紙の本
海外に金融資産を移すことの意味
2006/12/16 17:06
22人中、15人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:塩津計 - この投稿者のレビュー一覧を見る
私は橘玲さんとは長い付き合いである。つきあいと言っても個人的にあったりしたことはない。ただ同氏がやっている「海外投資を楽しむ会」http://www.alt-invest.com/の掲示板に私が一方的に書き込みを行なっていただけなのだが。当時はバブル崩壊後の真っ暗な時期で、しかも証券不祥事が続発し日本の株式が低迷する一方、クリントン政権下でアメリカのIT関連株がウソみたいに上がっていた時期だった。この掲示板には「日本株投資をするヤツは馬鹿で野村證券の餌食になるだけ」「目端の利くやつは海外に口座を開きナスダックやNYSEで資産を倍倍ゲームで増やします」みたいなことを書き込む奴らばっかり集う低レベルの掲示板だった。そこで私は猛然と反論を開始した。「優良株が低価でごろごろしている日本株こそ絶好の広い場。日本株は必ず復活する」「巨額の経常黒字を出し続ける日本の通貨=円は必ず上がる。いくらドル資産を増やしても、為替でみんな持っていかれては元も子もない」「米国株は相当な高値。暴落する可能性が高い」...私の書き込みは板の趣旨を真っ向から否定するものであったこともあるが、しばらくすると私は荒らし扱いされ掲示板は閉鎖されてしまった。そして米国株は急落し円高が進み日本株は暴騰した。私の資産は当時の軽く4倍になったが、はてさて「目端の利いた連中の海外投資の成果」は如何なるものになっているのやら。んで、本書である。要するに本書で言うところのマネーロンダリングとは日本国内から円資産を海外に「合法的」「非合法的」に移すことなんだが、その狙いは大別して2つのようだ。1つは事業を行なっている人が売上を除外して過少申告をし、脱税して得た現金を海外に移すこと(これは紛れもない犯罪であり、捜査の対象である)。もう1つは相続税対策の為に日本国内にある資産を海外に移し、日本の税務当局の手の及ばないようにして税を逃れること(こっちは必ずしも犯罪ではない)。前者はサラリーマンには使えないが、後者はサラリーマンでも十分使える。特に狙い目は海外駐在となり会社の負担で合法的に「非居住者」となったときだ。日本では相続税は「もらったもの」が払うが、米国では「与える側」が払う。だから日本国内から米国内に住んでいる人(ただし5年以上の勤労者)に贈与がなされると完全に合法的に資産を親から子に渡すことが出来、なおかつその後米国から帰国しても、もはや親からもらった財産に対し日本の当局はなんら課税できないという点である。これは使えそうだ。同じようなケースはシンガポールやオーストラリアに駐在になった場合にも使えそうである。「共産主義思想に凝り固まった平等真理教信者」達は「格差社会は悪」の大合唱をはじめ、資産課税の強化を行なおうとしている。しかし上に政策あれば下に対策ありで、今後わたくしも含めた金持ち達は、このあたり国境を越えた税務対策について今後かなり研究をはじめるのではないか。そんな予感がする。いくら「金持ち」から財産を奪おうとしても無駄である。そこらへんのATMから海外に送金は幾らでも出来る時代なのだ。ざまあみやがれ。
投稿元:
レビューを見る
実際にあった事件を引きながらマネーロンダリングのテクニックを紹介していて入門者でも分かりやすかった。コルレス銀行・口座の仕組みや北朝鮮のドル偽造があまり経済効果としては高くないという話、バチカンの極右組織とのつながりと不正、誰にでもできる‘マネロン’など面白い話題もまとまっている。知らなくて一番意外だったのがアメリカ連邦政府が相続税率を2010年までに順次引き下げながら相続財産への課税を全廃する方向で検討していて、調べたら遺産に係る基礎控除額の限度も2010年まで数年ごとに結構ダイナミックに上げているということ。有名な話だったのかな。そうスムーズには行かないみたいだけれど。http://wikilegaljournal.wiki.com/Night_of_the_Living_Dead
