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導入部分どころか、半分くらいまではシューマン論が延々と続きます。
正直なところ、辟易していたうえに、文章は目が滑って読みづらく、
話の中盤でやっとミステリらしい事件が起きたかと思えば、
「このオチは無い!」と言いたくなるようなもの。
苦痛を伴いながら読んだシューマン論とオチは全く関係ありません。
この上なく壮大ながっかり感を味わった1冊です。
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魅力的な天才キャラクターが居たからこそ最後まで読み進められましたが最後のオチが……
煙に巻かれた感が否めません
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初めは音楽の分からない私には読みにくい内容でしたが、中盤以降はいきなりミステリー要素が増してすらすらと読んでしまいました。
特に、後半の主人公の心情描写は好きでした。
最後の20ページは私はいらなかったのでは?と思います。
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指を切断したはずのピアニストが演奏していただとか惨劇だとかいうミステリーな触れ込みに惹かれて読んでみたけど、ほぼ音楽談義の文学作品といった感じで終盤までは退屈だった。
中盤~終盤の『私』と永嶺修人の言いあいやら指の切断事件あたりからミステリーな展開になってきて面白かった。
でも落ちは結局それかよ!って感じだった。
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一種の叙述トリック作品なのかな…?
ミステリー小説というよりは、人間ドキュメンタリーといった感じです。ミステリーのつもりで読むとちょっと拍子抜けします。
良くも悪くも裏切られた感じですが、人間の多様性って面白いな、なんて感じるある種のヒューマンドラマです。
一部BL的表現が入っているので引き当てた感たっぷりでしたが;;
全体的に好きなんですが、ラストが何となくすっきりせずもにょりました。。
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少し想像していた方向とは違っていた。
ある意味こう終わるのは自然かもしれないが、ところどころ納得がいかないところもある。
実際どうだったか、がもう少し書かれていたらよかった。
それと、音楽についての部分は読みにくいかもしれない。
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純文学でありながら、音楽小説でありミステリー小説でもある。
音楽に対する描写が難解で、前半は読み進めるのに時間がかかった。
クラシックに造詣の深い人達にとっては問題ないのかもしれないが。
ただし、後半ミステリー色が強くなってからは一気に読んだ。
壊れていく人間の危うさ。
記憶に頼るしかない存在の不確かさ。
精神疾患に依るミステリーはあまり好みではないのだが、解説を読む限り、シューマンがキーワードであるこの作品はこれこそが正解なのであろう。
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すべてにおいて「音」が流れている本。ただそれは、うっとりと心和むメロディーではなく、美しいのに狂気をはらむ旋律。
シューマンを聴きながら読むと、筆者が出したかっただろう雰囲気を味わえるかも。
いつもこの手(クラシックを全面に出す)の小説を読むと思うのだが、一緒にCDを出してほしい。
ミステリー的には、ふむぅって感じだけれど、シューマンには詳しくなれます。
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当方ポップカルチャーに毒されており、クラシックとは無縁(縁があってコンサートに行く機会を何度か得ているが必ず爆睡)なので、シューマンはじめとしたクラシックへの蘊蓄が的を得ているのか全く見当もつかないが、知識があればもう少し楽しめたんだろうか?
結末含めてシューマンはじめとした作者の音楽への粘着的(?)愛がどれほど効果的に物語に絡んでいるのか、それが分からないので論評する立場にないような気がするが、そんなに酷い作品ではないと思う。
芥川賞作家という感じがしなかったのが当方にとって最大の驚きかも。
(受賞作は読んだが「あまり面白くなかったような気がする」程度の記憶しかないな。)
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幻想曲、交響的練習曲等、曲を改めて聴き直しながら読んだ。前半の楽曲解説はくど過ぎ、最後のどんでん返しは不要。気持ちは分かる気がするが力み過ぎと感じた。
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またしても奥泉光に完全にだまされた(←良い意味です。)まったくもお、うまいなあ。
それでもってまた「音楽」というものに対する見方が素晴らしく、納得の一冊でした。
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電子書籍で。このミスで上位にランクされていたので期待して読みました。前半というよりは、ほぼ7割方退屈な話しが続きます。所々に現れる『シューマン』の音楽に関しての記述。天才演奏者永峯とのやり取りを記述する主人公。しかし!最後の1割でやられました!ちょっと想像できなかった。確かにいましたよ。妹さんが。唐突だなあ…とは思ったけど、でもまさか最後にそこで登場するとは。面白いです。
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ミステリの要素もあるけれど、それよりも音楽の小説、幻想的な青春小説として。
シューマン自身ではなく、その分身を物語の中心に据えることで、シューマンやシューマンの作品をいきいきと語った作品なのであるなあ。
演奏や曲の、迫力のある描写はさすが。
物語にでてきたシューマンの楽曲を順に聴いていこう。
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前半、中盤は修行。辛い辛い。
終盤で読みやすくなって来て
ん?ん!で完了。
ま、完結はしたけど小説で
これだけ苦しむのは嫌だな。
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読んでからずいぶん時がたったので、おぼろげな記憶だ
確か前半は、物語というよりシューマン論と言ってもいいほど精密な音楽評論になっている
こんなもの読んで、一般の読者がついてこれるだろうかと思った。
でも一冊読み終わってみれば、ミステリーとしても素晴らしく、賛否はあるものの、結末にいたる驚きの連続は読者の知性への挑戦として、素晴らしい出来ではあった
ただここでは、僕が感じたことを書いてみたい
それは「音楽評論」とは何かということだ
ちょうどこの本を読んだのと前後して、元職場の先輩がくれた有名編集者の評論集を読んだ
それは、ジャズからクラシックから、日々接する音楽に対して、日記風に感想を書き連ねている本だった
オーディオ雑誌の連載をピックアップしたものらしい
パラパラ読んだ限り、どちらにも驚くほど造詣が深いが、明らかにジャズ評論よりの人だと思った
というのは、この編集者も意識していると思われるジャズ評論の泰斗、植草甚七を昔読んでいても思ったのだけど、伝統的なジャズ、あるいはポピュラーミュージックの批評という世界では、音楽そのものよりも、その来歴、人物史とかディスコグラフィーとかその年代の社会背景などへの言及が中心になっている
誰が誰といつどうして音楽史上はこう、というような世界
映画評論などもそうだし、もちろんクラシック音楽の評論だってその手のものはゴマンとある
それを否定しているのではなくて、例えば本屋の音楽雑誌コーナーで立ち読みすればほぼ全部がそんな感じだから、消費側の巨大なマーケットと供給側の業界との橋渡しとしては、ふさわしい評論の在り方なんだと思う
でも個人的にはそんな知識はあくまでサイドストーリーで、あんまりいらない
音楽そのものに近づきたい
どのみち音楽は言葉では表せられないのだけれど
それを何とか表現しようとすることも音楽評論の重要な意味だと思うのだ
音楽を聴いて立ち現れるこの心の情動を誰か正確に言い当ててくれないだろうか
あるいは、このフレーズの音楽的な仕組みを詳細に教えてくれないだろうか
また、音楽としての歴史的な系譜を単に人のつながりではなく緻密な和声分析などで明らかにしてくれないだろうか
だったら楽譜を見ろと言われるかもしれないが、楽譜からも読み取れない何かが音楽にはあるはずだ
その渇望にこたえてくれる評論は多くない
しかしこの本はそれを感じさせてくれる稀有なひと時を与えてくれた
「船に乗れ!」や「のだめカンタービレ」以来だった
そのような音楽評論の創始者が、そういえばシューマンだった
ミステリーとしてというより(この結末はすごく好きだけど)、音楽小説として断然評価したい