいるのでは。
241pホーキング理論とインフレーション理論を組み合わせた宇宙全体の「ゆらぎ」の予測が実際に人工衛星による天文観測の結果と一致とある。
文字通り受け取ると滅茶苦茶凄いと思うけど、何となく違和感を感じる。
実は初めに結果ありきなのではないか。つまり、その利理論の結果を前提として、観測装置が設計されたのではないか。もしくは、難しい数学の証明を解くときに、「あ、辺ABとCDは一緒なんだ。ふむふむ。‥‥あれ、でも、問題に辺AB=CDって書いてあるから当たり前か。」って事と同じ状況なのではないか。
後書きに、高校生に説明するつもりで書いた、とあるように丁寧な説明が多かった。ただ自分がどれだけ理解できたのかはよく解らない。。
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前半はスラスラ読めてちょっと物足りないくらいだけど、後半は脳みそ高速回転状態。たぶん、このあたりは数学的に理解した方が分かりやすいんだろうなぁ。
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超弦理論や、最新の?ホログラフィー原理まで、わかーりやすく説明している。(最後の方は若干ついていけなかったが)
また、わからない部分はわからないと正直に述べている部分に好感を持てる。
科学はいつだって発展途上なのですね。
小学生の頃は物質の最小単位は原子だと習ったものだが、既にその頃研究者の間では、超弦理論が素粒子の最終模型の候補になっていただなんて。
先生おしえてくれなかったよねー。
ニュートン力学から、相対性理論から、超弦理論まで、科学の発展とともに順を追って説明しているから、わかりやすいのかな。
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そういえば、うちのPCはマクスウェルという名前だし、ボソンとかフェルミオンとか聞いてニヤニヤ?できる人にはおすすめか。両艦とも火星沖海戦で沈没しとりますな。
てゆうか「るくしおん」の進宙って2013年だったのね。。。
来年じゃん。
おわ。感想台無し。。
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最近 ビックス粒子発見のニュースを読んで 重力とは?と思いこの新書を購入してみました。
すごい!
アインシュタインが ホーキングが 量子力学が 超ひも(弦)原理らの何を考え求たのか一度に(理解は難しいが)把握できた。 雑誌ニュートンを観たときよりわかりやすかったなぁ
福岡伸一著:『生物と無生物のあいだ』を読んだ時みたいに 理系の文学サイコー!と思い、また日本を元気にするのもこのような研究者だよな、とも思いました。
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細かいことに触れずに,大筋や概念,イメージをうまく伝えれれている.
エッセンスがもれなく抽出されており,大まかなことがわかった気になってよい.
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重力を説明するのは大変で、過去の様々な研究や概念や理論を引っぱり出さなければならない。それを数物の歴史を辿るかたちで、光とは何か、時間と空間とは何か、相対性理論とは何か、量子力学とはなにか、ブラックホールの問題、超弦理論……と、素人にも興味深く説明をしてくれる。
だからって、もちろんこの本一冊読んだところで、何一つ本質的な問題や答えは分からないのだけれど、それでも素粒子の世界や宇宙の世界などに興味を持つには十分な本。
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重力をめぐる物理学の歴史をかいつまんで説明する。断片ではなく、ひとつながりのストーリーのように解説してくれるので深入りしすぎない大枠を何となくわかって賢くなった気になれる笑。知的好奇心はかなり刺激される類の本。
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万有引力から特殊・一般相対論、量子力学など物理学の展開史から、最新の超弦理論までを視野にいれた重力理論を俯瞰する一冊。難解な内容を分かりやすく纏めている。重力研究の第一人者による格好の入門書。