投稿元:
レビューを見る
金融的視点から社会の事件などを見ると、いつも耳にしている話とはちょっと違った解釈をすることができる、という発見が新鮮。つうことで、例により著者買い。
投稿元:
レビューを見る
国際分散投資にはたくさんのリスクがある
。金融詐欺、粉飾決算・・・巨額の資金を稼ぐには不正がついて回り、その資金の洗浄はセットでついてくる。
投稿元:
レビューを見る
マネーロンダリングを実例を元に解説したのち、今後の流れを解説。
話が難しく詳しい方でないと理解できないでしょうが、
分かる部分だけ拾っても十分面白い。
投稿元:
レビューを見る
CASIO詐欺事件、ライブドア事件等の具体例を用いてマネーロンダリングについて教えてくれます。
正直、一章〜三章は私には理解することいと難し(笑)これは私の頭が悪いからであって、著者の責任ではないのですが、自分が楽しめなかったということで★3つとしました。
でも、第四章、五章は興味深く読めました。一番衝撃的だったのは第五章で挙げられていた、『税金逃れのために日本国籍を捨てる人もいる』とうい話。はぁ〜びっくり。でも確かに、これから一生困ることのないくらい潤沢な財産があるなら、税金の心配しなくいい国に行っても別になんの問題もないよな〜。
そんな金満家たちは医療保険も、年金もまったく必要ないんだろうし。そうなったら日本国籍にこだわる理由はほとんどないもんねぇ・・・。それにしても、人間お金のためなら国籍さえも捨てられる時代になったんだな〜としみじみ実感。
あぁ〜この本絶対おもしろいのに、根性なくて読みこなせなかったのが残念。また力を蓄えてから再読します。
投稿元:
レビューを見る
グローバル化がいやおうなしに進行していて、マネーロンダリングも大衆化していることが良くわかる。
いろんな手法が実例を交えて紹介されているのを読むと、それらの高度かつ複雑な手法に感嘆さえ覚えてしまう。。。
投稿元:
レビューを見る
一時よく聞いた言葉だが、何なんだろう??と思い読んでみました。なるほど、知識があると欲がでるものなのか。経済に疎い私でも、なかなか楽しめました。ぜひ、将来のために一読あれ (笑)
投稿元:
レビューを見る
百鬼夜行な国際金融の世界が描かれており、とても刺激的。1億ドルが消え去ったカシオ事件をはじめとした実例など、最近起こった金融犯罪を事例を元に国際金融の暗部が紹介されている。前半で紹介されている最近の事例に対して後半のやや古い事例は参考文献からのまとめ的な内容でちょっと残念ではあるものの、プライベートバンクの虚実もストレートに書かれていてとてもタメになります。
投稿元:
レビューを見る
(2007/11/28読了)
いやいや、こんな世界があるのね!(目から鱗)という感じ。お金持ちって世界にはたくさんいるのーねー。大金が毎日世界中を動いているのーねー。大変興味深い世界でした。安月給の庶民には関係ない世界というか(笑)
投稿元:
レビューを見る
マネーロンダリング(資金洗浄)について簡素に解説した本。
小説ちっくに書いてある1章や、冗長な解説がやや多い。
面白かったのは、
アメリカが北朝鮮を金融制裁するためにバンコ・デルタ・アジアとアメリカとの金融取引を禁じた事に関する説明。
なぜ、アメリカ嫌いの中国が何も言わないのかと思っていたが、その理由が分かった。金融の仕組みをあまり知らなかったのでそのキッカケとしてはよかった。
国家間の金融取引というものを知ることで金融ビジネスの理解が深まるかもしれない。
投稿元:
レビューを見る
多分、ほとんど著書は読んでいる橘玲さんの本です。
損をすると言っても実際にデメリットを得るというより
