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おすすめ度:70点
「一人で静かに自分の心に向かい合うのは、とてもよいことだ」と兼好は言っている。「つれづれ」は自分の内面が果てしなく外の世界へ連ねっていくような感覚「無の境地」への入り口といえるのかもしれない。
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「何事でも、珍しいことを求め、人と異なった説を好むのは、必ず知恵の浅い人がすることであるという」
私にはそれほど響かなかった。
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「徒然草」にそれほど興味は無かったが、学生時代に参考書を読んでいた荻野先生の解説で「徒然草」の内容を知りたいと思って読んだ本。荻野先生の参考書以外で初めて読んだ著作。兼好法師のこと、「徒然草」のことを知ることができて良かった。兼好法師の辛辣な意見が読んでいて笑えるところがあった。上達のところと女性に対する意見のところが特に印象に残った。次は荻野先生の「ヘタな人生論より徒然草」が読みたくなった。
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絶えず逆方向を意識しバランス感覚を維持する。両目から物事を見て自分を客観視する。簡単なようで案外難しいことのように思える。
古典は難しくて敬遠気味だったが、荻野さんの解説で楽しく読めた。もっと古典を読んでみたい。
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言わずと知れた有名な徒然草をやさしく解説してくれている本。
単に言葉の意味だけでなく、吉田兼好が生きた時代背景や兼好自身の簡単な生涯を交え、いかに当時が無常感に包まれていたかが分かり、作品に及ぼしている影響が理解しやすくなっている。
現代人の我々に置き換えて考えるに、本来は常ならぬ世の中であることを忘れ、もしくはその感覚すら鈍くなっているのは非常に危険なことなのではなかろうか。
また、「つれづれなるままに、日ぐらしすずりにむかひて、心にうつりゆくよしなしごとを、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ」や、「花はさかりに、月はくまなきをのま見るものかは」など心に残すべき名文であろう。
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これまでに読んだ新書2冊に関しては、やや学術書のような硬さが読んでいて感じられたのだが(それでも面白かったけど)、本書に関してはテレビ番組を元にしているだけあって、説明はとても丁寧で、分かりやすさを重視して書かれているようだ。
原典からは特定のテーマに偏らずにバランスよく選ばれている印象で、恐らく本書を読めば『徒然草』の大まかな雰囲気は感じられるだろうし、現代語版の教科書といってもよいのではないかと思う。
ちなみに本書の初版は前述の新書2冊よりも古いが、序段の「つれづれ」の解釈をこちらも単純に「退屈」としていない点は、やっぱりねという感じでなかなか興味深かった。
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読了しました。
■なぜ手に取ったのか
「両面から物事をみよ」と表紙に書かれていたのを見て、
本屋でジャケット買いをして手に取りました。
■何が語られていたのか
本書はNHKの名著解説番組の内容が綴られているものである。
「つれづれなるままに、日暮しすずりに…」から始まるものであるが、
その現代語訳と、著者による鋭い考察が加えられ、まさに名著が
解説されています。
兼好法師を「何者でもない人」と著者は語っている。
戦国時代に突入する前の1330年前後に、兼好法師が自身が暮らしていた、
風景や、人との関係性、世情など自身の視点で、感じた事、
考えたことが語られていました。
■何を学んだのか
徒然草は、兼好法師がたただの世情を語った内容ではなく、
一人の人間としての価値観、軸をもって、人や出来事に対して、
切り込んだものである。
一見、好きと嫌いとか、文句のようなことも書かれている。
徒然草が名著たるゆえんは、その切り込み方が現代においても
十分に通用するような、一人の人間としての価値観を通して、
多様な見方しているものであり、その視点はビジネス、人との関係性など
現代にも通用するような内容でであり、時空を超えて普遍的なものである
と感じました。
兼好法師が生きていた時代と、現代の様子がとても似ている。
それは、これまでの価値観が変わりつつある中、時間に追われ、
幸せなのかどうかわからない環境が同じであるということである。
その中で、「両面から物事をみよ」そして自分に問いかけて自身の
価値観でしっかり地に足をつけて過ごしていくことが「何者でもない人」
すなわち自分自身を大事にしていくことが大事であるということが得ました。
■どう活かすのか
兼好法師が生きた時代の価値観を、現代における多様な出来事に私自身が
新たな視点として物事をみることで、自分自身の価値観をしっかりしたもの
となるであろうという気持ちにさせてくれる本でした。
■どんな人にお勧めなのか
自分自身の価値観を磨きたい、再発見したい方、コーチングに興味のある方にお勧めの本です。