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大規模な金融犯罪の話から、個人的な送金の話まで、
色んな種類のお金の動き、それに関わる銀行の役割を色んな例で。
最終的には、 個人の「多国籍化」「無国籍化」をグローバル資本主義の終着点 としている。
あとがきより。
「いつの時代でも、理想や正義を声高に語る人の後についていくとろくなことはない。この本を書いたのは、たとえば、そんな単純な真理である」
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マネーロンダリング入門といっても、別にマネーロンダリングの指南書というわけではない。要は、現金という実態のあるはずのお金が、いかにして数字と化し、その数字が世の中を巡るか、というお話だ。
国際的なお金の話であるため、銀行や海外送金の仕組みなども説明される。これを読んだ当時は、ちょうど経理関係の仕事に関わっていたため、コレスポンデント口座の説明などはとても参考になった。
カシオ詐欺事件、ライブドア事件、五菱会事件など、現実にあった事例を引き合いに出して、金融の仕組みを説明してくれる。
この様な仕組みが考えだされるということは、それを必要とする人々がいるということだ。どうして必要な人々がいるのか、その答えが世界の何かにつながっているのだろう。
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数年前に読んで以来の再読。本屋で見つけてまた読みたくなったので。
前回読んだ時も感じたけど、著者が言うように確かに「複雑な」金融取引ではないのかもしれないが、やはりお金の流れを追っていくのは大変で、挫折してしまう。まあ税務当局や検察でもない限り、ちゃんと理解する必要は全くないのだろうけど。
ただ、日本のプライベートバンクは大したことないとか、偽札作りは割に合わないとか、おもしろいエピソードが多くて、読んでいて楽しかった。
個人的にはオフショアに法人を設立し日本に子会社を作って法人名義の預金口座を持ってみたいな、って感じた。そんなの作っても使い道ないんだけど。。。
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新書なので淡々と書かれていますが、マネーロンダリングという一般人に取って雲をつかむような話題をぐっと身近に引き寄せてくれる一冊です。
特にバチカンのローマ法王の怪死のエピソードだったり、アフリカの虐殺の話など、現在の社会問題やら宗教問題、もちろんアルカイダの話も含めて現代史の複雑怪奇な部分までこの本からかなり読み取ることができてしまうという意味では珠玉の一冊。
途中のタックスヘイブンの使い方だったり、複雑な金融スキームを解説しているところは専門的な知識がないと挫けそうになってしまいますが、悪いことをやる人は儲かるんだな、ということと、簡単な儲け話なんてそうそうない、って言うことは端的にわかります(笑)
金融業界に関わる人には改めて読んで欲しい一冊ですね。
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留学生の送金と、最近アフリカで増えている携帯電話を使った送金について調べていたのだけど、「それってマネーロンダリングになってしまわないの?」と思ったので、そもそもマネーロンダリングってなに? というので読んでみた。
面白い世界だし、この作者さんの書くものは分かりやすいので、もうちょっと読んでみようかと思う。
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無知だからおどろおどろしく感じるけど、なんかテクニック先行という気がする。マネロンやっている人も、半分は趣味なんだろうな。
もしコンピュータウイルスやクラッキングの話を、情報工学についてなにも知らずに読んだら、こんな感じのおどろおどろしい世界に感じると思う。
しかし、底が割れてしまうと、あれは胡散臭いマージナルな連中がしょぼい犯罪を、手段と目的を転倒させながらやっているもので、マネロンも、国際金融全体の世界からすると、そんなふうになるんだろうと思う。
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具体的な事例をもとにした話が中心なので、取っ付きやすく、マネーロンダリングがどういったものかという雰囲気が良く分かる。
ただ、個別の話に終始していて、マネーロンダリングとは何ぞやという知りたかったところがあまり書いてない。
本書の情報からマネーロンダリングの本質を自分なりにに斟酌すると、多少脱法的な行為が混じっていても外形的には立派な金融取引に違いないということ。そして、その違法性は犯罪に関わる金銭を取り扱うことからきているということだ。
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本書は、こんなあなたの役に立ちます。
・マネーロンダリングしようと考えている人。⇒マネロンは犯罪です。
・脱税に思いをめぐらせている人。⇒納税は国民の義務です。
・金融詐欺で一獲千金を夢見ている人。⇒刑務所が待っているかも。
・会社の裏金づくりに携わっている人。⇒粉飾決算は違法です。
・ヤクザ・裏社会方面の皆さま。⇒悪用厳禁。
マネーロンダリング(資金洗浄)とは、テロ資金や麻薬・武器密売・人身売買などの犯罪で得た収益を、海外の複数の金融機関を使って隠匿する行為をいう。
