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冬眠から一足早く目覚めてしまったムーミンの物語。眠っている間に通り過ぎていくはずだった「冬」という季節。白くて静かだ。
みんながみんな仲良しなわけではないところが良い。
ムーミンのヘムレンさんに対する気持ちはごく普通の自然なもの。なぜだか分からないけれど親しむことができない、苦手な人。波長が合わない相手ということなのだろう。無理に合わせることなどないのだ。
ちびのミイのように生きたいと思う。
p185 「彼女はいつでも、自分ひとりで楽しむことを知っていました。自分がなにを考えようと、春がどんなに好きであろうと、そのことを人に話す必要は、少しも感じなかったのです」
孤高のスナフキンとは少し違う一人の楽しみ方だ。みんなの中にいても流されない、理解されなくてもいい、好きな事をただ思い切り楽しめばいい。
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ムーミン谷の冬って、こんな感じなんだ。
精一杯がんばるムーミンの、心の変化があったりして良かった。
名も姿もない生き物たちがたくさん登場していて不思議な感じ。
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誰もが寝静まって春を待つはずの冬のムーミン谷。しかし一体どうしたことか、ある時目覚めてしまったきり眠れなくなってしまったムーミントロール。ママもパパもおじょうさんも目を覚まさない。家を出たムーミンの、ひとりっきりの冬の冒険が始まった。一人だけ起きて遊んでいたミイ、水あび小屋で見えないねずみたちと共に冬を過ごすおしゃまさん、暖かさを奪う氷姫、太陽の消えた日、冬のムーミン谷に集う見知らぬ客人たちとやたら明るいヘムレン……誰も知らない冬の日々をムーミンと共に。
レギュラーメンバーほぼ不在!さすがに今回はニョロニョロも出なかったw ミイがいるくらい。最後にママが出て来るだけで、ある意味異色の、ひみつの世界を覗いてしまったような今作。夜の世界というか、月の裏側というか……それもそのはず普段は眠りに就いて見ることのない冬の世界なのだし……知ってる人が全然いないのは不安なので、きっとムーミンも心細かっただろう。
私は冬の厳しい北陸の生まれと育ちで現在もなお住んでますのでムーミンが冬の嵐の中を進むところむっちゃわかる…!と二、三ヶ月後に私にも襲い掛かるであろう冬の猛攻に今から震えてました。まあ北欧と日本の北陸は大分違うだろうけど。緯度が全然違うし。でもやっぱり北陸の冬にも(というか雪か)通じるところがあってやっぱめっちゃ頷いてしまった。「もはや雪は上から降ってくるのではありません。地面にそってとんでくるのでした」が一番頷いたところ。でもこういう厳しい冬を越えたからこそ春のすばらしさ、朝の訪れが身にしみるもの。空のうつくしさがわかるもの。クロッカスの芽を守ろうとするスノークのおじょうさんに「この芽もすこしはくるしいことにあうほうが、しっかりすると、ぼくはおもうな」と言ったムーミンはそれまで誰も知らなかった冬を経験したことでずいぶん頼もしくなりましたね。あと雪が降った時「いいもんだな」って思うところも、確かに雪が降ってるところとか空気が澄んで星が綺麗なところとか冬にもいいところあるよねって思うのでいいでしょ?いいでしょ?と嬉しくなりました。
ところで、太陽がなくなった日はいわゆる黒夜かな。冬になると陰気な気分になるからやたら明るいヘムレンさんがうざいっていうのもわからんでもなかったw 本当は危険なおさびし山に行かせようとして、でもやっぱりとめたムーミンの心の動きがよかったです。
あとは、おしゃまさんがすごく好き!アニメとかにも出るのかな?トゥティッキって名前は聞いたことあるし出るかな。「どんなことでも、自分で見つけださなきゃいけないものよ。そうして、自分ひとりで、それをのりこえるんだわ」をはじめとして彼女の言葉は好きなのがいっぱいです。
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冬らしく白いカバーの新装版。
以下、旧版の感想。
冬眠できずに冬のムーミン谷を散策するムーミントロールの話。ほかに、物好きのミィが起きてる。
謎のご先祖様やら、姿が見えないハリネズミ(姿が見えないのになぜハリネズミだとわかるんだか)やら、ヘムル族最強のポジティブ思考でまわりに迷惑をかけちゃったりする若いヘムレンさん(切手や昆虫の人とは違う)やら、いつもの常連じゃない人がいっぱい出てきます。
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普段人目に触れないようにひっそり生きているものたちが、冬の世界では、存在感を現す。
夏を表とするなら、冬は裏の世界。
どっちもそれぞれの良さがある。
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いつもは冬眠している季節に目覚めてしまうムーミントロール。みんなが目覚めない中、1人で外に出て冬のムーミン谷を冒険する。
雪に埋もれたムーミン谷で、他の話よりもムーミントロールが1人成長していくような気がする。そして最後の最後でいつも以上にムーミンママの器の広さ、偉大さを実感する。
たまたま春の訪れを感じるような暖かい日に読み終わったので、ほっこりした。
