紙の本
終盤が・・・?
2019/02/26 20:40
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投稿者:まなぽん - この投稿者のレビュー一覧を見る
前半はストーリーの展開に興味が持てるのですが、後半というか、終盤になると、他の浅田作品にも登場する李春雲(リイチュンユン)が現れて、すべての謎解きをするようで、・・・。終盤になると、この話どこかで読んだことがあるような・・・という気分になり、興ざめでした。
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「蒼穹の昴」シリーズ第4部
井上ひさしの「一週間」につづけて読んだ。
時代的には「マンチュリアン・リポート」、第二次世界大戦、「一週間」の順に並ぶが、近い時代、近い場所の出来事を描いていて、「満州」や「関東軍」「清朝最後の皇帝 宣統帝(愛新覚羅 溥儀)」などがどちらにも現れている。
また、出来事の中心にいた人々へのインタビューにより、そのときの出来事を露わにしてゆくところも同じ。
でも、その視点は、かなり異なっていて、「一週間」は庶民の目というか、背景に何の権力の保証もない人を中心に据えて、周りからその時代を描いているが、「マンチュリアン・リポート」は、取材するための権力を背景に持っていて、正面からその時代を描き出している。その対比が面白い。
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巻末に地図と路線図があることに気づかず、位置関係を理解しないまま読み進めてしまったことを後悔。漢字の読みを含めなかなか難しい内容だったが、ストーリーとしてはおもしろい内容だった。
やっぱり浅田次郎さんの作品は大好きだ
2024.03.21.再読了
前回は蒼穹の昴シリーズのスピンオフ作品とは知らずに単作として読破してしまった。
上記の感想はその時のもの。星5ツは今回の再読後の評価。
蒼穹の昴シリーズ、天子蒙塵を読書中、マンチュリアンリポートが張作霖爆殺事件の真相を描いたスピンオフ作品であることを知り再購入。天子蒙塵を読了後再読。
前回はトンチンカンな感想を書いているが、今回は10倍楽しんで読了。本当に素晴らしい。
全読書好きの皆さんに必ず読んでいただきたい逸品(ぜひシリーズで)。
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「蒼穹の昴」「珍妃の井戸」「中原の虹」に続くシリーズ第四作。単独でもいちおう読めるとは思うけれど、しかしやはり前作までを読んだ読者向けだという気はする。
過去作の主要登場人物たちのその後を追いかける都合から、構成として若干のぎこちなさを感じた箇所もあったけれど(冒頭のハッタリの壮大さから導かれる予感に反して主人公がだんだん脇役になっていったあたりなど)、それはさておき、前作までのファンとしてはやはり非常に感慨深いものがあった。
歴史ロマンと情。大げさかもしれない、ベタかもしれない。だがそこがいい。白虎張(張作霖)の死に様には思わず目頭が熱くなった……。
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『蒼穹の昴』より続く中国歴史シリーズ第4作目。
未だ歴史上謎の多い事件とされている張作霖爆殺事件の真相について、調査を命じられた志津の報告書と事件で爆破された蒸気機関車の独白によってミステリのように物語は進む。このシリーズならではの解釈で事件の本質を突く。もちろん完結したミステリとしても楽しめそうだが、やはりシリーズを順に読んでくると「なぜ張作霖は殺されたのか?」という謎に対する答えがしっくりくる。このシリーズを通しての命題、次作は張学良を主人公して綴られるのかと楽しみ。
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「蒼穹の昴」からの一連のシリーズ。
張作霖爆殺事件(満州某重大事件)にまつわるお話。
しかし、あの「お手紙」はちょっと・・・何だかなぁ・・・。
いくら儀礼やらなんやら省略!っていってもコレはないだろう。たぶん。
相手が相手なんだから。
英国公爵さん(鋼鉄)の独白は良かった。コレは好きだ。
張作霖は、相変わらず好漢であった。
その他、懐かしい方々の登場もありました。
北京市内観光案内のような文章が多いような気がするのは、作者の思い入れの強さのためか。
さて、続編はあるのかな?
