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トクサの
「うぬぼれないでください 誰も死なない戦争なんてないんですよ」
「使徒にしか破壊できぬものを破壊するのがあなたの使命!!目の前の命をいくら守ったところで世界は救われないんですよ」
や、フォーの
「人間なんてのはそれぞれ何か抱えて生きてんだよっ 望みも…っ 守りたいものもみんな違う 誰かを助けるっていうのは…そんなカンタンじゃねェんだよ!!」
この辺りの言葉がシビアで好きです。
じゃあどうすれば良いのか、考えて考えて自分にできる事をするアレンが好きです。アレンだってまだ守られるべき少年なのになぁ……
当たり前ですけど、アルマとあの人は別の人間なので、アルマとあの人の望みも同じ様でその実全く違うものだったんだろうなと思いました。
アルマは本当の事をいうと自分の正体とは関係なしに、神田と友人になりたかった/いたかった。神田に友人としての自分を選んで欲しかったのではないかと思います。(アレンが真実を口にしそうになっちゃうのを断固拒否したのも頷けます。そらそんなんバラされたくないわ…)
でも、同時に自分の元となった人間、"あの人"にもアルマは縛られていたというか…切り捨てられなかった。あの人の願いにもアルマは耳を傾けたのかな…と。
あの人はあの人で、神田に自分の事は見つけて欲しい(恋人に自分を選んで欲しい)けど、アクマになってしまった上他人の体に入ってもまだ願うのをやめられない醜い(?)自分を神田にどうしても見られたくなかったのではないでしょうか。アルマは自分を差し置いてでもそのこんがらがった願いをなんとか叶えてあげようとしたと感じたのですが…もしそれが本当ならとんでもなく優しく哀しい子だなと思いました。
「どうしても…この人だけは失いたくなかった……っ!!」
この台詞だけはアルマとあの人の気持ちが真に重なった瞬間だったでしょうに、こんな結末を選ぶ他なかった、こんなぐちゃぐちゃな気持ちでアルマが暴れる羽目になってしまったのはあの人とアルマ二人分の複雑な感情が混ざり合えずにアルマの中でのたうち回っていたからではないかと思います。
最後の方のアルマの独白が、アルマが言ってるのか"あの人"が言ってんのか分かんなくて昔はよく理解できませんでしたが、今読み返すと口調とか思考が色々混在してるのはこういう事だったのかなと思いました。