機会損失的にデメリットを得るというものかもしれない。
もっと良い方法があってそれをやらないのは十分デメリット。
中身は実際にマネーロンダリングの仕方について
方法?、方法?のように書いてあるわけではなくて
前半はここで書いたマネーロンダリングの事件を詳しく解説している本で
中身は大分被っていて、むしろこっちの方が中身としては詳しく書かれています。
ちょっと興味深かったのがテロマネーがどのように動いているか
特にビンラディンがテロ活動家としてだけでなく
アンダーグラウンドのマネーロンダリングシステムの歪みを
利用してテロのお金を調達していたプロセスが記載されていました。
もちろん、マネーロンダリングというか合法な節税の仕方も書いてあって
例えば、相続税は被相続人が5年以上国外に居住していれば
免除される形式となっていて、仕事によっては意外に難しくないとか。
ちなみに、相続税は生きている間に固定資産税などの財産についての
税をとられているにも関わらず、それを引き渡すときにまで
税をかけるのは正当性があるのか議論になっているようです。
実際にスエーデン、イタリア、オーストラリア、カナダといったOECD諸国
では相続税は廃止されているようですし、アメリカでも議論
に挙がっているようです。
税金の正当性なんてあまり考えた事なかったので良いチャンス。
今度なんか本でも読んでみよう。
特ダネの小倉さん曰く税金は「取られる」ものでいはなく「納める」もの
らしいですが、どうもリバタリアンな自分としては「取られる」感覚が強いように
思われます。
ところで、この前部室で話していたのが引越しをするときに起こる
デメリット(めんどくささ、人間関係、職場)などを
一切無視したときに実際に引越しするかどうか
つまり引越しをしたときにメリット=デメリットのときに
引越しをするかどうかという事だったのですが
結局、自分も含めて多くの人が引越しをしないという結論に至りました。
理由は無い。特に無いんです。
右はなぜ右なのかと同じくらい理由はないんです。
ちなみに、自分は日本という国に将来固執して生きるつもりはなくて
もっと住みやすい国があったら移住するのも悪くないと考えています。
日本は良い国で母国としてすばらしいと思っているけれど
別に一生住まなくても良い。
投稿元:
レビューを見る
とても分かりやすく読み応えがある本でした。
まさにゴルゴ13の世界!
「マネーロンダリング 実践」
でないかなぁ
まぁたくさんお金を持っていてそれをどうしようっていう人がすることだから関係ないけど
投稿元:
レビューを見る
担当:Hirakawa
対象レベル:中級
内容:
第1章 世にも奇妙な金融犯罪(発端計画 ほか)
第2章 プライベートバンクの憂鬱(プライベートバンクとは何か 香港マネーロンダリング事件 ほか)
第3章 北朝鮮はなぜ核兵器が必要なのか(ドルを支配する者 マネーロンダリングへの入口 ほか)
第4章 世界でいちばん短いマネロンの歴史(神の銀行家 犯罪銀行 ほか)
第5章 誰でもできるマネロン(ハンドキャリーと地下銀行 国際租税回避 ほか)
グローバルなお金の流れを通して、企業のグローバル化、個人のグローバル化をとても意識させられる内容です。
国際金融においてどのように経済犯罪が行われたか実例を詳細に調べわかりやすく解説してくれています。
最も儲かると言われ秘密のベールに包まれているPBの現状などについても十分な言及があるため国際的な取引を行っている金融機関の業務・役割を違った側面で理解できるでしょう。
私は「自分の資産を守る技術」というのはこれからとても重要になってくると思います。
もし私に共感できるのであれば合法的な租税回避法を学ぶ第一歩として本書の一読をお勧めします。
投稿元:
レビューを見る
この本の後半が相当いいです。BCCI(イスラム発の国際銀行)やバチカン銀行などのマネロンについてが丸分かりです。