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まっ白な雪にとざされたムーミン谷。パパとママといっしょに冬眠にはいったのに、どうしたわけか春がこないうちにたった一人眠りからさめてしまったムーミントロール。はじめて知る冬の世界で彼のすばらしい冒険がはじまった…。(e-honより)
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冬のお話なので、いつ朝になったか、夜になったのかがはっきりしない物語でした。 でも共感できたのは、ヘムレンさんやモラン。わたしの周りにもいるなぁと思いながら読みました。 誰をも、なにをも凍らせるモラン、自分の考えを押し付けて空気を読まないヘムレンさん。いるいる(笑) トゥティッキの邦訳がおしゃまさんってのが可愛い☆ 「どんなことでも、自分で見つけ出さなきゃいけないものなのよ。そうして、自分ひとりで、それをのりこえるんだわ」名言ですな☆
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これまでの冒険活劇とは違った内省的な物語。だからこそ、登場人物たちの一つ一つの言動にフォーカスしやすく、物語を読むうちに自分を見つめ直すきっかけを与えてくれます。
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冬眠からふと目覚めてしまったムーミン。
おしゃまさんや冬のものたちと過ごす。
前半の氷姫のくだりは不思議すぎ
後半のお客がきてからは、あんなに嫌がっていた冬を好きになってきたムーミンの振る舞いが楽しい。
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絵本にしてはメッセージ性強すぎるけど、小説として読むと物足りない。でも、ムーミンが冬を経験したことで、新しい発見とか成長を感じれて良かったと思う。「どんなことでも、自分で見つけ出さなきゃいけないものなのよ。そうして、自分ひとりで、それを乗り越えるんだわ」ってゆうおしゃまさんの言葉が好きすぎる。あと、ムーミンママ優しい。好き。ってなった。
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ムーミン谷の冬は"ムーミントロールの成長物語"という位置づけにあるのではないでしょうか。
初めて見る冬の景色、生き物に警戒心を持っていたムーミントロールが、おしゃまさん(トゥーティッキ)や冬にしか現れない生き物、自然と触れ合う中で、ムーミンママがいなくても自立した個人として成長していきます。
おしゃまさんは見守る助言者として、ムーミントロールのそばにいてくれる存在で名言をたくさん聞かせてくれます。
相変わらず何も変わらないのがちびのミィ!彼女もまたムーミン物語には欠かせないスパイスとなってくれています。
そして、ムーミンママはムーミントロールにとって誰よりも安心させてくれる不動の存在です。
メソメソ、ヘムレンさん、サロメちゃんもそれぞれ短所もあるけれどそれがまた愛おしく、短いページの中でお互いの関係性がよく描かれている、大好きなキャラクターです。
挿絵の一つ一つにも物語の展開と丁寧にリンクさせた表現が見られるので、どのページも必見です。
また、最後の数ページにかけては、冬が始まる前よりも成長したムーミントロールが、これからの自分や自分を待っている出来事に、本当にワクワクしていることが伝わってきて、こちらまで嬉しくなります。
ムーミン物語は、キャラクターや世界観などファンタジーな要素があるのに、そのキャラクター達が立ち向かう出来事を解決するのは魔法の力などではなく、いつだって自分自身の内面と向き合うことや、周りの人を助けまた他者に助けられながら、壮大な自然の中でゆっくりと学んでいくことなのです。
そんなムーミン物語の素晴らしさがよく描かれている本作はこれからも定期的に読んでいきたい作品です。
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登場人物の個性がしっかりと出ていて、いろんな人たちとふれあいながら、また初めての冬を経験しながら、ムーミンが成長する姿が愛おしく思える。とってもかわいい作品。
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「この世はあいまいだからいいのよ」っておしゃまさんに言われて、ハッとした。
なんだか全てを知りたいと傲慢になっている自分がいたことに気づく。
この世の真理なんて誰にもわからない。
だから正解なんてない。自分が満足できる毎日があればそれでいいのに。
はじめてのムーミン作品だったけど、心の機微を丁寧に捉える描き方にすごく温かみを感じた。
もっと自分を大切に、感情を大切にしようと思った。
冬も悪くないね。困難って必要だもんね。
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今年1冊目に選んだのはオススメの一冊。途中、りすの件で欄外に筆者の追記があるように、本編の随所から優しさと暖かさが溢れ出る作品。ムーミントロールと冬の住人たちのやりとりは、「気に食わない子だっているし、いろいろな人間がいるけども角度を変えたら意外といいヤツやん」みたいな雰囲気ははっとさせられます。人間関係のメタファーのようで、それすらしんしんと飲み込む雪や氷の描写もたまらない。独特の世界観を構築しており、特に今の時期の読書にぴったりだと思います。#moomin_jp #読書好きな人と繋がりたい