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「…いろんなことがあると思いますが、どれもたいせつな記憶になるのだと思います。そしてどんな記憶も、のちにちいさな光を放つのだと思います。その光をどうかお二人で、たくさん作っていってください。」
最後の締めくくりのこの文章が、すっと心に入ってきました。
悲しいことに仁絵や雄大のような大切な相手はいませんが(笑)、家族や友人とのなんでもない日常を、やっぱり大事にしていきたいと思いました。
きっとまたふと読み返したくなりなる本になるなと思いました。
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ラジオにまつわる恋愛小説。この作品に登場するラジオ局は多分FM。私はかなりAM派なのですが、たまにFMも聞くので「あぁ、FMのディスクジョッキーってこう話すよね!」と共感できる箇所がたくさんありました。
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ラジオで読む小説として、書き下ろされた小もの。ラジオを日常的に聴く人の恋愛模様が、描かれている。過去の恋からの脱却。恋人の喪失・・。個人に起こる小さな、けれども大きな変化を通して、小さな幸せを見つけていくことの素晴らしさが丁寧に描かれている。文章は読みやすく、相変わらずこちらを惹きつけてやまない。角田さんは、年々素晴らしいなあ。
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随所に角田光代らしい、分かる分かるといった表現があったり、謎が少しずつ解けていったりと好きな箇所もあったのだけれど、ちょっとラジオ向けに書いたということで、ラジオ場面が多すぎた感は否めないかも…。本文の後にのっている対談のほうが興味深かったです。
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デザイン会社に勤める悠木仁絵は35歳独身。いまの生活に不満はないが、結婚しないまま一人で歳をとっていくのか悩みはじめていた。そんな彼女に思いを寄せる幼馴染の駒場雄大。だが仁絵には雄大と宙ぶらりんな関係のまま恋愛に踏み込めない理由があった。二人の関係はかわるのか。人生の岐路にたつ大人たちのラブストーリー。
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特別付録として「小島慶子(タレント・エッセイスト)とラジオ対談」が収録されている。
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TBS開局六十周年を記念して、著者が書き下ろしたラジオ小説をTBSラジオでドラマ化する(放送は2011年12月)、というコラボ企画だったそうである。
対談によると、ラジオは滅多に聴かないということだが、そんなことは微塵も感じさせない見事な描きっぷりである。物語の中でモチーフとしてのラジオ番組が絶妙に作用していくつもの人生をつなげていく様は、それは見事である。そしてタイトルのさりげなさにも泣かされる。「も」であり「ちいさな」なのである。めくるめく光の渦の中にいるよりも、闇に灯るちいさな光を大切に生きていきたいと思わされる一冊である。
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30代の恋愛小説
主人公と周りの人達とあるラジオ番組、リアルで切なかったりでも最後はほっこり!
これでいいのか人生ブーム
自分は間違ってないブーム
これは完全にブーム中笑
30代になったらまた読みたい作品!
