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紋蔵さんは、居眠りも多いけど
生来の詮索好きが高じて、受難も多い
もっとも、真相に到ることも多いので
思わぬ貢献も多いのだが、残念ながら
居眠りの印象が強く、上からの覚えは
よろしくない
剣の腕が立つという意外性もあるので
面白いですよ~
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・まあ聞け、雛太夫
・越後屋呉服物廻し通帳
・お乳の女
・乗り逃げ
・お尋者
・三行半
・明石橋組合辻番
・左遷の噂
物書同心に戻った紋蔵が、現代のサラリーマン同様、暮らしを守るため、上役の顔色を伺ったり、同僚の顔を立てたりしながら勤めを卒なくこなそうとしているのが可笑しい。正義感もあるが、長いものに巻かれることも理解している。本当にサラリーマンのようで楽しい。
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あれあれ。
このシリーズの最大の魅力は主人公のキャラです。「居眠り」という奇病を持つために「例繰り方」という日陰に追いやられた主人公。しかし、そうした境遇にもかかわらず毅然として問題を解決する。ただ、その裏にはやはりどこか日陰者の雰囲気がただよって。。。
でも、今回の作品では主人公が妙に自信たっぷりというか、何か日陰者の感じがしないのです。もちろん居眠りという奇病を周りの人間がからかったりするのですが、にもかかわらず、堂々と表に出て勝負してる。
話そのものは十分面白いのですが、他の捕り物帳との差が無くなって来た。そんなところが少し残念です。
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目次
・まあ聞け、雛太夫
・越後屋呉服物廻し通帳(かよいちょう)
・お乳の女
・乗り逃げ
・お尋者
・三行半(みくだりはん)
・明石橋組合辻番
・左遷の噂
身代をつぶし妻の実家に養ってもらいながら、飲む打つがやめられない夫と離縁するために東慶寺に駆け込んだ女。
男は二人の子どもの世話をしながら、妻の帰りを待つ。
離縁するつもりはないと、逆に訴訟を起こす始末。
泥仕合になるかと思った時、紋蔵が妻の母に授けた知恵とは。
うーん、そうきたか。
まるで大岡裁きのようで見事でありました。
紋蔵の手柄というのは、感やひらめきなどではなく、常日頃庶民の生活をよく見て(というか自身が庶民だし)、決して花形とは言えない物書きの仕事を実直にこなしているからこそ見えてくるものがあることを教えてくれる。
だからサラリーマンのおじさんたちに人気があるんだろうなあ。
そして給料が上がることもないけれど、見てくれている人は見てくれているというのもいいんだな。
勝手に住み着いて家族になった文吉も、すっかり紋蔵を「父上」と呼んで家になじんできたなと思ったら、いじめっ子たちと喧嘩して帰ってくるくらいのやんちゃぶり。
しかしそれが事件の解決につながり、そして文吉にまた一つ別れが訪れる。
しみじみする話の合間に、用心棒代わりを行った礼金の10両を受け取ったことが公になるのを恐れてびくびくする紋蔵なども面白くてよい。