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『告白』と少し似てるかな。
途中で展開は読めたけど、でも選評に「特に『悪意』に対しての描写が秀逸」とあった通り、
人間の瞬間瞬間の意識がとてもリアルで、元凶のような咲は、けれど誰もが思うような、誰しも意識した事があるだろう、共感したくないけど共感してしまうリアルさがある。
安藤の父としての結論に、その選択に、
同じ親としその答えに向き合うと、また違う側面から読める。
わかっちゃいけないけどわかっちゃう残酷な選択でもあり、
救いと未来の道を求める真っ直ぐな選択でもあり。
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中高時代の友人のデビュー作!
まずは授賞おめでとう!
舞台のモデルは私たちの母校ね。飛び降りるならあそこかなぁとか、あの手すり平らじゃなかったよなぁとか思ってしまった。
全体としては面白った!
ただ、女子高という設定なのに男子生徒の描写があったのが?(なんか読み落としたかな?)
あと、落ちが急ピッチすぎたのが残念。選評にもあったけど、父親の心理描写がなんだか後半ごっそり抜けている気がして……。
枚数の関係なのかなぁ?
ともかく、これから期待!
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娘はなぜ死んだのか。
いじめたクラスメートを罰したいという父親と、嘘をついて鮮やかに逃げきろうとするクラスメイト咲。2人の緊迫した駆け引きは見もの。ただ、人物視点を変えるまでの文章量がないため、思い切って咲だけに絞るべきだ。
また、不器用な大学教授早苗がいい味を出している。それだけに、彼女のキャラを生かしきれていないのが残念。
父親の思考に目新しさがないことから、女性2人に焦点を当てれば、うまくまとまった鋭い切り口になるのでは。
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転落死。事故死。自殺――?
女子御三家校の教室の手すりから転落した少女が死亡した。一人の少女の死を巡って少女の父親、クラスメイト、そして少女の父親の同僚の日常がきしみ始める。
一人称、多視点。率直な評価は☆1.5だが、冒頭からモルスァと叫んで壁に投げたくなった点を鑑みると☆1つ。
個人的に文体が合わない。読んでいる内に慣れるは慣れるが序盤ではかなり辛いものがある。いきなり感傷たっぷり女の子の甘い一人称が自殺をするというジェットコースターの展開(転落死だし)をそこそこに過去回想の乱れ打ち、視点は短いスパンで父親、同僚、友人A、友人Bを揺れ動く。読点の多用、体言止めも目につく。比喩も定型文、擬音・妙に細かい名詞(豊島区千早、御三家、iPod、アイドル名は架空?)を出す意味は。
ベタの描写は、ベタの雄同士を同じ水槽に入れておくと喧嘩をして弱い方をいじめる、というところから、死亡した少女及びその友人に重ね合わせることが目的か。ただ、残念ながらベタの種類をだだ打ちしたところでベタに対する興味はなくなってしまって流し読み、重ね合わせるにはいささか安直だし何よりも彼女たち、そんなに美しい少女だったのだろうか。狭い範囲内でやーんあの子可愛いって言ったところで客観すると所詮ドングリの背比べにしか感じられず、ベタの美しい描写と残念ながら釣り合わないような気がする。女の子ってそんなにひらひらしているのだろうか。
人間描写は――どうなんだろう。微妙、というのは自分が年が行きすぎているせいか。空気の読めない同僚がかなり印象的だったがその他はというとテンプレートの範疇を出ない。また、父親のキャラクターが見えづらい。主要登場人物を取り巻く人物になるとステレオタイプな描写しかされないのは、この枚数でこの人数となるとどうしても描ききれないためか。所詮背景といってしまえばそれまで。
良かったと思う点は、人物乗車に少々難あれどそれぞれの思惑を組み立てながらきちんと最後まで書けたところ。最後まで書くというのは中々に難関で本作は各人物の思惑が錯綜しているため拍手。しかし、やはり人物描写がなあ、と思ってしまう。
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うぬぬ……勝手に期待度を上げて読んだのがいけなかったか……
生や死、家族というものを主題に置いているからこそ、何だかとても薄っぺらさが目立ってしまい(当社比)、またベタががっつり絡んでくるかと思えばそうでもなく、加奈も通り一遍な感情しか語らないもんだから、読者が初めから加奈の死の真相を知っているという構成がかえって薄っぺらさを助長させているように感じて、結局最終的には火サスげきじょう~みたいな平凡さで終わっちゃってて、うーん……
お父さんも加奈も他の子も、どこにでもいるようなキャラでしかないから、興味もあまり湧かず、とってつけたようなスクールカースト描写にイラッとしちゃって(これは多分に私自身がスクールカーストものを好まないというのが大きい)、最後まで全然冷静になれずに終わってしまった……
