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心身喪失による犯罪がテーマのミステリー。毎度ながら、テーマの奥深さとミステリーとしての面白さが両立していて、一気読みでした。
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娘を殺害された夫婦。無差別に何人も殺害した通り魔は精神鑑定で統合失調症と診断され刑法39条、責任能力のないものとして不起訴となる。
この事件の被害者、加害者、関係者の目線で描かれていて決して刑法39条への不条理さだけでなく、精神病の苦悩や経緯、自覚症状の無さなどもわかる。
しかし、精神病は風邪と違い診断や治療法が曖昧だと思う。
娘を殺害された妻の何年もの苦悩の中で戦い続けた行動によってこの法律は難しい問題だと感じた。
終盤の伏線が解けていく流れが面白かった反面、この法律や精神病についてどのように向き合えばいいのか考えさせられた。
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ひたすらシリアス展開。
精神異常者の犯罪について書かれてる。
どんでん返し的要素もありつつ考えさせられる作品。
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精神障害者による犯罪。実際に起こりえる話なだけにとても考えさせられる。社会的な面だけでなく、どんでん返し的な展開もあって、ミステリーとしても秀逸な作品だった。薬丸岳の作品はとてもリアルで、しかも上手いのでテーマによっては怖くて手が出ないものもある。「闇の底」とか、とても読めそうにない…。苦笑
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正統派ミステリー。
これこれってかんじ。事件がタイムリー。
子供とのしあわせの日々をもうすこし描けばもっと感情移入できたかも。
感情移入はせず、精神が病むと恐ろしい、犯罪被害者はそこで人生ががらっとかわる。という、外からみた感想になる。
読み応えあり、先が気になる、いい作品だった。
天使のナイフとは格段に成長した文体、内容、構成。
天使のナイフは、素晴らしい作品ながらも若い感じが行間からまざまざと分かる。今回は、それがなく作者が成長したのがよく分かる。
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久しぶりの再読。刑法39条の問題は他山の石ではないのだ。自分の家族が犠牲になったら?逆に自分を含めた家族が加害者になったら?被害者と加害者そしてそれぞれの家族を不孝にする現実。この本をきっかけに再度考えてみる機会になればと思う。
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大切な人が殺された
加害者は心神喪失で罰せられない
考えさせられる
ストーリー的にもハラハラの展開と、ラストの衝撃がすごい(@_@)!
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刑法39条 心神喪失者は罰しない、精神耗弱者はその罪を減刑する。とても重いテーマ。
統合失調症の青年が起こした凄惨な大量通り魔殺人。その被害にあった母娘。犯人は精神鑑定の結果、罪に問われず数年後には社会復帰。一方、娘を亡くした母は精神を病んでいき、離婚。さらには犯人と同じ統合失調症になってしまう。
不幸のどん底にあった、父である主人公は事件の四年後、偶然にも犯人を街中で発見。彼を監視するようになる。。
最後は大きなどんでん返しで、それまで語られてきた世界が一気に覆る。ラストの「手紙」は衝撃的でした。
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「刑法第39条」が本書最大のテーマです。もし自分の家族を殺した加害者(精神鑑定で起訴を免れた)を街で見かけたら…というびっくりするようなシチュエーションから物語が始まります。緊迫した展開で最後まで一気読みでした。被害者の憎しみ、悲しみ、葛藤がヒシヒシと伝わり痛々しかったですが、救いのあるラストでホッとしました。
最後は、読者を裏切ろうと無理してサプライズを詰め込んでる感じでしたが、予想の範囲内のオチでした。
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刑法39条と言うと、加害者を断罪する内容になりがちですが、本作はひと味違います。確かに39条が重要なテーマではありますが、もっと広く、精神障害と社会の関わり合いを扱っているのが徐々に解ってきて考えさせられました。また、遺族も精神病の「了解不能」の苦しみを味わうあたりには深みを感じました。最後の急展開と複雑な幕切れは、小説として読ませてくれました。流石ですね。
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精神病による、無罪。罪を犯した者がその罪を逃れる唯一の結論。ニュースでも、大量殺人をした犯罪者において、必ずここの部分に焦点があたる。しかし、実際問題その人間の内面を誰が正しく、判定できるのだろうか…。そういった、グレーゾーンに足を踏み入れた本作は、とても興味深い内容だった。最後、真実が明かされる部分は作者なりの答えを苦しんで出した跡がありありと出ていた。小説の真骨頂を見た。
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負の連鎖になるのかと最後はハラハラしながら読み進めた。
これから先登場人物達に少しでも優しい未来があれば、と思う。
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精神病というテーマを扱いながらも、途中に"転"の部分をしっかり入れられている辺りがすごい。
精神病患者に対する世間の目の冷たさ、マスコミの反応などがリアル。
自分が被害者の家族なら、精神病を理由に不起訴になった犯人を許せるかどうか考えてしまった。
薬丸さんの小説は、善悪がわからなくなって、色々考えさせられる。
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精神科医といえどもわからない人の心
現実の社会でも、精神鑑定ってどんだけ?って思ってたから
テーマはよくわかる
ラストのまさか?も面白かったけど、
それでどうなったの?と言うことが気にかかる
藤崎はやっぱり無罪なのかな?
