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未知なる場所に向かう冒険心や世界の謎に挑む探究心。
そういった知的好奇心の類を描かせたら、著者の右に出るものはいないと思う。
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幼年期の終わりよりエンタメっぽくて面白かった。エルヴィンの冒険譚で、変な生物(種族)やロボットが出てきたり、人工の惑星が出てきたり。色々ロマンがあるね。なんと言っても10億年も外界と接触して来なかった世界という設定も面白い。序盤のダイアスパーの雰囲気は良い。ちょっと自然賞賛すぎな感じもあるえけど、ラストの話も想像力豊かでOK。
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「2001年宇宙の旅」の作者による独特の世界観のSF小説です。
面白くて一気に読んでしまいました。 荒廃し、砂漠で覆われた未来の地球。
そこに作られたシェルターに覆われた人口都市で 暮らす青年を主人公にした物語です。
青年は強い探究心を持って、外の世界への冒険を始めます。 人口都市の世界観や設定がとても細かく、
「もしかして遠い未来は本当にこうなってしまうのかな」と思えるレベルです。
単純に青年の冒険記としても面白いのですが、
SFの世界を通して我々が当たり前に宗教や哲学、社会システム、生活様式に
疑問符を与えるような内容になっています。
個人的には物語の終わりで語られる世界はまぁまぁありかなと思いつつ、
作者の描く気持ち悪いくらい高度に発展した人口都市にも憧れを抱いてしまいます。
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いわゆるSF小説というジャンルは初めて読みましたが、そういう免疫力がない自分でも楽しめる読み手を選ばない作品だと思います。宇宙レベルの長いスパンで地球や人類のことを考えさせられる。自分も如何に知らず知らずの内に狭い社会的通念に囚われ生きているのかと改めて気付かせられます。著者の他の作品も読んでみたくなりました。
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”ダイアスパー”という都市名から「襁褓」という字面を想像してしまうのは私だけなんでしょうか・・・いえ、きっと、アクセントの位置が違うんでしょうが・・・宇宙空間に浮かぶ、でっかいオムツ・・・ファンからめっちゃ怒られそうやわ ><
巽孝之が「『2001年宇宙の旅』講義」で
ディアスポラdiasporaに通じる、って言ってて、
まあこっちが妥当だわなー。
diasporeってのも響きが似てるなー。
タンポポの綿毛とか。なんのこっちゃ。
でも、こっちのほうがオムツよりマシだな。
「2010年宇宙の旅」、早く着手しろよ、自分。
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十億年以上先の地球に唯一残った都市ダイアスパー。人は何世代も生まれ変わり、前に生きた記憶が保持されるような世界。そこに一度も生まれ変わったことのない(=初めて生を受けた)主人公アルヴィンが生まれ、都市の外の世界に飛び出して行く。
ダイアスパーの成り立ちも興味深かったし、その完璧な世界に違和感をすんなり覚えられるのはアルヴィンが私たちと同じ立場だからだろうな、と思った。人が都市に文字通り作られて、生かされているというのは、健全な社会とは言えないであろうから。
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やっと読み終わった!ザ・冒険譚!