さすがに終了かな。
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時代背景がわからず、チンプンカンプンだった。
もっと歴史勉強しとけば良かった。中国史は、殷、周。日本史は明治維新で止まっちゃてるし・・・
あぁ勉強不足。
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近大中国シリーズの4作目。
史実ベースの小説だが、謎の多い張作霖爆殺事件について、浅田流のひねり方・見せ方が爽快。5作目は学良か。
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シリーズ第4作である。昭和天皇からの密命を受けて、張作霖爆破事件を調査し、それに対する報告書という形をとっている。また、一方で張作霖を載せた機関車を擬人化して事件の様子を語らせるといった非常に凝った形式をとっている。
考えてみれば、未だに謎のままになっている現在の歴史の一場面を作者の自由な解釈のままに小説にしており、歴史の重みを感じさせる大作となっている。
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中原の虹の続編だからすごく期待してたのに。張作霖は「少年の夢」を追いかけてた、ってオチはないでしょ〜 。アイアンデュ-クの独白も私的には失敗だと思う。続編に期待してます。
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蒼穹の昴から続くシリーズ第4作。張作霖暗殺の謎を探るという内容だが、今回も春児を始め、懐かしい人物が登場する。これまで同様、特定の人物をかなり美化して描いているところが気になるといえば気になるが、史実に取材しているとはいえば、あくまで物語として読むべきだろう。
本作は、特に鉄道好きにはお勧めだと思う。理由を書くとネタバレになるので控えるが、ヒントとしては、張作霖の「死に様」とだけ書いておく。
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蒼穹の昴シリーズ第四弾。
張作霖爆殺事件の解明を浅田次郎の視点で繰り広げられる。
事実解明の勅命を受けた志津が、現地から報告するレポートと、西太后の御用列車の語りを交互に繰り返す変わった手法でまとめられていて、非常に興味深い。
あの春児ももう54歳。
随分と時間が経ってしまったが、それぞれが熱い想いを変わらず持ち続け、世界の真ん中に咲く大輪の華としての、中華を大事に大事にしていこうという考えと、あの事件を起こした関東軍が 日本人としての誇りを、 大和魂を失わせたと言う吉永中佐の言葉を通じ、昨今の日中関係に対する危惧を浅田ワールドの中で強いメッセージとして伝えてくれる作品でした。
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日本人として知らなくてはいけないことがある。他国の教育内容を悪く言う前に、自国の過去をちゃんと知ろう!それが学校教育で無理ならば、親が教えなくてはならないことだ。と感じさせられる本でした。
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結末のわかっているお話を読むのは辛い…けれど、前作で、引っ張って引っ張って、ここで終わりかー!と欲求不満がたまったので、これを読みたかった、という思いで読みました。一つ一つの章がそれぞれ、一編の短編小説のようだったり…、最後に懐かしいあの人が現れたり。シリーズ完結の折には、最初からじっくり再読したいものです。
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書店に平積みされていた、浅田次郎の文庫新刊。
手にとって見ると、待ちかねていた「近代中国シリーズ」の続編だったので、さっそく読んでみることにしました。
舞台は昭和4年。
ある事件を起こし刑務所に服役している軍人が、深夜に突然、監房から連れ出されます。
引き出された先で申し渡されたのが、「満州の重大事件に関して調査せよ」という命令。
その密命を帯びた軍人が満州からレポートを報告する、という形で、物語が展開していきます。
その”重大事件”というのが、昭和3年に起こった、「張作霖を乗せた列車が爆破された」という事件。
この小説は「昭和史最大のミステリー」と呼ばれるこの事件を、その1年後の追跡調査という設定で追った内容になっています。
後年にも大きな影響を与えた事件ということで、これまでも多くの著作が書かれているようですね。
僕は、「張作霖の乗った列車が関東軍によって爆破された」という表面上の知識しか持ち合わせていなかったので、その背景に、中国国内の政治情勢、そしてその中国という国の領土を狙う日本そして欧米各国の思惑がからんでいたということを、この小説を読んではじめて認識しました。
そしてこのシリーズ通じての”浅田史観”も盛り込まれていて、小説としてももちろん、味わいのある内容になっています。
単独でも読めるとは思いますがやはり、これまでのシリーズを読んだ上でとりかかるほうが、歴史の流れが体感できて良いでしょうね。
これまでの登場人物たちの「その後」なども伺えて、浅田ファンにはたまらない、一冊です。
続編もありそうな終わり方だったので、期待して待ちたいと思います。