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読んでいる最中は確かに面白いのだけれど、この話はずるい要素がいっぱいある気がしてあまり評価したくない。
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すごく複雑な気持ちになる話だった。読みやくて面白い、娯楽小説としてかなり高得点を出せる分、この話題を扱うのは軽率というか、色々足りない印象を受ける。
面白がってる自分としての感想としては、悔しい!というのが1番。途中で、あーこいつ殺してんやろなー、とわかった気になって、その裏まで読み取ろうとしてなかった自分まだまだ甘いなーとうんざり。終わり方も、きっちりやれよと苛々。
でも一方では、そういうものじゃない、こういう風に書けるものじゃないって冷めた読み方をしてた。犯人が死ねばいいとか、法を改正させてやれば終わりとか、手記で訴えるとか、世間の認知を変えるとか、ほんとうまく言えないけど、そういうことじゃないんだって感じる。
きっと佐和子はあんな計画を立てれない。そして万が一実行したなら、三上は止めない。私だって、大切なものを殺されたらそいつを殺してやるって口では言うと思う。でも多分しない。禁じられてるからじゃなくて、やるのが怖いとか、自分の将来がとかじゃなくて、思いつかないんだって知ってる。
ただ、だからこそ皆が手を出さない分野に、この人が一作目から執拗に取り組んでるのには興味がある。そして毎回、忘れっぽい私に、違うんだよなあっていうことを思い出させてくれるから、好きなわけじゃない、でもこの先も読む気がする。
2011年06月11日 21:29
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「天使のナイフ」の方が面白かったなぁ~。
しかし【精神障害者】と【犯罪】というテーマには考えさせられました。
ニュースでもこういう事件を取り扱っているものを見ると不安になるし、恐怖を感じます。どの立場でこういう事件を視るかによっても視点が変わってくることは理解できるが、とても難しいテーマだと感じます。もし自分が被害者になったら、もし自分が加害者になったら、もし自分が加害者の家族になったら・・・と思うと重い苦しみが果てしなく続いていくんだろうなと思います。どこに誰に相談したらいいのでしょうか?とても考えさせられました。
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瞬きせずに読めた。
というのは極端だけど、重たいテーマの割に軽い、薬丸節は健在。
おかげで瞬きしたかしないかと言う短時間でさらっと読了。
ただ、天使のナイフとかでは気にならなかったその軽さが、今回はダメだった。
全体的にある行動を引き受けるまでの心の葛藤がなさ過ぎるように感じた。
元・妻からかかってきた電話で仕事をそっちのけに気軽に(?)
自分の娘を殺した犯人を追うという大事を引き受ける元・夫。
一度店に来ただけの男を簡単に引き入れ、明らかにおかしい挙動を示しても、
自分はこの人を面倒見ると決心する風俗嬢。
一番あたしが腹が立ったというか、あまりの荒唐無稽さにあきれたのが、
被害者でもあるその妻の決断。
よく元・夫は腹を立てなかったよね?
あたしならその時点で絶望して失神すると思う。
そんな決意をナゼ知らせてくれなかったのか、
一緒にいてずっと、欺かれていて、他の男の子供を宿した元・妻に、
よくもまぁ。
風俗嬢の隠された秘密のあたりも若干噴飯モノ。
半径数メートル内のほぼ全員が引き合うように心の病を抱えていましたって、
ちょっとご都合主義過ぎじゃないだろうか。
作者はいろいろ苦労をして作家になったそうだし、その努力はすごいと思う。
刑法の矛盾を突こうとする手法もよく考えられているとも思う。
ただ正直、その技法が先にたって、若干無理があるようにも思えてしまう。
次回作もこの手法でこういった偶然の積み重ねという構成だったら、
多分この作家さんの本はもう、読まないだろうなー。
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刑法39条及び、精神病について、深く考えさせられる作品。登場人物はみんななにかしらの傷を抱え、病んでいる。
舞台を雪の北海道としたところがニクイ。
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精神障害者に責任能力は果たしてあるのか否か。
刑法39条の問題点を突いたストーリー。
こういうメッセージ性のある小説は好きです。
被害者でもある元妻の復習の手法はちょっと作りすぎで
引いたけれど、言わんとすることはわかる。
薬丸さんの小説は絵が浮かんで来てドラマを観ているように
物語を読み解いていける。
珠玉の2時間サスペンスを観たような一作だ。
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刑法39条:心神喪失者の行為は罰しない。
心神耗弱者の行為はその刑を減刑する。
4年前、通り魔殺人で幼い娘を殺され、
妻も重症負わされた主人公・三上。
そのことがきっかけで離婚→小説家からエロライターへと落ちぶれた彼に
(エロライターの皆さんすみません)
元妻から突然の連絡があった。
「犯人が出所してこの街にいる!」
犯人は統合失調症とされたため
メディアもさほど大きく取り上げられず
通常の複数殺人犯よりもかなり減刑された犯人だったが
こんなに早く出所するものなのか、
果たしてそれは妻の妄想なのか…という作品。
例によって現実の法の壁と被害者側の視点が
たいそういたたまれない薬丸作品ですが、
今回は同じように佐和子の妄想を疑う2人の男の視点が
こうも違うものか、と良い対比になりました。
▼佐和子の元夫・三上
→あの時現場にいて守って上げられなかった自分を責め、
彼女の妄想かもしれなくても、彼女の気の済むように
今度こそ守ってやらなければ!