ゆきは有罪なのかな?
佐和子は立ち直れるのかな?
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あっという間に読み終わりました。いわゆるリーダビリティが高いというのでしょうか。
内容は難しいというか重たいテーマ。最後もどんでん返しとまでは言わないにしても、意外な真相にビックリ。ただテーマがテーマなだけに明確な答え、結末とはいきませんでしたが。最後の〆がしっかりしていないというか。致し方なしかな。
佐和子の計画が綴られた手紙の内容が辛くて。犯人だけではなく、マスコミ、社会、司法について、なんとかしたいという気持ちが、読んでいて心引き裂かれる。司法と、世間一般的な感情には乖離があることを突きつけられる。統合失調症のふりをしてまで、というのがこの本の肝か。
難しいですよね、心神喪失者・心神耗弱者は刑を減ずるべきなのか。少年法も同じく。少年法については、この作者さん、別作品が既にあるようで。
個人的にはね、どんな状態であろうとも、「目には目を歯に歯を」、「人呪わば穴二つ」、「等価交換」だと思っています。殺人罪にはそれ相応の刑が大原則かなと。でないと被害者の遺族はどうしろというのだろうか。
刑法39条とはちょっと違いますが、死刑制度そのものという点で、沢村凛のリフレインや小野不由美の丕緒の鳥の1編、落照の獄も、読んで複雑な気分になります。
ただ、この本だけだと、結局、統合失調症の者は事件を起こし、しかも再発する、直らない、みたいなイメージで終わっているのが、イマイチかな。藤崎裕之にゆきに、なんか救われないまま。精神病は恐い、というマイナス面だけで終わっているのはどうなんかなぁ。
「了解不能」。どんなにそばにいて相手を思っても、その相手が何を見てどう感じているのか、共有できない。たまらんなぁ。ましてやそれが家族とか愛する人だと。
つまるところ、加害者も被害者もどっちも辛いんだよな。本人だけではなく、その家族が。ミスチルのタガタメ「子供らを被害者にも加害者にもせずにこの街で暮らすためまず何をすべきだろう?」「この世界に潜む怒りや悲しみにあと何度出会うだろうそれを許せるかな?」の歌詞が浮かんできた。
統合失調症の者を抱えた家族の苦労はいかばかりか。ゆきが弟の友則を手にかけてしまうのも止むを得ないか。そしてゆきはさらに心に傷を抱え。負の連鎖になってしまう。松岡の言葉、「病を治せるのは、医療と家族と信頼できる人間関係だ」の激昂。わかるがそれも難しいのが今の世の中。
この作者さんは初読みです。同様の社会に対する問題提起的な内容が多いようですね。こういうのは、中身が良い悪いを抜きにして、いろんな人に読んでもらい、考えるということをしないといけないんだろうなあ。中高生くらいに読んでもらって、と思ったら、そういえばけっこうえっちな表現があったから無理だ。