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つい先日も、「朝まで生テレビ」で集結したネット世代の論客たち。ゼロ年代などともいわれるジャーナリストの一人、荻上チキの最新本。
荻上チキの特徴は、議論をまとめる能力と、わかりやすい語り口で問題の本質を突く能力。twitterとかでは「ポスト田原総一郎」とか言われてるけど、僕はどっちかというと、「dig」みたいなラジオパーソナリティーとして最も力を発揮するような気がする。
ダメ出しして自分は安全地帯にいることの不毛さから、代案を示すポジ出しへ。これはだいぶ前から彼がさまざまなメディアで訴えていたことだと思う。
その具体的な方策として、シングルイシューにアンテナを立て、エヴィデンス、エシックス、ソリューションに関心を払い、その分野でのセミプロ化を目指そうと訴える。もともと省庁の白書を読むのが趣味という作者ならではの意見だが、要は、専門分野や興味を持った分野に関しては、できる限り自分の力で確からしい知識を(時間と手間をかけて)入手し、なんとなく雰囲気だけで語るのではなく、勉強しようということだ。
筆者は、また、個人の心に問題を還元する「心でっかち」な思考法から、倫理的、功利的包摂アプローチ、すなわち社会疫学的思考法の重要性を訴える。このようなものの捉え方は、やはり、知識を得て勉強して、物事の本質やウラの意味を考える、そうして「1つの事象を多面的に視る」ことによって可能になる思考法であると思う。筆者自身は、「困ってるズ」や犯罪者の更生問題に見るように、弱者への再分配を強く意識したリベラルに近い思考のクセの持ち主だと思うのだが、このような思考法を常に意識づけておくことは、自分に見えていなかった世界が、急に自分に身近で理解可能なものとして捉えられることに役立つと思う。
そしてそのような思考法は、人間は「困っている人」と「いずれ困るかもしれない人」の2種類に分けられるにすぎず、困っていない人が困っている人に対する想像力を正しく働かせることにつながるというわけだ。
医者も、病人という身体的・社会的弱者と接する職業に身を置いている以上、率先してこのような思考法をすべきだと思うし、そのような困っている人の支援者やサービスを行う人たちとの横断的な連携を率先して図るべきであると思った。
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発売日は明日(2012.11.30)なのにすでに11人が登録していた。
NHKの討論番組「ニッポンのジレンマ」での発言の様子を見てファンになり、彼の代名詞となるのではないかと睨んでいる「ポジ出し」の真髄が本書で解き明かされるものだと思って公表されていた発売日の前日にダメもとで行った書店で購入した。
内容は期待を裏切られた。というか、内容を勝手に想定していた自分が悪い。
大部分が現状分析で、どこかに書いてありそうなことの復唱で、独自性に欠ける気がした。
「ポジ出し」が全面に出ている内容を想定していたが、そうではなかった。
ただ本書は、政治状況の変化を記述し、必要な理念についてまとめ、最後に「あなたはこれから何をするのか」問うことを目的としているといっているので、内容は著者の理想通りのようだ。
すでに行動を起こしている著者の今後に期待したい。
(2012.11.29)
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これからの社会には、あなたのポジ出しが不可欠だ
この社会はまだまだ前に進むことができる
という冒頭の言葉に同意したので読んでみましたが、
内容は些細なことを小難しく書いているだけでした
ダメだしが蔓延している根源的な理由(歴史とか教育)には一切言及されていないし、未来を語る上で最上位の課題(エネルギー、資源、食糧)にも触れられていない
上位概念がしっかりしてないと建設的な議論はできないと思います
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最近チキさんが編著した「日本の難題をかたづけよう」が「社会を変えるための」具体的な行動のための分析手法や行動例を示したものとすれば、本書は具体的な行動のための方針や視点を提供してくれるもの
全体を通して「いきなり大問題にぶち当たるのではなく、小さくてもいいから一歩踏み出すのが大事で、各人の一歩の積み重ねが大きなウネリになる」といったメッセージが見えた
以下、わかったことをメモ
田中角栄内閣
→族議員、派閥のシステムを創成
55年体制
→派閥間の争いといった政局を追えば政治がわかった
脱成長、低成長
→パイが減り、今より雇用が流動化、椅子を奪い合って過当競争を国民に強いる
配り合い→削り合い
