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最初タイトルを見たときは「衝撃のアルベルトの親戚か?」と思ったけど、実際の内容は青春系ラブコメでした。それも、かなりリアルで痛々しい感じの。
やる気もなく、自分勝手な連中が集まったクラス。それでも、目に見えない形で空気というものは存在していて、それが最悪な形でハマってしまったクラス。
そんな中で孤立することを恐れず、ハッキリと物を言う小早川さんは、カッコイイと思う反面、無謀だと思った。そこが魅力で可愛いんだけど。
特に、後半の小早川さんが折れてからの展開が、こう、ものすごく興奮してしまいましたね。これまでの硬い印象だからこそ、ゲスいとわかっていても、グッと来てしまった。それからの主人公の行動には痛々しかったけど、それを払拭するクライマックスシーン、ずっと我慢していた鬱憤を晴らす炎と氷の剣無双は、凄く爽快だった。
だからこそ、もっとページを割いて描写して欲しかった。小早川さんが何を言ったのか、ここまでずっとリアルな世界を描いてきたのだから、読者にわかる形で見たかった。
でもまぁ、報われる感じに終わってよかったよ、本当に。
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さて、ロミオ氏の作品というわけでまた独自の世界観があるなぁと。
主人公だけに見える、武器。
それが熱意だったり、嫌味という圧力だったりしたわけですね。
そういった意味で、
最初の灼熱から始まり、最後の灼熱で終わる。
そんな物語ですね。
内容としましては、いうこと(マナー?)を聞かないクラスを
どうにかして、良いクラスにしようとする物語。
主人公は最初、聞かないクラスの一人であったが
外から自分のクラスを眺め、ここは、井の中の蛙なんだなと。
自分もヒロインと共に、クラスを良くしようと決意。
しかしながら、うまくいかない。
うまくいかないどころかだんだんとこじれていき、
最終的には文化祭でうまくいくと思ったはずの恋愛も失敗。
それから、生徒会選挙が始まるわけですが。
一度こじれた中をうまく戻して、ヒロインを生徒会長にすべくやったたつもりが、
失敗。
そして、ヒロインの中が選挙に負けた途端に崩壊。
自分を見失う状況になる。
主人公は、壊れたクラスに一人立ち向かって……。
そして、最後にはやっとヒロインも立ち直り、恋人になったという。
話としては、失敗に失敗に失敗。
そして、成功に思えてスタート地点に戻ってきたというもの。
どうなってしまうのだろうかと、最後までドキドキしました。
やはり、成功させるには失敗は大事ですね。
それに加えて、成功を完全にさせる必要もないのだなと教えて頂きました。
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飯嶋くんが生徒会長と初めて話して、価値観が揺らぐシーンが良く出来ていると思います。
「友だち」や「空気」ってテーマで書かせると、この人の文章は本当に面白い。ただ個人的には、AURAの方がより入り込めて楽しめたかな。テーマ少し違うけど。
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これがライトノベルか~というのがこの本を読んでいて抱いた感想。
人類は衰退しました。
と比べると力の入り用がやはり違う気がしている。
この人にとってのその書きやすさみたいなのはこの本では制限されていたのかな?と思う。
書きたいのを抑えて、抑えて、売れる書き方ができるかどうか試されているようなそんなイメージが読んでいて感じた。
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アウラと主人公とヒロインの関係は似ている。抱えているものは少し柔らかくなった感じで、その分小早川さんが可愛い。
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AURAに続いてですが前作に比べればリアリティに満ちた本作。ただ細部まで描写が行き届いているかは...
ブログのくだりや仲違いの間のこと、もう少し肉付けしてほしかった。
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人間関係も勉強もそつなくこなす主人公。
何不自由ない学園生活に水を差したのはガチガチに規律を守ることをモットーとするクラス代表小早川さんだった。
簡単に感想を言うと
『小早川さん最強!』
といったところかな(笑)
最後の展開のみ不満だったけど、それ以外の展開はありえる学園生活っぽくて面白かった!
最近の学園ものって異能だとか特殊な環境だったりが多かったのでこなんな構成・設定はなかなかありですね。
まぁ、なんにせよ完全なジャケ買い(メガネ+黒髪+髪結い女子)だったんでここまで楽しめれば大満足です!
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最高に素晴らしかったです。さすが田中ロミオ作品には一作も外れがありません、凄まじい。
本書のテーマは「空気」、前半の、どちらかというと小早川さんを愛でることに徹する展開にやや不完全燃焼を感じていたものの、事件が起きてからの緊張感は半端ではありません。
集団の空気、話を学級の空気に限ってもこれをテーマにした作品は数多ありますが、このような書き方は本当に心が抉られて、強く気持ちが動かされました。天晴!
最後のオチに関しては、空気に対してこう振る舞った結果、本来こういう世界が見えているはずであるという理想という感じでしょうか。現実はこうは上手くは行かないよと言われるかもしれませんが、こうも客観的事実としてあからさまではなくても、実際自分の心の持ちようではそのような世界に入っていけるし、精神充足度もこれに近いものになっていると私は確信しています。
激ヤバ鬼マスト!!
