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文章が好き。構成もすばらしかった。でも自分には理解できない男女の関係がミステリーのこたえであったことが残念。導入部からのひきこみはすばらしく、没頭できる一冊。最後ちょっと語りすぎた感がありました。もっと謎のままでもすてきな本だったと思う。
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一気読み。
一つの事件を起こすべく
みんなが動いていったようで
運命ってこういうものなのかなと
思った。
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小池さんの文章には、なんともいえない官能性があると思う。
体温が上がるような、胸が苦しくなるような感じ。
また読み返したくなる常習性というか、麻薬性。
それを官能性というのかもしれません。
この本を読んで、大好きな作家さんになりました。
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大学教授とその妻、そして彼のもとでアルバイトする女生徒の不思議な三角関係。それが崩れそうになった時、教授夫婦の軽井沢の別荘で彼女は猟銃で撃ってしまった。
(再読)
良かった。なかなか良かった。最後の手紙を読むと泣けてしまった。ミステリーだけど恋愛小説とも言っていいかも。
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頭の中で映像が飛び切り美しく描けた本。普通の三角関係を想像して読むと大きく裏切られる。最後まで一気に読まされ、直後に幸せだった時の三人の姿を思い出させられ、涙。余韻が凄い。
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直木賞受賞作。
連合赤軍が浅間山荘事件を起こした1972年、大学生の布美子は、助教授の信太郎と妻の雛子との優雅で奔放な魅力に心を奪われていた。
軽井沢を舞台に繰り広げられる愛憎劇。
なるほど、これが「恋」であり、タイトルの表すものなのかと、唸らされた。
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学生闘争に邁進する活動家との不毛な関係に疲れた布美子の前に現れた美しいカップル、信太郎と雛子。彼らを神のように崇める布美子の愛によって、2人はより完璧に近づくように見えた。ある男が現れて3人の関係を破壊するまでは・・・。あさま山荘事件の裏側で、ひとつの時代の終焉を示すように、殺人で終わったある個人的な物語。
作家がこの物語をなみなみならぬ思い入れをもって書いたことはよくわかる。だが、このカップルの異常な完璧さを形成していた核心の「秘密」には、ほんとうにこれだけの重さが与えられるべきだったのだろうか?それこそ、この禁忌を過度に神聖化することになりはしないか。また、殺人にいたる布美子の心理は実に説得的に描かれているとはいえ、人ひとりを死に至らしめた当時の未熟な他者依存を自己批判的にみつめなおす言葉が、晩年の布美子の口からついに語られることがないのも、私には気になった。ライターである語り手をおきながら、「あの時代」とともに生きるのをやめてしまった主人公を外側から見る視点がないのは、やはりこの作品の大きな欠点であるように思える。
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連合赤軍が世を震撼させていた同じ時期、大学生の布美子は大学教授片瀬信太郎の翻訳の仕事を手伝うことになり定期的に彼の自宅に通ううちに片瀬夫妻を深く知ることになる。
彼の妻雛子は他の男と浮気(これは便宜的表現。)をしており、それを信太郎は咎めていなかった。
雛子も信太郎の浮気(同様)を咎め立てもしない。それで2人の関係はうまくいっていた。
布美子は片瀬夫婦に徐々に惹かれて行き、やがて信太郎とも雛子とも肉体の関係に至るが、この奇妙な男女の三角関係がもたらす至福の時はずっと長く続くかと思われた。
1972年、折しもあさま山荘落城の日、軽井沢の片瀬の別荘で、布美子は猟銃で若い青年を撃ち殺し、居合わせたもう一人に重症を負わせる。
彼女は14年の刑期を模範囚として10年で終え、社会の片隅で目立たぬよう暮らしながら95年、ガンのために45歳で早逝した。
この事件に関心を持ったノンフィクション作家鳥飼は、真相をまとめて上梓すべく、ようやく所在を突き止めた布美子に話を聞きたいと持ちかけるものの閉ざされた心を開くのは容易ではなかったが、不治の病を得て死を前にした心境の変化から、彼女は事件の真相を鳥飼に伝えた。
しかし長く匿されていた真相の重大さにおののいた鳥飼は、布美子に、その秘密は決して誰にも漏らさず、本にもせず、自分が背負ってゆくと答えた。
以上がこの物語の短い序章のあらすじだ。
このあと長大な本章が続き、短い後日譚である終章に挟まれている。
長大な本章は、死の床で布美子が鳥飼に語った内容である。
件(くだん)の「秘密」が物語を牽引するのではない。というより、たいていの読者はたぶんその「秘密」を誤解するのだろう。僕もそうだったが、これは作家による意図的なミスリードだと思う。奇妙な男女の三角関係そのものが十分に秘匿されなければならない。だからだ、少しずつ小出しにされる、猟銃発砲という劇的クライマックスがいつどういう経緯で展開されるのか、というミステリーの方に焦らされながら惹きつけられるのではないか。
そして、そこに至る事情として、妖しげな男女の愛憎劇は時に官能的な筆致も含んで展開される。
そのような仕掛けに満ちた物語であるので、読書の手が止まるということがなく、2晩で読み終えた。
文章が平易で明解で、ことさらに飾り立てたり奇を衒ったりすることころがなく、むしろ通俗的で既視感もところどころに感ずるくらいだから読みやすいということもその理由だ。
(僕はこの作家の本を読んだのは初めてだったが、人間的にも真摯で誠実な人ではないか、などと思いながら好感をもって読み進んだ。)
最後まで読み終えて思うに、なかなか良くできている。