前向きな政治への動員がうまくいかず、引き摺り下ろす動員ばかりが機能する
あらゆる政策について確認を怠ってはいけない
新しいものには
費用対効果、副作用、国民益の視点
古いものを改訂する際には
構造要因、制度要因、景気要因
マスコミは権力の監視役ではなく、拡声器役になっている
→あちこち回され、専門を深めるのが難しい
上から目線のグレートリセットではなく目の前に存在する問題を当事者視点を入れて解決していく
弱者≠弱い人
→社会のあり方によって、弱らされたままにされている人
そこの検証が社会全体の不幸を減らす、今よりマシな社会に近付ける鍵
ナイチンゲール「クリミアの天使」
→その行動の前提には負傷者の死亡原因を統計的に分析した結果、衛生環境の改善が死亡者を減らすのに有効との結論
そのエヴィデンスを持って援助を呼びかけるなどした
「メディアが報じないから広がらない」
デジタルコンテンツの広まりにより「自分のメディア化」が可能に
新しい公共(民力の行使)
「クレクレ型」から「コレヤレ型」へ
「自分でやり、後ろ姿を見せ、そして、その後ろを政治家についてこさせる。さらに次世代はその姿をロールモデルや反面教師にしてさらに前進する」
政治に興味が持てない
「世の中をマシにしていくためにできることがある」
すべての社会問題に精通し、意見を持つことは困難
⇒「シングルイシューでのセミプロ化」(部分的に優れた圧力や情報発信)
社会運動の究極の目標はそもそもその運動の必要がなくなる社会
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何か問題があると思ったら、採点するのではなく、自分で何か代案を試みて診ることも大事
包摂
問題 構造要因、制度要因、景気要因
食料自給率 分母 国内で流通している食糧のカロリー 分子 その中で消費された国産の食糧カロリーの割合
期待される報道のあり方 アーカイブ性の強化と相互応答の強化
頭でっかち 自分好みの構造に変えることで社会はうまくいく
心でっかち 個人の内面だけに焦点をあてる
弱者とは、弱い人のことではなく、社会にありかたによって、弱らせたままにされてしまっている人
2011年 新寄附税制 NPO法の改正 認定NPO法人の寄付した個人は所得税に対して寄付控除できる
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著者が言っている『世の中は「困っている人」と「困っていない人」の2種類の人がいるのではなくて、「困っている人」と「いずれ困るかもしれない人」の2種類がいるにすぎない。』という考え方を、多くの日本人ができれば、今現時点で「困っている人」に対して、もっと普通に社会的なケア行おうとするだろうと思う。
現在社会は、どこまでも、自分たちは「困っていない側」の人間であったり、そうあるために他者を蹴落としてでもしがみつこうとしているように思える。弱い者は「心が弱い」と片付けられ、自分自身ができるだけ「困っていない側」にいるためには、弱い者たたきを繰りかえす。
弱い者たたきや悪者探しを続けても、今の状況が何か良くなることはなく、ただ一時的な現実逃避による自己満足が残るだけだ。
著者が提唱している「ポジ出し」(自分自身ができるポジティブな提案)は、数年前からいろいろな人たちの話を積極的に聞きにいくようになり(湯浅誠、重松清、渡辺えり、乙武 洋匡 ・・・・・)、それを文章化し、ネットや身近な職場などで発信してきた私にとっては、大いに納得でき、きっとこれからもほんの小さなポジ出しだけれどやっていきたいと思っている。
また、自分自身の職業を考える時、これからの社会を形成していく本当に若い世代にストレートにメッセージを伝えることができるのだから、その使命としてもやっていくべきだと考えている。
しかしながら、全ての同業者の皆さんがそのような考えでいるかというとはなはだ疑問で、例えば先日地元であった乙武 洋匡さんの講演会は、12月初旬の仕事が忙しい時期であったということを差っ引いても、現役の同業者をほとんど見かけることはなく、参加者の主流は、定年退職後世代だった。いちばん「ポジ出し」をすることが可能な職業にいても、実際は世の中に「ダメ出し」をする気力さえも残っていない人が多く、今日の朝刊を読むと2011年度に心の病で休職している教職員は全国で52000人以上いる。
「ポジ出し」する前に「困っている人」になっているとも言えるし、もしかすると、「困っている側」に自分たちがなっていることも気づかず、気づかされずにいるとも言える。また、反対に20代から40代ぐらいの同業者の世代には、自分たちは努力によって今の自分の地位を得ていて、社会的弱者と言われている人たちや、50代で心の病を発症する人たちを「努力が足りない弱い人」と切り捨てている人たちも多い。