私はあまり夢らしい夢を見ないからか、いかにも面白い夢、みたいなSFを読むと、夢を見てるみたいで眠くなってしまう。そのせいか「都市と星」を電車の中で開くとすぐに眠くなってしまうので読み進めるのにやたら時間がかかってしまった。面白くなかった訳では決してない。
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アルヴィンは通路を引き返し、ゆっくりと鏡の間をぬけていったーまぶたの裏に、今なお夜空と星々をあふれさせながら。あの光景は、しかし、心を刺激すると同時に、失意をももたらした。あの広大な荒野へ出ていくルートはなかなか見つからないし、そうするだけの筋が通った目的もない。ジェゼラックは、砂漠に出ようものなら、人間はたちまち死んでしまうと言っていた。それも納得のいく話ではある。いつの日か、ダイアスパーを出る方法が見つかるかもしれないが、例え見つかったとしても、すぐに引き返してこざるを得ないだろう。あの砂漠に出ることは、単なる興味本位のゲームであって、それ以上のものではない。おまけに、誰とも共有できず、得るものなど何もないゲームッでもある。とはいえ、自分の魂に宿った餓(かつ)えを癒す助けになるのなら、試してみる価値はあるはずだった。
ダイアスパーは不死の代償を支払ったのだ。それも、とてつもなく大きな代償を。
アルヴィンは理解した。人類のみんながみんな都市移住者だったわけではないことを。人類が機械によって労働から解放されて以来、そこには常に、相容れない二系統の文化同士の対立があったことを。<薄明の時代>、地球には何千という都市があったが、人類の大多数は比較的小さなコミュニティに住むことを好んでいた。交通網が地球の隅々にまで行きわたり、即時通信が可能で必要な時はいつでも連絡を取り合うことが出来たので、大都市で窮屈な思いをしながら何百万人もの人々と暮らす必要を感じなかったのだろう。
人口が減るにつれて、人類は大移動を開始した。最終的に、ダイアスパーが最後にして最大の都市になったのは、そういう流れの終着点だった。
寿命を無限に延ばす力は、個人個人にとっては満足のいくものであっても、その民族の活力を徐々に奪ってしまう。それに気づいた私たちは、遠い昔に不死を捨て去った。
眼下に広がるダイアスパーを見て、アルヴィンは自分が故郷に帰ってきたことを強く実感した。宇宙とその謎がどれだけ自分を魅きつけようとも、こここそは自分が生まれた場所であり、こここそは自分が属するところに他ならない。決して満足することはないが、常に帰ってくる場所ーそれがアルヴィンにとってのダイアスパーなのだ。銀河系を半分がた横断して分かったのは、その単純な真実だった。
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すごく俺好みの本。物語性がかなり強い。ディストピアな感じなんだけど、言葉に潤いがあって、柔らかい。同じクラークだけあって、幼年期の終わりに雰囲気は似ている。
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異星人の侵略により人類の築いた銀河帝国が崩壊。人類は異星人を恐れるようになり、地球に都市ダイアスパーを建造、都市の外側から出ないようにされる。そんな都市に子どものような性格を持ち、探求心、好奇心が旺盛なアルヴィンひとりだけが都市から出ていきたがるお話。
まぁ閉鎖された都市から舞台がどんどん広がっていくのは読んでて爽快。
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10億年後の未来.人類は銀河から撤退し,地球に閉じこもって永遠都市ダイアスパーを建設した.アルヴィンはダイアスパーの暮らしに違和感を感じ,都市の外の世界への探索を試みる.しかしそれは都市の市民達が恐怖とともに忌避する行為だった.ダイアスパーの外にはしかし,リスという全く違う考えをもった人々の住まうもう一つの都市があったのだ.そこでアルヴィンは銀河帝国最後の砦だったシャルミレインの湖で太古のロボットや巨大生物との邂逅を経て宇宙船を手に入れる.この宇宙船の登場シーンがまさにファイナルファンタジー.アルヴィンはリスで友人となったヒルヴァーとともに星間旅行に出発,「七つの太陽系」で驚異的な体験を重ねる.そこで高次生命体ともいうべきヴァナモンドと出逢う.地球に戻った彼らはダイアスパーとリスを結びつけて新たな時代を画すのであった.やや消化不良なところはあるが,後のクラークSFの源泉のような印象でした.
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最後がちょっと締まりない。
それでもこれが50年以上前に書かれたものだとすると、すごい先見の明を感じる。
尚、ヴァナモンド登場の必要性がよく分からない。
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おもしろい。
タイトルに惹かれるて手に取っただけですが、予想の上、さらに斜め上の上を高速で軽やかに踊るストーリーでした。「人類」を進化の尺度で考えた視座に圧倒されました。
作品としては古典に入るほどの昔の作品なのに、全く設定、描写に古臭さがなく、新鮮。
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原書名:The city and the stars
著者:アーサー・C・クラーク(Clarke, Arthur Charles, 1917-200、イングランド、小説家)
訳者:酒井昭伸(1956-、福岡県、翻訳家)
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最初の10億年を経た都市の在り様をめぐる冒険は
50年前の作品と思えぬ現代的SF面白さがあり
なぜ本作が作者の代表作として知られていないのかと
いぶかしむほどだが
七つの太陽星系と銀河帝国物語を接がれた全体を眺めると
なるほど『幼年期の終わり』に比べて
大きな差をつけられてしまうのも致し方なし
ただ作者の作品としては
第2に読まれるべき代表作には違いないと思う