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22年1月20日、読了。浦賀和宏さん、二作目。
読み終わって…うなってしまいました。参った…
結構なアクロバティックな仕掛けでしたが、結末が僕には悲しすぎて…トリックが明かされた時の爽快感より、胸を押さえつける悲哀の方が強く残りました。
この人、一体どんなアタマをしているんだろうか?昨年初めて読んだ小林泰三さんも、不思議に思いましたが…この浦賀さんも!僕には衝撃の大きな出会いです。でも、お二人共、既に亡くなっているそうですね༼;´༎ຶ ༎ຶ༽
浦賀さんは連作で有名だそう…次は何を読もうかな…楽しみです。
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初めての作家さん。
評価に、何度この手に騙されるんだ…!て書いてあったのにすっかり忘れて読んですっかり騙された笑
まあ内容に必要なトリックではなかったかな?
でも、アヤコなんで男3人に自分1人なんてメンバーでお泊まり会?て思ってたから、そこも伏線だったかとすっきりした。
ただ最後の吉野に襲われるシーンは、なんか男に都合いいように描写されてんなと思った。
重量感はなかったけど、読みやすくてすっかり騙されたので満足度高め。
(いまノベルスの背表紙見たら、監禁された三人の青年、って書いてあった。これはミスかな?)
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コンパクトな作品だが、相変わらず構成は抜群、リーダビリティも高く、そしてしっかり驚かせてくれる。
最後に立場が逆転し、互いに相手の夢を想う。このあたりはやはり巧い。
前例があるのかは分からないが、カニバリズムの動機にも納得。そして本書の最大の肝となるあのトリックだが、一人称「僕」は(わかっててやっているような気もするが)やはりどうしても引っかかる。伏線に関しては性行為のシーン、編集者との旅行云々の話、「亜矢子みたいな女しか好きになれない」という台詞など十分すぎるほどある。ややわかりやすくはあるものの、「浦賀」という名前のミスリードには脱帽。
本作の前に書かれた浦賀作品からすると少しシンプルでがあるが、著者の良さがよく出ている。
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二転三転していくスピーディな展開が面白かった。
でも、北澤博からアナグラムで鶸千路沙羅子にするくだりが?となった。
自分の名前から作らなくてはならないみたいに書かれていたが、そんなことはないだろう。
むしろアナグラムが警察にバレたら、それだけで一気に犯人に踊り出てしまう。
ここが「浦賀」が想像で補った部分なのだろうか。
最後まで気になった。
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浦賀作品を初めて読んだが、あまりにも綺麗なパズラー小説であり、一気に読み終えてしまった。他の作品も読みたくなった。
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「どんな夢を見ているの。」
地下シェルターに閉じ込められた3人。 外に出るためには5年前の転落事故の真相を告げよ。
外部で進行する交換殺人の本当の狙いは、そしてこの作中作「かつていたところ」という物語の正体とは。
体験せよ浦賀トリックの帯に釣られ牢獄に迷い込みました。 物語は浦賀とその恋人である亜矢子が階段から突き落とされる所から始まります。 5年間眠りの牢獄から抜け出せない亜矢子、そして1日で目覚めた浦賀、やがて事件の真相を求める亜矢子の兄の手によって事件関係者の3人が地下シェルターに閉じ込められてしまう。 3人は途方に暮れながらも事件を振り返るのだが・・・。
一方、別視点では冴子という女がネットを通じた交換殺人のやり取りを持ちかけられる。 自身の元恋人・博の殺害の代わりにある人物の殺人を依頼されるのだが・・・。
この全く視点の異なる二つの物語が「かついていたところ」という亜矢子のために書かれた小説なのだという。 250頁の中に詰め込められたいくつもの技巧。 欲張りセットなパズル小説だった。
本作の美しい点はやはりラストの亜矢子が手渡された小説の件である。
眠っている亜矢子の下に行くためのに屋上から身を投げた浦賀。 「かつていたところ」は自身に起きた事を亜矢子の為に託す生涯最後のミステリ。 足の筋肉がかなり退化してることを考えるとやはり亜矢子は長期間眠っていて起きた時には事が全部終わっていたという解釈。
あるいは眠りの牢獄にいたのは浦賀の方で看護師から渡されたのは「電脳戯話」だったのではないかという解釈。 つまり「かつていたところ」が浦賀の見ている夢ということだ。 ミステリ的な夢を見ると本人が述べているし、ラストの「どんな夢を見ているの?」にも繋がる解釈である。
作者自身、看護師が述べたタイトルをわざとぼかしているので各々好きな解釈を取ればいいと思います。
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短くてサクッと読めるが、ショッキングな描写がところどころある。
一見全く別のような二つの話がつながるところや、浦賀についてのトリックは面白い。騙された。
吉野が浦賀を襲うシーンは不快だった。男性が書いたからこうなったんだろうなぁという感じ。
最後、亜矢子が目覚めたのは、浦賀が事実を記した小説を完成させ病院の屋上から飛び降りて昏睡した後、ということでいいんだよね?
どういうわけか亜矢子が目覚めて、代わりに浦賀が眠りの牢獄に閉じ込められてしまったということだよね。
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叙述トリックをふんだんに使っている上でさらに叙述を重ねた渾身の作品だと思う。色々とあながあったり中心になる殺人や原因は弱いところは残念だけど、違う部分でどんでん返しがあるので面白い。人に勧められるかは別やなー。やり方がちょっと汚いって感じさせるとこがあるから読後感があまり良くなく、名作まで行かないけど素晴らしい惜しい作品というイメージ。
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推理するのに伏線は結構あったように思った。登場人物が苗字だけだったりフルネームだったり所々。推理しながら読んで偉そうに分かったように読み進めましたがほぼ外れ。面白かったです。先入観が邪魔した。賢くなさそうだと思ったら結構色々考えてたり。巧妙なこと考えてたり。
すらすら読めてすごく好きな作品でした。
「彼女は存在しない」も読んでみようと思った。
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読みやすい文章は、200数ページと思えないくらいにあっという間で一気に読みました。
結末まで予測不可能なトリックでして、驚愕しましたよ。
凄く良い作品で、非常に圧巻でした。
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読み友さんの感想を読んで、読みたい!と思い、ようやく購入。並行して進む二つの話。一つはとある女性同士が企画する交換殺人。もう一つは妹の恨みを晴らそうとする男性の話。この2つのストーリーが、どう交わるのかが読みどころかと思いきや、それだけではありませんでした。あまりストーリーに現実感は感じませんでしたが、かるーく読める本で、すっかりと騙されました。