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チェック項目7箇所。明るい未来が必ず来ると信じて、今こそ行動しなければなりません、国民全員が同じ価値観を共有し、同じ方向に協働して進んでいかなければならないのです、そういう時期なのです。誰も、寝たきりでもいいから長生きしたいなどとは考えてはいません、しかし、これまでの医療では、いかに病気を治し、寿命を延ばすかに焦点が当てられてきました。75~84歳(後期高齢者突入時)で介護保険適用率20%です、元気な高齢者のほうが圧倒的に多いのが実態なのです、一般的なイメージとは大きく異なるのではないでしょうか。従来からの高齢になったら引退するといった考えを捨て、高齢者であっても、できる限りいつまでも就労して、地域に貢献するという考え方が当たり前になるようにしていくことも非常に大切になってくるのです。年老いても最後まで生きがいをもち、人生をエンジョイできるようにするためには、何が必要になるのでしょうか、ひとつは「生きる目的があること」、もうひとつは「身体が衰えてもQOL(生活の質)を維持できること」であると私たちは考えました。理想の社会は、心身機能が低下しても、その人が求めるQOLが保たれていて、いくつになっても、どのような状態であっても、安心で希望がもて、快適で豊かな暮らしが可能となっていることです。課題を解決して、高齢者が利用しやすく、また100%安心できる環境を整備していくことこそ、生活サービスやサポートを享受しやすい地域社会の構築につながります。
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【読書その23】東京大学ジェントロジー・コンソーシアムによる2030年の超高齢社会への提言。産学連携で45社もの民間会社の参加を得た活動。東大の活動は、千葉県柏市の四季台団地での取組など、様々な先駆的な取組がある。本書は重要な論点をほとんどカバーしており、その提言内容もかなり具体的なものも多く、非常に示唆に富む。
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仕事で20年後のまちづくりビジョンを考えているので、参考として読んだ東大の英知が詰まった1冊である。少子高齢化が言われて久しいが、我々行政マンはこのことをもっと真剣に考え、今からしっかりと対策を打っていかないと大変なことになると思う。そういう観点からは、参考になった。が…。基本的には高齢者世帯のQOLの向上に力点が置かれており、そこの理想は高く、様々な提言がされているが、残念ながら財源の明示がない。この本に書かれていることを全て実行するには、生産人口の減少、その原因たる少子化、この辺りを当然改善していかねばならない。そしてそれはとても一筋縄ではいかないのである。序章に「日本の未来を明るくするために」とあるのだが、とてもそんな気分にはなれなかったのである。
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目次からそのキーワードがわかる。
文字も大きく、見た目がすっきりとしていて読みやすく、さらっと読める。
読みやすい分、残りにくく感じるが、
それは平素にわかりやすく書かれているからであろう。
高齢者が高齢化している日本に何が必要なのか?という視点はごもっともで、
こうして提言しているところはなるほどその通りであるし、そうなのだと思うのであるが、
では、それはいつの誰のモノかというと、近視眼的な印象がある。(というのは、勢いつきすぎているかもしれない。)
今できることで未来の社会につなげていくということになるだろうし、
今できることだからこそ、具体的に変化していくコトにつながるのだろう。
しかしながら、言いっぷりが他人事で、(アカデミック調だからであるが)
では、鬼気迫る自分事として、今ここで行動を起こすかと言えば、
中途半端に規模が大きすぎで、日々の暮らしごとサイズで迫ってこないので、手が出ないと感じる。
サイズ感的には、公的機関に向かっているのであろうが、
生活者の何が変わるのかと言えば、ピンと来ていない現実がある。
難しいものである。
ということで、
自分が自身の暮らしでできることとは何か?というサイズ感に落とすことをする必要がある。
そして、ふと思うのであるが、
そのためにも、おじいちゃん、おばあちゃんの目線を感じる環境、
3世代家族や教育現場での関わりなど、地味であるが、着実に日々の暮らしの中で、
誰もがおじいちゃん・おばあちゃんになるということを認識し、
それがどのようなことなのかを自覚する時間を増やすことが大事であるように思う。
人の外に高齢未来をつくるだけではなく、ヒトの内につくることを考える必要があるように思うのである。
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団塊世代の全体が高齢者になり、日本が「高齢化」社会から「高齢」社会へと移行することになる2030年に向け、現在の社会構造がそれに対していかに無防備であるかということについて、インフラのシステムや社会保障制度など、様々な視点から指摘され、それらに対するソリューションの数々が、各問題別に2015年、2020年、そして2030年時点でどうあるべきかというロードマップとして示されている。もちろんあくまでも「〜あるべき」の理想象ではあるけれど、問題意識を持つための指針としてはとても有益に感じた。