投稿元:
レビューを見る
1983(昭和58)年発行、2012(平成24)年改版、新潮社の新潮文庫。32編。既読。『やつら』他の星の地獄に選ばれてしまった地球。鬼の役目をしなければならないとは。『買収に応じます』買収に応じる悪魔。そのお金はなんということか。『ベターハーフ』動物との愛情を交わす未来というい発想はおもしろいが平凡だと思ったら、コンピュータとまで愛情を交わすとは。そのコンピュータが考えることもまた面白い。
収録作:『全快』、『町人たち』、『使者』、『重要な任務』、『森の家』、『ことのおこり』、『再現』、『しあわせな王女』、『ホンを求めて』、『街』、『因果』、『小鬼』、『過渡期の混乱』、『しあわせなやつ』、『顔』、『目撃者』、『コーポレーション・ランド』、『判定』、『末路』、『ベターハーフ』、『小さな記事』、『みつけたもの』、『出口』、『名画の価値』、『三段式』、『かたきうち』、『骨』、『すてきなかたねえ』、『一軒の家』、『買収に応じます』、『発火点』、『やつら』、解説:「解説」和田誠、
1972(昭和47)年新潮社より刊行されたもの。解説は、1983(昭和58)年7月、和田誠の肩書はイラストレーター。
投稿元:
レビューを見る
今回は、2ページほどのショートショートから10ページ以上のちょっと長めのショートショートまで、32編載っています。
特に印象に残ったのは、「ことのおこり」。ある有名な歴史人物について、なぜあのようなことをしたのか、事の発端が書かれています。もちろん創作ですが、もしこのエピソードが本当だったら、恐ろしいことです…。
また、「ホンを求めて」は映像や電子機器の普及で、本がなくなっていくことを予知し、警鐘を鳴らしているようにも思え、本の大切さを感じました。
投稿元:
レビューを見る
「そろそろご用意ください。わたしは死神です。お迎えにまいりました」
こういわれて飛びあがる。ぞっとする感じ。夜中に音もなく不意にあらわれたこいつ。どうやら本物の死神らしい。
「買収に応じます」の冒頭。相手が死神だと納得するまでの早さがいかにも星新一的。