著者が提唱する「ポジ出し」を、この国の中で少しずつじわじわとでもいいから広めていくのは、この職業にいてもかなり難しいことだと感じる。けれども、劇的に何かが変わっていくことを期待することはもうやめようと思う。本当に岩と岩の間からわき水が染み出てくるように、それがいつかは大河の大きな流れになるように、諦めずに私ができることがあると信じている。
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ポジ出しという表題を題している割には、
殆どを現状の社会問題に終始していた。
しかし、その社会問題の説明が歴史の流れを汲んでの説明だったので
非常にわかりやすかった。結構勉強になりました。
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反経済成長言説に代表されるある種の宿命論や、生活保護受給者へのバッシングが横行する中で、学説やデータなどを用いて、社会を改善するための思考法とはいかになされるべきかを説いたもの。とはいえ本書は著者が編集長を務める各種メディアで展開されている議論を要約したのがほとんどなので、著者の関わるメディアの言説によく触れている人にとっては物足りないかもしれない。ただ専門知によってものを考えることの入門書としてはよくできているので、本書をきっかけにSynodosなどのメディアに触れるようになってくれるといいと思う。一番悪いのはタイトルだが(笑)
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かなり大局的な視点から、タイトル通りにポジティブの書かれた本。議論わ進める際の視点という側面からも参考になる。また、筆者の希望をもった語り口には勇気付けられる。
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ただ檻の中で喚いてる動物であってはいけない。興味のある分野だけでもいいから知識を身につけて、それに対して自分がこの国、社会を変えるためにできることをやっていきたいなと思いました。それも立派な政治参加。
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内容としては「ポジ出し」が押し出されたものではなかったが、むしろ詭弁に頼らずしっかりした事実に則って書かれている。環境を改善する正しいor間違った議論とは、が簡潔に示されていると思う。
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タイトルに要点が集約されている感じを持ちながら開いていくと、どうもダメ出しに近いような導入に感じるのだけど、「包摂」をキーワードにすること、「心でっかち」になってないか、というあたりは興味深く読めました。ああ言おうとするとこう言われそう、という感想が、ちょっと残るものの、そういうことも噛み分けながら、絶望から抜け出すポジ出しをしよう、と。はい、できるだけそうします。
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本書ではアクチュアルな社会問題の数々を取り扱っていますが、口語体で、かつ、ポップな比喩表現をたくさんちりばめて書かれているので、中学生・高校生くらいの若い方でもじゅうぶん理解できます。
ニュースを見て、「なんだかよくわからないけど今の世の中はたいへんなことになっている。なんとかしたい。でもどうすればいいの?」と悶々としている若人にオススメ。
自分も中学生のときに読みたかったなこれは。。。
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読み助2012年12月19日(水)を参照のこと。http://yomisuke.tea-nifty.com/yomisuke/2012/12/post-75ad.html
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今の政治経済の現状。
よく交わされている議論についての問題点。
国民益を満たさない政策について
どうやって変えていくか
という内容。
ダメだったじゃないか、ちゃんとしてくれ。といった
何かに対してダメ出しをして終わりではなく、
原因となった(社会的な)仕組みを、再設計していきましょう。
と訴えている。
個人的に惹かれた単語は「心でっかち」
議論をしても最後は精神論に持って行ってしまう人
心でっかちな意見だけじゃなく、環境面(仕組み)も合わせて考えようには同意。
自分は出来ているからいいんだ、だと
出来なくなったらどうするの?となる。あくまで自分たちは予備軍なんだと。