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人は何かしら、どこかしら、変な部分を必ず持っていて
だから、変とかじゃなくて、きっとそこが個性なんだろうけど
他とは違う何かを持っていて、
逆に、欠落した部分もあって
そういう人間たちが寄り集まることで
なんだか不思議で楽しい空気が生まれるのかもしれない。
長嶋有の作品はこれまで2,3冊しか読んだことないけど
今までで一番、読んでいてしっくりきた。
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小説に流れるゆるりとした雰囲気が好き。
あとで「あぁこれのことだったんだ」とわかるヒントが好き。
店長や、瑞恵さんや、夕子ちゃんや、個性的で魅力的な登場人物が好き。
おすすめです。
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第1回大江健三郎賞受賞作待望の文庫化!という帯につられて購入。普通そうでちょっと不思議な登場人物たちの会話が、なんとなく心地よく楽しい。ものすごく大きな事件が起こるわけでもないけれど、いろいろなことが少しずつ進んで絡み合って、ラストに至る。読後なんだかほんわかする物語でした。
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フラココ屋で店番をする主人公と、
そこにあつまる色々な人たちとの関わりを描いたお話です。
つかみどころがなくて、ふわふわ~っとしている空気感の中で
妙にしっかりとした人物描写だったり
色鮮やかに浮かぶ風景だったり音だったり
なんかほんとに、一緒にフラココ屋で過ごした気分
ところどころクスッと笑えるとことか好き。
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こういうオムニバス形式は好きな形態だ。
古道具中野商店と同じ、というか、
裏・古道具中野商店、か。
いや、どちらが裏でどちらが表か、は、
ちょっと決められないかもしれない。
コインの裏表である。
しかし、今読むと、貴闘力は、何とも言えない。
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なんだかほっとするんですよ。
何が始まったわけでも、何かが終わったわけでもない、でもなんだか非日常。
あと、帯の裏に小説があるっておもしろい。
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最近エッセー率が高かったからってのもあるけど、
最初ぜーんぜん読んでも入って来なくて(;^_^A
今回はダメかも。。。って思ってるうちに、
あの切ない感じがジワジワときました。
長嶋有さんの文章って、
そのときの体調とか心境にも左右されるなぁ。
べた凪の海って感じ?
今回も起こりそうで起こらない。
と思ったら意外なところで起こったり。
セリフとか間と状況とか・・・そのまぜこぜ具合が
ちょっとしたことをドラマチックに感じさせるというか。
私の何でもなさ過ぎる生活さえも物語に出来ちゃうような?!
そんな感じ。
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ここは盛り上がる所です。ここはどんでん返しのところです。感動するならここです。
そういう風に感情をあげたり下げられたりする元気がないときに、自由に読みたいと思って、手にするのは長嶋有だ。
ジェットコースターより観覧車にのりたい気分というか。
感動したい時にすればいいし、面白さは自分で見つけたければ見つければいいという文章だというふうに読んでいる。
作者の文章が一番抵抗なく読めるように思う。
抵抗がなく入ってくるものの尊さは常には意識していない。水や空気がそうなのと同じに。
でも脂っこい生活のなかで、気兼ねなく体に取り入れられるというありがたみを時々実感する、それはとっっっても気持ちがいい。
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長嶋有さんの書くお話・文章は、かなり好みなんですが……。
これは、時折おもしろくて、時折つまらない、という印象でした。
すべてにおいて「なんなのだ?」と思ってしまいました。
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眈々としていて、飄々としていて、それでいて描写がすごく丁寧で。とてもとても大好きな雰囲気を持った作品でした。読み終わるのが寂しかったほど。個人的大当りでした。
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小説というよりも、作家さんのエッセイに緩やかな話を付着した。
という印象を受けました。いわゆる、私小説ですかね。ゆるい感じの。
カタカナ言葉から何を連想するというやりとりは、とても愉快でした。
でも、同じ著者の次の作品を読むかどうかは、躊躇ってしまう部分がある。
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ひさしぶりに「小説」を読んだ気がする。
おもしろい、というより、心地良い。
安心した。
西洋アンティーク他、よろず取扱店「フラココ屋」の2階に居候兼バイトの「僕」と、店長と、買わないけど良く来る常連客と、大家さんと、その娘たちの話。
【第一回 大江健三郎賞】を取ったそうで。
この賞は、日本の小説を翻訳していろんな国の人たちに読んでもらおうという試みらしいので、これが選ばれて嬉しい。
「僕」という人が良い具合に距離感のある人で、
最後まで名前がわからないところ、色が無いところ、周りの音や空気に敏感なところがいい。
人が人である小説は、どんな事件性の高い小説より価値がある、と思う。
長嶋有、覚えとこう。
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気を紛らわそうと一番好きな本を文庫で読み返したら、夕子ちゃんが授かって結婚してた。そういえばそうだった!
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『瑞枝さんの原付』『夕子ちゃんの近道』の短篇的な良さが、連作になることで(たしかに少しずつ明らかになってゆくことの面白さもあるのだが)なんとなく見たくないものを見ちゃったなという気がして、
たとえば、男が店を出たとき瑞枝さんに見つかってしまったというエピソードなど、作家のこういったユーモアが(嫌いじゃないけれど)いちいち大きく膨らんでしまうとうか、輪郭が定まってしまうのが、意図することは成功しているのかもしれないがそれ以上にならない気もするのだった。そこがいいというのもあるんだけど。
にしても、微妙なところを書くのがうまいなあと思う。特にぼくは長嶋有の書く女性が好きだ。そして「」のやりとりも面白い。セリフに感情だけでなく背景的なものがみえかくれし、ときどきいじらしいほど軽く響いたりする。
ききすぎたところも、最近よんだ『祝福』ではその逆もあるが、わりかし好きな作家だと思っていて、エンターテイメントほど出過ぎたところはなく愉しく読めるので、肩の力をぬいてのんびりと読書できる純粋な面白さがある。
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第一回大江健三郎賞受賞作。
選評で大江健三郎は、≪窓の外では洗濯ばさみのたくさんついた、なんと呼ぶのか分からないが、靴下やパンツを干せるプラスチック製のものが物干し竿に揺れている。≫という一節を「正確な表現」とほめているのだけど、
それをたしか豊﨑由美が(『文学賞メッタ斬り』の中でだったか?)
いやほめどころそこじゃないだろ、みたいにツッコんでた気がする(記憶が曖昧)。
でも私もすきだな、こういう、無駄に正確な細部の描写。
それでいて混乱しないし。
大江健三郎が感嘆したのもいいじゃんって。
(私は豊崎由美もすきです)
技が巧みで心憎い職人、という感じがするなぁ、長嶋有は。