投稿元:
レビューを見る
『2001年宇宙の旅』。クラークの描く壮大な宇宙、それを距離と言う概念で物理的にとらえようとすることが馬鹿馬鹿しくなるほど広がる世界観が、『宇宙の旅』という表題の意味をもう一度考えてみるように促した。
疑問に思ったのだ。『宇宙の旅』は僕が読む前にそう思ったように「人間が広大な宇宙空間を彷徨い旅すること」ではなく、「『宇宙』が旅をしていること」という意味があるのではないかと。
人間の想像もつかないような何かが、人間たちを見守っている。宇宙に生れたものは外側に旅するのに対し、宇宙そのものは内側に旅をするのだ。心理学者のユングの言葉を思い出す。「生きることは何かを開拓してゆくことそのものである。しかし世界が探索しつくされた今、人間にのこる唯一の探索は精神への旅である(あやふや記憶)。」物理的な発見に限界を観た時、世界は内側へと向かう。そう考えると、今住んでいるこの世界が「何か」の一部ではないかと思い恐ろしくなる。
逆に、こうも考えられるか。僕の体を構成する原子には実は想像もつかないほど小さな小人が住んでいて、必死に自分たちの住んでいる星の事について考えているのではないかと。
投稿元:
レビューを見る
もう説明の必要が無いほどの名作!
本作+映画+失われた〜、全部見て欲しい!!
すべてを見て、読んで、何度も繰り返して欲しい。。
そんな作品!
投稿元:
レビューを見る
スタンリー・キューブリックの映画版は、もちろん観てます。何度も観てます。が、クラークの小説版は未読でした。ディテールに若干の違いがあるとはいえ、映画版とほぼ同じストーリー展開ですので、読んでも既視感が強くて面白くないんじゃないかな〜と思ってたんですが・・・すみませんorz クラークに激しく謝罪。脱帽し跪いて読むべし。
繰り返します、ストーリー展開は映画版とほとんど変わりません。なのに、ここまで読ませる!しかも、綺麗だけどよくわからん映像美や神秘主義嗜好に頼ることなく、れっきとした正真正銘の「ハードSF」として最後の一行まできっちりと纏め上げる!驚嘆すべき筆力と構成力です。クラークすげぇ。SF界大御所中の大御所ですが、改めて感服。
ここで念のため、鴨はキューブリックの映画版を否定しているわけではありません。あの美しくかつ実験的な映画版「2001年宇宙の旅」は、現実世界がとうに2001年を越えた今でも古びない、映画史上に燦然と輝く傑作だと思います。ただ、SFとしてどうなのか?と考えると、ちょっと違うんじゃないかな、と。映画版は、ナレーションも台詞も極力抑えられています。非常に静謐な作品です。それがあの映画の最大の特徴であり、独特の美学を確立するための不可欠なファクターでもあるのですが、あまりにも説明がなさ過ぎて、SFの最もSFらしいエッセンスであるところの"Sence of Wonder”に辿り着く前に「???」の状態で観客を放り出してしまっているんじゃないかと、鴨は思います。映画の方法論としては全然ありだと思いますし、その荒技をやっちゃったからこそ、時代を超えた傑作になり得たのだという気がしますけどね。でも、SFじゃないだろうと。