そんなわけで、ウンウンウマイネー、ヨクカケテルネーな作家さんだと思った訳ですが、でも不思議と次が気になる作家さんが登場したなーとも思っています。
なので、きっと次の作品も手に取ると思います。
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自殺(事故死?)した娘の父親が、自殺(事故死?)に追い込んだ娘の同級生に復讐を図る。
なんか読みにくかった。話が唐突に進んだり、それはないだろう、という箇所がそこかしこにあったり。父親の身の回りの世話をする女性の性格もよくわからず。それでも後半はなんとか一気に読み切ることができた。
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面白かった、けどちょっとコワかった。
「告白」みたいな、子供(学生)の怖さを感じた。
生まれた瞬間はみんな誰でも純粋で良性なのに
どうしてそのまま育っていかないのかなぁ~。
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娘を自殺に追いやった相手に最も忘れられない復讐をする心理学者の父親の話。
個人的にはもっと重くて泥々していることを期待していた。禍々しいものがもっと溢れていても良かったのではないかと思う。
いじめをテーマに心理戦のような伏線もあったので、期待していたがエンドは呆気なくきてあっという間に過ぎてしまったのが、あっさりしすぎていて少し拍子抜けた。
もっと加害者が後悔するのを読みたかった気もする。
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2013.1.6読了。
少女の悪意はおそろしい。カードというか手札というか、なんだかエッセンスを詰め込んだまま使いきれていない感触。
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第3回野性時代フロンティア文学賞の受賞作品。
ライトなエンタメ小説といったところでしょうか。さっくさっく読めるし別に飽きもしない、ただ「うお~おもしれ~」って盛り上がるようなところも特になし。深く考えようとすると登場人物達の心理変化がよくわからないけど、別に国語の問題にするわけでなし、おもしろく読めたらそれでいいか~と思いながら読んでました。
なんか湊かなえの「告白」みたいだな~と思って読んでたら、末尾の選考員書評のところで触れてました。
個人的には内容よりも、末尾に章の選考員書評(3人分)が付いてるのが気になった。第3回受賞の他の受賞作や佳作?の書評が書いてあってむしろ本作にあんまり触れてないってどうよ、と思って。
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すごくよかった。心理描写がドンピシャ。
在り来りな話題で在り来りな展開なんだけど胸が締め付けられる。
ほかの作品が早く読んでみたいわー。
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図書館にて。
「野生時代フロンティア文学賞」を取った作品とのこと。
冒頭からショッキングなシーン。
中盤から徐々に咲とお父さんの対決の体になってくるけれど、これって早苗って必要だったのかな?
物語の内容的にしょうがないのだけれど、最初から最後まで暗い内容と咲の悪意のかたまりにやられた感じで、読んでいていたたまれず、申し訳ないけど飛ばし読みしてしまいました…。
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女子高生がビルから飛び降りる序章。
仲間はずれといういじめから、結果死んでしまった子の父親と、死に追いやった2人の女子高生を描いている。
揺れるこころが良く表現されていてた。
新人としてはまずまずの作品だと思います。
が、発達障害の女性が登場して、かなりの分量をさいてそのこころについて書かれていたけど、発達障害である必要性はなかったと思う。
インパクトのある人物を配したかったのかなぁ。
それと、ひとりずつの心情を一章ずつえがいているが、その部分に日付は全く必要なかった。むしろ邪魔。その日だけのことだけが書いてあるのではなくて、混乱してしまった。そこに仕掛けがあるのかと勘ぐったけどなにもなかったし。
編集者は日付とる提案しなかったのかなぁ.....。
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親の気持ちがよくわかります。ストーリーはポツポツとよくわからない部分があり、もったいないかんじでした。全体としては悪くないですが、読後の印象も弱まってしまいました。
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娘のパソコンのなかに残された日記から、高校生の娘の死が友人ふたりからのいじめによるものであったことを知った父親の行動は?いじめによる死の真相を隠そうとする、かわいい顔をした醜い心の持ち主の行動は?いまの時代を象徴するような心の暗部を描いた作品。