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「人間さんの、じゃくにくきょうしょく」
頭から出てくる薄力粉の正体は。
薄力粉の正体に気付かずに、最後まで使い切ってしまったらどうなるのだろう。
数字と比例して体が縮んでいくのなら、最後にはやっぱり消えてしまうのだろうか。
「妖精さんたちの、じかんかつようじゅつ」
滑って転んで、戻って進んで。
みんな同じ時間軸から来たのかと思いきや、思った以上に幅広くて驚いた。
妖精さんたちは一体どうやって、こんな幅広い時間軸の私に出会いに行ったのだろう。
「五月期報告」
なんだかチグハグな報告書だと思ったら、逃げた知性をまだ回収しきれてなかったのか…。
そして今回より登場の助手さん。
不思議な雰囲気の彼が、今後どのように活躍するのか楽しみだな。
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1巻とは打って変わってSF臭さが沸き立つ2巻。1巻を読んだ時は世界史チックな流れになると思っていたのでそこは寂しいのだけど、それはそれ。
<人間さんの、じゃくにくきょうしょく>
「あるじゃーのん」というのはやはりあの小説のパロディだろうか。同じく自閉症(だっけ?)をテーマとした『くらやみの速さはどれくらい』しか読んだことはないけど、その手の小説を読んだことがあるなら、この短篇の恐怖はより一層伝わってくるんじゃないかと思う。
<妖精さんたちの、時間活用術>
今後のストーリーに強く絡んできそう。とりわけp.228から始まる「助手さん」の歩んできた世界の話は、この小説の世界観ともがっつり結びつく。
また、文面に少しだけ顔を覗かせる心の機微が非常にかわいらしかった。そういやこれライトノベルだったな、と今更気が付いた。これはボーイミーツガールの香り。
タイムリープモノは読んでて疲れるから好きじゃないんだけど、楽しめたと思う。
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『人類は衰退しました』第2巻。
『人間さんの、じゃくにくきょうしょく』
里に出回っている妖精さんの遺留物(不思議アイテム)を回収・調査することとなった調停官である"わたし"。妖精さんの遺留物は、何を目的に作られたのか分からない不思議なアイテムばかり。その中の一つ、謎の数字が書かれた「計量スプーン」のようなアイテムを調べていると、なぜか頭に刺さり、なぜか薄力粉が産生され、なぜか身体が縮み―――。
『妖精さんたちの、じかんかつようじゅつ』
現場復帰する、調停官である祖父の助手を迎えにいくため、待ち合わせ場所に向かう"わたし"。早く迎えに行けと叱る祖父、待ち合わせ場所からいなくなった"助手さん"、"助手さん"を探しに林に入ると出会う不思議な女性、妖精さんから差し出される"バナナ"、滑って転倒する"わたし"、早く迎えに行けと叱る祖父・・・同じことを繰り返しているような―――。
ほんわかしているが、なかなかにハードな2編。『じゃくにくきょうしょく』は、"自分が消える恐怖"というハードなシチュエーション。『じかんかつようじゅつ』は、意味が分からないと「?」で終わってしまうなかなかにハードなSF。2冊目にして、"ロミオ節"炸裂という印象。特に『じかんかつようじゅつ』、氏が手掛けたADVゲームが思い出された。「"ほんわか"の皮を被った"ハード"な作品」、次巻以降も期待したい。