▼佐和子の現夫・坂本
→離婚してまで結婚したのに、病気を隠していたとはどん引き。
あのときの犯人のようにいつなんどき自分も殺されるかも分からず
ただただ妻に恐怖、入院・隔離させてできれば離婚したい('A`)
実際の統合失調症に対しては、三上のやり方が的確のようですね。
まあこの作品のどんでん部分としては
それすらも超越する悲しい展開になる訳ですが…。
光市母子殺人事件の本村さんの
初期のインタビューがかなり過激でしたが
そこまで被害者は追い詰められるし
殺人による身内の死を経験しないと
法や世間を動かそうという動こうという境地になれないのか、
と考えてしまう作品でした。
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精神障害者の犯罪がテーマです。
ありそうではあるけど、とにかくあやは初めて読むテーマで新鮮だった。
それにしても佐和子にやられたー!あの展開はびっくり。
ゆきちゃんにもびっくりだけどね。まぁちょっと読めたけど・・
現代人はほとんど精神病っていうけど、ゆきちゃんみてるとほんとにそんな気がして少しこわくなった。
かなしい話だけど、きちんと夫婦の再生が描かれてよかった。
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前半・中盤はかなり面白しろく読み進めた。
最後のオチが弱いのが残念。
でも,全体としてはなかなか面白いね。
他人の心の中にある正常と異常の境目を他人がどうやって判断できるだろうか。人を殺しても仕方がないと罪に問われない精神状況とはどういった状況なのだろうか。人を殺そうとする時点で正常な精神状態とは言えない。
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精神病患者が起こしてしまう犯罪がテーマの作品。
比較的読みやすかったかな。
予想できた展開と予想していなかった事実とがあって
なかなかに衝撃的なラストでした。
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薬丸岳の小説は、いつもながら考えさせられる。今作は刑法三十九条に焦点を当てている。心神喪失者の行為は、これを罰しない。いわゆる精神病犯罪だ。
いつもながら重いテーマだけど、一気読みしてしまう。社会に疑問を投げかけながら、小説としても面白い。
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統合失調症で殺人を犯した青年。娘を殺された夫婦。
心の内を丹念に描きながら、社会に鋭く問いかけていく。
すごく真面目に書かれている。真面目すぎて、エンターテイメント性に、やや欠けるかな?
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本当は★4つ付けたい。でも、重過ぎ。
私の好きな高野和明氏に影響を受けているという薬丸氏の著作は、内容も仕上がりもとても良いと思うが、何しろ重い。
テーマが重い時は、もう少しだけエンターテイメント性があるといいなあ。
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北海道、札幌が舞台で、主人公が江別に住んでいる・・・という設定が気になって買った本。
刑法39条=心神喪失者の行為は罰しない――がテーマの小説です。
通り魔に愛娘を殺され、犯人は心神喪失で不起訴、夫婦は離婚して別の人生を歩んでいたはずだった。
その日妻が、憎んでも憎みきれない「あの男」と街ですれ違うまでは・・・
文体が真面目で、読み慣れていないとちょっと重いかも。
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ある日、突然幼い娘を殺害された夫婦。
犯人が統合失調症のため不起訴となり、夫婦もついには離婚することになってしまう。
最後はどんでん返し・・・というわけではないがちょっとした意趣返しがありなかなか面白かった。