本書ではカシオ詐欺事件、五菱会事件、ライブドア事件などの具体的な事例をもとに、初心者にもマネロンの現場が体験できるよう案内した。専門知識はなにひとつ必要ない。
グローバル化、大衆化したマネロンによって、いまや世界の仕組みが変わりつつあることを知るだろう。
私は、マネーロンダリングをしたことはないし、これからしようとも思いません。
ただ、どのようなスキームで資金が流れてマネーロンダリングをしているのか、仕組みについては興味がありました。そういう意味では、勉強になった一冊でした。
マネーロンダリングに興味がある方は、ぜひどうぞ。
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これより先も脱税したくなるほど莫大な資産を有することはなさそう。個人的には縁遠いテーマであるも、昨今は新聞を読んでいても訳のわからぬ仕組みや専門用語が頻発しますし、何かと理解できぬ事象ばかり。多少なりとも助けになればと本書をひもといてみる。
アメリカによる北朝鮮に対する金融制裁の仕組み、ライブドアの粉飾決算の手法、テロ資金の流れ、グローバル化の行方などなど、なるほど、かなりスッキリしてきたわ。面白し。
今時の国際ミステリーを楽しむにあたっても必読の書と言えますな。
(2007年時記)
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読了2回目。生きた経済学を読んだ気になる。最近良く記事を目にするビットコインについて著者の見解を読んでみたい。
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いや~とにかく面白かった。
海外に投資をしようと思ってから
とたんにグローバルな金融の実情が自分の視野に入って来るようになってきた。
以前は「法の目をくぐり抜けるってどういう事ですか?」
「くぐり抜けられない法律を作ればいいじゃないですか。」
と、単純に思っていたのだが
現実はそんなに単純ではないことが、だんだん分かってきた。
なぜ、法の目をくぐり抜けられてしまうのか。
それは世界の主権国家がそれぞれ法律を作っているからである。
世界の国家の数は190以上。
世界の通貨の種類は100以上もある。
一国の法律と通貨でも、税金を計算するのには税理士が必要なのだ。
二ヶ国間、三ヶ国の取引と複雑性を増していけば
どこかで必ず「法律では規定していない取引」ができてしまう。
金融とは、その本質においてグローバルなものである。
そこに無理矢理国境という線を引こうとしたところに、制度の綻びの原因がある。
なので、制度と通貨が世界共通になることが
法の目を張り巡らすための必要条件であるが
世界政府と世界通貨などというのは、いまのところ夢のまた夢である。
だが、グローバル経済は、制度の矛盾などいっさい気にかけずに猛烈な勢いで世界を駆け巡り
一般人までもがその流れに追随するようになってきた。
経済のグローバル化のなかでマネーが国境を超えて移動し、次いで企業が多国籍化した。
そしていま、個人の国籍離脱が始まっている。
マネーロンダリングはたんなる金融の世界にとどまらず
こうした世界史的な変化の中でとらえる必要がある。
個人の「多国籍化」「無国籍化」こそが、グローバル資本主義の終着点なのだ。
本書では、これを道徳的な善悪の問題として議論しない。
私たちは、こんな世界に生きている。
なんか怖いね。
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http://www.gentosha.co.jp/search/book.php?ID=300274
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どうやってマネーロンダリングをしてきたか、という過去の話がいろいろ載っており、ほほぉ、そういうこともあったのか。と読み物として、楽しめた。決して、指南書ではありません。まあ、あの手この手で法の目をかいくぐり、金持ちは納税を避けようとしているというのはよく分かりましたが、現状、縁のない世界です。
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内容・構成がとてもわかりにくい。
読みやすさを考えて書かれてない本だと思います。
マネロン対策をどうすればいいのかという論点も書かれていないので、そうゆう意味でこの本を読みたい人には役には立たないかと。
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非常に面白いしタメになる。カシオ詐欺、ライブドアとかの事件を資金移動の観点から小説チックに解説してくれる。
バチカン銀行、BCCIの話は知らなかった。理念と実態は乖離するのだな、と。考えれば考えるほど、金の流れの善悪を区分するのは難しい。
この本を読んで、ビットコインの強力さがよく分かった。
あとがきの最後の段落が最も象徴的で腑に落ちた。備忘のためそのまま転載する。
「いつの時代でも、理想や正義を声高に語る人の後をついていくとろくなことはない。この本に書いたのは、たとえば、そんな単純な真理である。」
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普通に生活し、金持ちではないが普通の生活を送っている自分にはあまり関係ないかと思いながら読み進めたが、あとがきを読んでハッとさせられた。
結局のところ一国の租税制度は部分最適でしかなく、しわ寄せは中流層に来る。
中流層に果たして身を守る術はあるのか。あるとすれば、よく税金について学び、積極的に政治に関与していくことだろうか?