これだけ長い(文庫約450p)と、どこかつじつまの合わない部分や不自然なご都合主義が顔をのぞかせてもおかしくないが、およそ感ずることはなかった(後述する一点を除いて)。
むしろ、すべての前振りや伏線、配置した小道具は、最後にキレイに整理・回収されるのだ。
中盤に登場する何気ないマルメロの木のエピソードなど、読み手の方ではすっかり忘れているのに、��ちんと始末がついて、しかも少し感動的でさえあるのだから見事だ。
ただ、問題はある。
重箱の隅までもほじくってクリアにしてしまう、あまりに見事な整合性と説明ぶりに、読後に浸る余韻がないのだ。本を閉じてしまった時点でこの本から広がっていた世界も閉じてしまうのが残念だ。
タイトルは陳腐な「恋」であるが、確かにここではエキセントリックであるがゆえに純度の高い「恋」が描かれている。読者がしばし反芻しながらこの「恋」に思いを巡らす余韻が欲しいのだが、あれこれ全部説明されてしまってはもう本を措くしかないではないか。
この点については、文庫本解説の阿刀田高も同じようなことを指摘している。我が意を得たりだ。
もう一点、阿刀田は指摘をしている。
決して明かさないと約束した秘密の物語を、結局、この本という形で明かしているのがおかしいから、文庫化に当っては辻褄が合うように布美子の言葉を書き足して欲しい、と書いている。
しかし、作者はそうはしなかった。その理由を作者は「文庫版あとがきに代えて」で書いているが、まあ、そんなところで良いのではないかと思う。
そこを問題とするなら、そもそも、この緻密に設計された小説の唯一かつ致命的な欠点は、「秘密」が布美子の口から「語られてしまった」というところにあるのであって、あとはどう繕おうとも本質的な解決にはならないのだ。
冥途まで抱えてゆくべき「秘密」を彼女をして語らせたという構成にいわば躓きがある。
彼女の死後、鳥飼が取材と推理で構成する物語にすればそこもきれいにクリアできたろう。
しかし、もしそのように書いたとしたら、本作のような身悶えする官能の悦楽も責め苦や葛藤も味気ないものになっていたと思えるのが悩ましいところだ。
----------1995年第114回直木賞受賞作
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女子大生とある夫婦との3人の関係を描いた物語。活動家の男子学生と付き合っていた中で出会った、不思議な夫婦。とても仲はよいけれど、お互いにお付き合いをする彼女や彼氏がいるという夫婦。
よく言う三角関係とは異なり、三人で過ごす時を重ねる中で、三人がひとつとなり、結びつきが布美子の心を揺さぶり、悲劇へとつながっていく。
最後の最後に、夫婦の現在の姿が描かれていることで、今もまだ布美子の思いは息づいているんだと分かり、胸がいっぱいになった。読んで決して汚らわしい感じやいやらしい感じが一切そぎ落とされて、美しい「恋」の姿を見た気がした。
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世の中が浅間山荘事件一色の時代で、異端な恋をした4人の話
異常なほど仲が良い夫婦だが、互いに夫婦以外の相手と性的な関係を許している。広い世の中探せば、こんな夫婦結構意外といるかもしれないと思いつつ、実は兄妹でしたなんてパターンは異端すぎてないでしょうと思う。そんな二人に巻き込まれた女子大学生が最終的に夫婦の妻が本当に恋した男を射殺してしまうのだが・・・。異端な恋を神聖視までしてしまった女子大生。自分が彼女の立場だったら、果たしてどうしたか。女子大生の孤独感・虚無感が良く伝わってきた。
人を殺すのに理由は要らないという。そこに銃があったから引き金を引いた。その結果、人が死んだ。ただそれだけだという。人を殺す瞬間が本当にそんなに淡白なものなのだろうか。よく分かりません。
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恋に恋する女か。
片瀬夫妻に理想を追い求めるが為に起こした殺人か?
自分が思い描い理想の愛に囲まれた至福から一気に奈落にくの底へ落とされたが故の犯行であったはずではあったが…。
彼女自身は本当はかやの外だったのかもしれない。
理想だからこそ相手の一挙手一投足を逃すことなく見続けていた女性の物語なのだろうな。
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何でこの本を読み始めたんだっけ?ときっかけをずっと忘れていたが、今度ドラマをやるからだった。
到底理解できない話。だけどドラマ化したものは見てみたい。
雛子のイメージは完全に真木よう子だった。
彼らの気持ちを知らないまま亡くなってしまったのは、ちょっと悲しかったかな。
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なんとも言えないどろどろした世界。
いろんな夫婦の形、そしていろんな恋の形があるものだと思いました。
現実、自分には決して起きないけれど、小説としては引き込まれて一気に読み上げました。
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この本を開いて読み出したら、世界観にのめり込みすぎて、手を止めてもなかなか現実世界に戻ってくることが出来なかった。
設定、ストーリーの細部、登場人物のひとりひとりまで愛しく感じられ、私自身この作品に『恋』をしたと言って良いくらい気に入ってしまった。
このタイトル以上に相応しいタイトルは無い作品でしょう。
今年読んだ100冊以上の本のベスト5には間違いなく入る、私のお気に入り作品となりました。
好みは別れるでしょうが、一個人としては素晴らしいの一言に尽きるかと思います。
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久しぶりの再読。
とても好きな本で、何度も読んでいます。
まるで、軽井沢にいるかのように感じられる。
ふうちゃんにも、ひなこにも
会ったことがあるような気がする。
読み終わると、随分年をとった気がする。
不思議な本だ・・・。