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駅ナカに朝からやっているちょっと感じのいい本屋さんがある。そこで手にした本。目的地の行き帰りの電車の中で読んだのだが、なんだかいいなぁという穏やかな気持ちで読了。他愛のない小さな毎日のことを話題にするラジオ番組がこの物語の要。どうしてこういうラジオ番組にしたのか。その理由を物語の途中で知り、なぜか心がほんのり温かくなった。この物語そのものが、モーニングサンシャインそのもののような気がする。タイトルにぴったりのきらりとしたお話。
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少し上の世代のやるせない感じにあまり共感できなかったり。ただ、仁絵と雄大がうまく行きはじめてから、ほっこりしはじめた。
最後の対談でちょっと泣きそうになっちゃったのが不思議。
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ひとつひとつのエピソードはありきたりで、現実的だった。30代後半で独身となると、誰もがこういった不安をかかえながら生きていくんだろうなあ。
特にこれといった理由はないのだけど、読み終わったあとに何故か号泣してしまった。
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雄大や仁絵みたいな感じもいいなと思った。
ときめきよりの大事なものがあるのに気づかされた。
心地の良い本だった
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デザイン会社に勤める悠木仁絵は35歳独身。いまの生活に不満はないが、結婚しないまま一人で歳をとっていくのか悩みはじめていた。そんな彼女に思いを寄せる幼馴染の駒場雄大。だが仁絵には雄大と宙ぶらりんな関係のまま恋愛に踏み込めない理由があった。二人の関係はかわるのか。人生の岐路にたつ大人たちのラブストーリー。
このタイトルがとてもせつない。さすが角田さんだなーと思う。
作中にたまに現れるラジオのパーソナリティがまたいい味を出している。
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(P100~101)
「ときめくとかさ、我を忘れるとかさ、おれもうやなんだよ。なんかちゃんと暮らしたいの」
「でもさ、そうやって暮らしてうまくいかなくなったとき、人はさ、ときめいたころのこと思い出して、ああ、こういうこともあったな、だからまだがんばろうかな、と思うんじゃないの?私たちにはそういうのがないじゃん」
「それもさっき、あんたうんざりするくらいくり返してたよ。うまくいかなくなったときにふりかえるのがおかしいんだよ、ときめいたころを思い出すんじゃなくて、その先どうやったらうまくいくかって二人で考えるんだよ」
◆
(P175)
百人が反対してもやめられない恋よりも、どうでもいい毎日をくり返していくこと、他人であるだれかとちいさな諍いをくり返しながら続けていくことのほうが、よほど大きな、よほど強い何かなのではないか。そんなふうに思うようになったのは、仁絵にとっては大きな変化だった。
それを雄大とならできるかもしれないと思ったわけだから。見つめ合うよりも口づけするよりも抱き合うよりも、その退屈なことを、雄大とならできるかもしれないと。
◆
一言、大好きです。
自分と同じ年代の人に読んで欲しい本。寧ろ、これよんでって配りたい(笑)
身に覚えがあるけれど、自分ではうまく表現できない感情がたくさん表現されていて、心に染みました。
あまりに響くシーンや言葉がありすぎたので、心にとどまった場所を少し紹介させていただきました。
自分ではおかしいことがわかっているのに簡単には抜け出せない、まるでブラックホールのように怖い恋は、全くもって、他人事じゃない。またあの人にあったら、どうなるだろうっていうところは、まさに自分そのもの。絶対フリーズして震えると思う。
生活を共にしていくということ、それが、結婚。
何度かいっているけれど、恋愛とはやっぱり似て非なるものだと思う。
恋は、本当に落ちるものだと思うよ。既婚未婚、関係なく。
だからよく巷では不倫とかに陥るわけで(おい)
巻末のラジオ対談の言葉たちも、本当に興味深くて。
ああ、これがラジオの魅力だよね、と頷いたり。
パーソナリティさんも作家さんも、こんな心情で言葉を紡いでいるのかと、勉強になりました。
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過去に経験した辛い恋愛をお互い知り尽くしている幼馴染みの仁絵と雄大のなかなか踏み込めない恋愛を中心に、仁絵の女友達の切ない恋をも描く。
竜胆さんのどうでもいいことをただ話続けるラジオから、登場人物みんなが当たり前の普通の生活に光を感じ、小さな幸せを見つけていく。
久しぶりにラジオが聞きたくなった。
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2012.06.22 読了
あぁ、そうなんだな、と心にストンと落ちてくる感触があった。
35歳は自分が思っているほど若くもなければ、夢を諦めてしまうほどの年齢でもない。
日常は日常のまま流れていく。何も起きないことの心地よさと、まだ未来に対する仄かな期待を抱えながら。
そうやって生きていくことが人生なのだ、きっと。いいも悪いもなくて、正解とか間違いでもないのだ。
きっと。
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恋愛なんて、幸せなんて、人それぞれ。
まわりの芝生が青く見えていても、当たり前だけどそれだけじゃない。
だけど、まわりがよくみえてしまう(こともある)のは本当。
でも幸せって、当たり前だったり日常だったり…灯台もと暗しなのかも、ね。
あんまり読み終わった後に「このタイトル(と内容)いいなぁ」と思ったことないけど、思えた作品。