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懐かしや学校生活。
いやー、こんな学校生活は絶対に送りたくない。送りたくないけど、ちょっとかっこいいかも。
よくあるラノベとすると、ヒロインの心理描写がかなり少ない。こういうの珍しい。
複数のテーマで書かれているのもすごい。
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現代の高校を舞台に、まわりの「空気」に流されてどんどん怠惰になっていくクラスメートたちと、そんな「空気」をものともせずクラス改革に邁進する熱血まじめ系委員長タイプ少女の小早川さんとの対立の日々。そして、まわりにうまく合わせながらも、小早川さんに興味を抱きひそかに観察している、主人公の飯嶋直幸らが織りなす青春物語。
クライマックスの手前くらいまではかなり引き込まれた。このクラスで起こっていることや、クラスメイトたちの行動などが自分の学生時代を思い返した時に、すごく既視感のあるもので、かなり心に刺さるものがあったのだ。はたしてどのような結末を迎えるのだろうかと、期待したのだが…。
おそらく僕のようにラストに少し疑問を感じる人も出てくるだろうと思うが、終盤くらいまでは文句なく面白いので、読んで損はないだろう。
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空気を読みすぎる主人公と空気の読めなさすぎるヒロイン(で更に学園モノ)という田中ロミオお得意構成なので、ある種の安心感を持って読めた。ヒロインの厨二病の方向性が逆なだけで「AURA」とほぼ同じ設定だから、どっちかにハマればもう片方も楽しめると思う。どちらも主人公がある時点でヒロイン側に吹っ切れてからが気持ちいいのに、すぐ後に挫折させるのがロミオ流。鬼畜だけど、主人公結局いいやつでなんとかなるのがズルい。あっさり終わっちゃうのがラノベの良いところでも悪いところでもある。
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トップレベルの学校に入ったものの、クラスはすごかった。
自由、とは言いひびきですが、本当の自由とは
こんな縛られた中の自由、ではありません。
やりたい事だけを! というのに引っ張られて
数の暴力で押し付けたクラスメイト。
本当にトップの学校? と聞きたくなるくらい
その後の事を考えていません。
流れに乗っかるのもいいですが、それを考えないと
小学生よりも劣る選択です。
しかも主人公をスパイに送り込んだのはいいものの
誰も協力しないし、文句だけを言う状態。
うわぁ面倒なやつらどもめ、なクラスメイト。
そりゃ頼っても仕方がない、と思えます。
むしろ、こいつらに仕事渡したら…という考えに
一票入れます!
怒り出さない彼女と主人公は、大人だなぁ…と。
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『AURA』と同じく高校というある年齢集団が集う学校環境が舞台の人間関係もの
「恋愛」という小説分野わけがあるのだから
広く包括して「人間関係」という小説分野があってもよさそうだが
人間が読み手である以上人間関係を描かない小説もないわけか
登場人物が作者視点のほかに人間のいない小説でも作者と読者は人間であるし
文章を自動生成して生成命じた本人が読む場合も生成命じた過去の自分と読む現在の自分
あるいは生成しなかった自分など自意識に対する人間を想定比較するのであって
またcommunicationの語が伝達連絡なのにそれが交わされる界場として使用される日本語の
空気という概念の呼び方はなんであったのだろう
この作品の場合高校という場だが
幼稚園でも家庭でも職場でも老人ホームでもあの世でも人間が自らを人間と認識する限り
人間関係はなくならないが
例えば小説分野わけにそれに対するものが「恋愛」くらいしかないのも面白い
「教養」「青春」「冒険」として「与えられたもの」「過ごすもの」であり
交わすものではないわけだ
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数々の国宝級18禁ゲームを世に送り出してきた伝説的シナリオライター・田中ロミオ氏が手がける学園ドラマ。コメディに比重が置かれていた『AURA 〜魔竜院光牙最後の闘い〜』とはテイストが異なり、本作は一年間を通じて男女の関係変化を実直に描いた恋愛小説となっている。主人公・飯嶋直幸は規律を重んじるクラス代表の小早川千尋を牽制すべく、副代表の職務に協力することになるが……という話。ごく普通の生徒で構成されるクラスのはずが、集団浅慮のために誰一人として学級活動に協力する者はなく、結果的に直幸と千尋の二人だけで全委員活動や文化祭の準備に立ち向かうはめになる。平凡な学生生活の中で規律と怠慢の二項対立を誇張することにより、極限状況が生み出されているのが面白い。厳格な秩序を求める千尋も、一年B組においては無秩序という和を破壊する異端者にすぎない。当然、集団は異物を排除する。学園だけではない。職場や家庭、あるいは小規模な友人関係においても一年B組のような環境は常に身近に存在する。同調圧力なき共同体などあり得ないのだ。我々は社会の一員である以上、常に空気を読むことを求められている。安易な和に埋没せず、炎の剣を振える人間でありたいと強く思う。共同体の危うさを描くことに長けた田中ロミオ氏ならではの良作である。
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田中ロミオさんの小説はキャラがブレなくていい
あとモノローグも違和感ないし
文章がニガテな人でも頑張れば読み進められる
なんか視点の感情移入のさせ方が上手な気がする
状況に対するカメラの置き方もそうだけど、
内面へのカメラの向け方も丁寧
だからブレないのかもしれない