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昨年の芥川賞で話題をかっさらった田中氏の掌編小説集。
とかく風刺みたいなものを書かせるとこの人光るなぁ…と。個人的には「男たち(一幕)」がフフっと笑えるために好きだったり。どれもたった3~4ページしかないのに、どこか「えっ?!」と思うような終わり方をしているので、読んでいていろいろな引っ掛かりを覚える。でも、それがこの小説集の良さなんじゃないかなー、と私個人は思います。
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不思議な触り心地のする、黒と黄が印象的なカバー。装釘もどことなく妖しく美しい本文を想像させる。
本書は田中慎弥氏が毎日新聞西部本社版に2008年から2012年の1月まで連載していた掌編小説を編んだ物である。
新聞連載のため、時事を取り込んだ作品も多い。
例えば《扉の向こうの革命》《感謝》などは震災を取り扱い、《男たち》では作者曰く『当時の政治状況を拝借』して氏が芥川賞のスピーチで言及した都知事や、乱読した作家たちが時代を超えて雑談に勤しむ姿が描かれる。《客の男》には当時プロ入り後間もなかったであろう、例の「王子」と思しき人物も登場する。
『共喰い』に見られる地方色の強い濁ったストーリーが特徴的だと思われる作家だが、この本では様々なモチーフから物語を創り出していく氏の姿勢を感じ、新たな魅力に触れることが出来るのではないだろうか。
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この人の本初めて読んだけど割と感覚的な文章書くんだなーと思った。印象的な気味の悪さ、残酷さ、冷静さを感じる短編集でした。
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気持ち悪いけど美しく、読み終わってみると、なんだかスッキリした感じがある。私の中の言いたくて言えないものまで、読むことで出て行ったのかな。
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どの作品にも死が漂う。
後半の作品には震災絡みのものが続いていて、その中の最後の「感謝」という作品で田中さんの震災に対する自分の考え、在り方を綴っていて、堂々とそれを表明している所に感銘を受けた。
私は田中慎弥さんの作品がとても好きだ。もっと読みたい。
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ちょっと毒有りのキャライメージの田中さんだからではないですが、初ものは短編からいってみました。
私的には怖い、面白いといったところの他とてもきれいでわかりやすい文面という感じで好感度大です。
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「共食い」挑戦前の、田中慎弥慣らし第2弾。
ひとつひとつがとても短い話なので、気が抜けませんでした。
面白い話と、理解できない話との差がありました。
でもこれは、私の読解力のせいだと思われます…。
「これからもそうだ。」や、インタビューを読んだときも思いましたが、
田中慎弥さんの発する言葉や文章を読むと、ときどきぐっと魅きつけられことがあります。
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仕方がないので最後の手段に出ることにした。死を遠ざける最も有効な、限りなく情けない方法は、死の準備をすること以外にない。私は真新しい原稿用紙を取り出すと、遺書に手をつけた。死ぬまで書き終わることのない、長い道のりの始まりだった。
(P.92)
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短編なので飽きずに読めます!
ただ、私の頭ではよくわからない話がいくつかありました?笑
時間を置いて、
また読み返したいと思います。
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芥川賞作家による一話につき3ページで37篇ある短編小説集。テレビ番組で瀬戸内寂聴が推薦していたので購入してみた。
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インパクトのある芥川賞受賞会見で「お、おもしろそうな人だな」と思い、手ごろなショートショートがあったので読んでみました。
震災や政治、野球、犯罪など、ニュースになっていそうなネタが多く、時事からインスパイアされるタイプの作家さんという印象です。
3、4ページの短編ばかりなので、どっしりと読書したい人にはおススメできませんが、ちょっとした時間に1篇ずつ読めるので意外と重宝しました。
面白かったのは、
結婚を前に控えた男が、ふと書店で手に取った画集に婚約者と似た人物が描かれている『黒い十字架』
震災で陸に打ちあげられた船を解体するとその下に1匹の美しい蛇がとぐろを巻いている『最後の蛇』