クラークの小説版は、その「???」な状態をクリアカットに解明しています。「そうか、映画のあのシーンはそういう意味だったんだ!」と納得するポイントが多々登場。しかも、謎が解けたらその先つまらないんじゃないの、と思いきや、謎がひとつひとつ解明されることによってその先のストーリーがどんどんと繋がり世界観がばんばん広がっていく、この爽快感。数多くの謎が、ある事件をきっかけに一気に旅の最終地・土星衛星群へと照準点を合わせ、その瞬間に全てのストーリーがしゅっと一本のライン上に整列する物語的ダイナミズム。SFとしてはもちろんのこと、サスペンスとしても超一級品です。端正で引き締まった訳文も素晴らしいですね。
また、この作品はSFとしてきっちり読ませる一方で、人間ひとりひとりの小ささや不安定さといったものも、要所要所で描かれています。月へ向かう宇宙船の中、眼下の地球で繰り広げられる政治情勢に想いを馳せるフロイト博士であったり、宇宙空間を流されて行くプール飛行士が(死んでいるはずなのに)自分に手を振っているようにみえて激しく恐怖するボーマン船長であったり・・・小さなエピソードではありますが、その積み重ねがこの作品をガチガチのハードSFではなく「人類の物語」としているような気がします。
あのあまりにも有名なラスト・シーンは、「オカルトじゃないか」と評する人も多いですが、鴨はSFとしてクラークが出した解答なのだと思っています。彼のもう一つの代表作「���年期の終わり」にも通ずる、人類進化への壮大なヴィジョン(それが良い結果になるか悪い結果になるかは別次元の問題として)を感じます。考えてみると、物語の大まかなプロットは「幼年期の終わり」とかなり共通してるんですよねぇこの作品。クラークの、というかSFの永遠のテーマですね。主人公は「人類そのもの」です。
投稿元:
レビューを見る
映画見たさに無理やり読んでしまったので、たぶんもったいない読み方をしている。
俺の宇宙で唯一意識を持つ存在を殺そうとしている、というような文章を覚えてる。ハル。とにかくハル。
投稿元:
レビューを見る
もしかしたら自分も人間も地球も宇宙も、本当はすべてを超越した誰かの幻想なのかもしれない……なんてことを考えてしまった。いやー、SFの名作はこんな面白いのか!
映画を見たら小説は読まない、原作を読んだら映画を観たくない私だが、この作品に限っては映画と小説セットで勧められるくらい、映画(映像)と小説(文学)がそれぞれの役割を見事に果たしている。
それにしても、HAL9000(人工知能)と乗組員のやりとりの部分はトラウマになりそう。人間より人間味のあるコンピュータってのも恐ろしいなあ。
投稿元:
レビューを見る
幻覚にも似た美しいイメージ。言葉が、読者をトランス状態にする。内容うんぬんより、音楽を聞いてるみたいに、言葉の流れに身をゆだねる。映画とは違い、自分のイメージの映像で、スターチャイルドになるまでの過程を追うので、このボーマンの進化が、自分自身の進化の過程のように思える。そういう快楽がある。映画とは違ったおもしろさがある。
投稿元:
レビューを見る
映画みて解らんかったから、本を読んでみた。
うん、よく解った。解りきってないと思うけど
特に宇宙人とはどんな存在か?
この問いに対するこの小説の答えは斬新でおもしろかった。
道具の使用から始まり、道具の使用により発展した人類。
道具の傑作であるHAL9000との決別。
道具とついぞ離れた人がいきつく姿は・・・?
