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謎解きよりも人物や出来事自体の描写がメイン。
戦後の空気と、登場人物がどんどん深みにはまっていく様が、淡々と描かれています。
重すぎて読むのが辛かったです。読み終わっても全然釈然としないし。
まあ、松本清張の作品はどれもそうだと言えばそれまでですが。
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現実に起った外人神父による日本人スチュワーデス殺人事件の顛末に強い疑問と怒りをいだいた著者が綿密な調査を重ね、推理と解決を提示した問題作。
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なんでも実際の事件をもとに描かれた物語なんだそうな。戦後日本で急成長した某キリスト教団体の黒い金脈とスチュワーデス殺人事件のなぞを解くみたいな。松本清張のサスペンスは事件の解決そのものよりその裏にある人間のドロッドロした有様が描かれてて好きです☆
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ぐいぐいと読ませてしまう筆致は流石と思うのだけれど、多分に強引というか、まあ実際のところもこのとおりなのかもしれないけれど、日本の国際的立場の弱さや宗教集団の閉鎖権威主義に対する作者の憤りで展開していってる気もして、その辺りがちょっとな、と思ってしまった。
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昭和30年代に実際に起きた、外国人神父による
スチュワーデス殺人事件に題をとった話です。
事件の概要を聞くと、「ひどい!!」と思うのですが、
小説を読んでみると犯人にちょっと同情してしまい
ます……。
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中央公論社のハードカバーな清張。清張は文庫だらけなので稀。
真っ黒なジャケットに、真っ赤な紙ととっても凝った装丁です。お洒落!
外国人宣教師が関わったとされるスチュワーデス殺人事件を題材にした内容で、
清張にしては珍しく美男美女がしかもロマンティックに書かれてます。
ネタバレになるのであまり書きませんが、
前半の平穏な舞台と、後半の怒涛の事件の流れが面白いです。
推理小説というより、ゴシップ的な面白さかな。さらっと読めて楽しかったです
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読了
内容(「BOOK」データベースより)
救援物資の横流し、麻薬の密輸から殺人事件まで、“神の名”のもとに行われた恐るべき犯罪の数々。日本の国際的な立場が弱かったために、事件の核心に迫りながらキリスト教団の閉鎖的権威主義に屈せざるを得なかった警視庁―。現実に起った外人神父による日本人スチュワーデス殺人事件の顛末に強い疑問と怒りをいだいた著者が綿密な調査を重ね、推理と解決を提示した問題作。
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50数年前に実際に起きた、外国人神父による日本人スチュワーデス殺人事件を題材にした推理形式の問題作品
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良人が罪人になっていくありさまを克明に記す。誰しもが罠にはまる可能性があるのだという人間の脆さをうまく描いている。
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同じ教団に所属する者として戦慄したのは、本作によってではなく、当時の週刊誌のインタビューに載ったある女性作家のコメントである。
司祭による殺人(容疑)というセンセーショナルな事件に対し、この作家は以下のように述べている。
「神父様の瞳をご覧になって下さい。澄み切った美しい瞳です。決して人を殺せるような方の目ではありません」
ベルメルシュ神父(作中ではトルベッキ神父)は2009年時点でカナダの地元の名士として存命中であった。この事件についてはノーコメントを通し、死者への哀悼のことばはなかったと聞く。
なお本事件に関し、日本のサレジオ会(作中ではバジリオ会)でも真相を曖昧にした当時の教会当局のあり方を批判する声があることは明記しておきたい。
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実話に基づく推理小説。
スチュワーデス殺人事件とその背後にある教会と密輸組織の関与を暴く。
久々に読んだ松本清張。最後に捕まらないところがスッキリしないけど、実話に基づくなら仕方ないか。
他のもまた読んでみたい!
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実際に起きた事件をもとにしていることから、リアリティはあるが、事実に忠実なぶん内容が平凡になっているように感じられた。
それにしても、当時のサレジオ会ってめちゃくちゃやってたんだなあ。幾ら時代が違うとはいえ、唖然とする。
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聖職者として身を捧げようとする外国人神父が、一人の女性と恋に落ちる。彼をとりまく教会関係者と裏で暗躍する巨大犯罪組織が、信仰心と愛欲の狭間で葛藤する彼を巧みに利用しようとして、悲劇が起きてしまう。
純粋無垢な神父が追いつめられ犯罪に手を染めてしまうまでの過程と、そして宗教団体をとりまく巨大な闇組織の全貌を後一歩まで追いつめる警察官の様子が非常にスリリングに描かれ、最後まで目が離せなかった。
しかしこのストーリーが実際に起きた殺人事件を基に作られたということを知った時が一番震撼してしまったが・・
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「黒革の手帳」が本気で何が面白いのか分からなかったので、僕のなかで松本清張は火曜サスペンス劇場の人ぐらいのポジションになってしまっていたのですが、この「黒い福音」はよかった。
そもそも僕は、吉村昭作品のようなノンフィクション小説が好きで、本を読み終わったあとは「現実すげー」とアホ面で元ネタの事件について色々調べたりして賢くなった気になっているわけですから、同じく現実に起きた事件を下敷きにしたこの「黒い福音」が面白くないはずはなかったのでした。
しかしこの作品のすごいのは、吉村昭小説では出来る限り事実に即して物語が描かれるのに対し、犯人が結局捕まっていない殺人事件の犯人の行動を全部書いてしまって、「こいつが犯人です」と真顔で言ってしまうところ。
様々な人たちの思惑や、政治情勢の影響によって結局検挙されなかった犯人に対し、そして世界に対し、毅然とNOを突きつけられる文学の可能性を僕は、火曜サスペンスの人だと思っていた松本清張に教えられたのでした。やっぱり読まず嫌いはダメですね。
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社会派松本清張の憤怒がこの作品を生み出した。
50年前の日本人スチュワーデス殺人事件を扱った本書は
終戦後の日本の国際的地位の低さと
勝戦国から流入した、人、物、金、そして思想がいかに敗戦国である日本に影響を及ぼしたのか、教えてくれる。
清張の取材力と、原動力となった怒りが、本書を映えさせている。