なんてことを読みながら考えてた。
映画と違う部分もいっぱいあったけど、映画先にみたから
宇宙の映像とかうまく想像しながら文章読めたし、おもろかった。
投稿元:
レビューを見る
映画の補足として読んだけどやっぱり名作は名作だった。
HALの電源を切るシーンは文字になっていても悲しい。
投稿元:
レビューを見る
人の革新を描いた作品。
ゆとりなのかな…後半の宇宙描写を映像化するのが難しかった。映像作品として見たいと思う。個人的には機械が己が利益のために人に背くところが好きだった。人類の進化だけでなく、機械の進化も同時に見れた気がする。
ダーウィンの進化論が否定されて、人は宇宙人と猿の配合によってできたというゴシップがあるらしいけど実際宇宙人っているのだろうか。この作品はSFだが、私としてはホラーめいたものを感じた。
投稿元:
レビューを見る
映画よりもわかりやすかったような気がする。ただインパクトはやはりヴィジュアルのほうが上手かな。スターチャイルドがこのあと地球にとってどういう存在になっていくのかがとても気になる。いつか続編の2010や2067年も読んでみたいと思う。
投稿元:
レビューを見る
最近サイモンシンの「ビッグバン」を読んでから、急にSFものが読みたくなって10年ぶりぐらいに一気に読んだ。
やっぱり面白い。しかも、ストーリーの解釈が、これ一本と決め付けられないところをあれこれ自分で空想して、前半部分の伏線っぽいところを読み返したりするのが、また楽しい。
なによりテーマが壮大で、人間一人一人の日常というレベルなどではなく、人類の宇宙における位置づけという視点でのストーリーが、日々の雑多な日常生活に追われている自分に、すごい右脳的で感覚的な広がりを与えてくれる。
ハルの反乱も考えれば考えるほど、いろんなことを示唆してくれる。機械の人間に対する反乱なんて、それこそアトムのテーマにもなっているぐらい、ありふれたテーマだけれど、何度読んでも、この小説のハルは怖い。
いまとなっては古臭い部分もあるんだろうけれど、ザSFという匂いが溢れんばかりに匂い立つ本作、やっぱり一度は誰もが必ず読んでおきたい小説だと思う。
投稿元:
レビューを見る
宇宙船ディスカバリー号は、宇宙飛行士たちとコンピュータを載せて、土星を目指していた。高度な知能を備えたコンピュータ、HAL9000。宇宙飛行士たちの優秀な相棒であったはずのHALは、しかし突然、奇妙な行動をとりはじめる。なぜかれは反乱を起こしたのか。ディスカバリー号に極秘裏のうちに命じられた指令とは……
1964年ごろに執筆された話なんですね。映画の原作なのかと思ったら、そうじゃなくて、映画のほうの監督さんといっしょになってネタ出し、ブレインストーミングをしながら、同時進行で製作していったんだそうです。
わたしは映画を見ていないのだけれど、映画版では抽象的で解釈が分かれたような部分が、小説版ではすっとわかりやすく語られている……らしいです。解説によると。
それにしても、人類が月面着陸に成功するよりも前に、これだけのストーリーを書いたんだって思うと、あらためて不思議な感じがします。人間の想像力って、ときどきものすごい。
人類がはじめて月面の裏側を観測した時代、アポロ8号に乗っていたクルーが、出発前にすでにこの映画作品に親しんでいて、あとでクラーク氏に「あのときは巨大なモノリスを見つけたと送信したくてたまらなかった」と話したとのこと。
すごく面白かったんだけど、ラストはちょっと、好みじゃないかなあ。終盤、スケールが大きくなりすぎて、逆にちょっと冷静になってしまった感じ。……などといいつつも、読んでよかったです。宇宙船内での生活なんかが、読んでいてすごくワクワクする。
いずれ『2010年宇宙の旅』も読もうと思い……え、『2061年宇宙の旅』『3001年終局への旅』『失われた宇宙のたび2001』まで出てるのか。なんかすごいな。
投稿元:
レビューを見る
映画は何回も何回も観ていたからそのイメージでさらさら読めました。
映画は木星への旅なのに原作では土星だったことを初めて知りました。
冒頭のヒトザルの章は映画ではいささか冗長な感じでしたけど
原作ではこの部分がいちばんおもしろく感じました。
投稿元:
レビューを見る
大変面白うございました。
でも多分映画を見てなかったらどうだろう、という疑問がちらつきながらの読了。
映画を見てからだと映像が頭に浮かぶ上に、映画の謎をあらかた解決してくれるので素晴らしく面白く感じるという…まぁ勿論映画が強烈に印象に残るので相乗効果とも言えましょうか。
小説が映画化されたわけではなく、映画ありきの原作として書かれているそうなのでちょっと意外というかなんというか。
いずれにしろ、映画が面白かったと思った人にはとてもオススメです。
投稿元:
レビューを見る
映画を観てから!
映画を観てから読むのが良いですよ!!
そんで読み終わったらもう一度映画を観る。
これがベスト。