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母になって人との距離のとり方が変化していくの、よくわかる。
私は○○のお母さんって呼ばれるのが大好きだしママ友にも恵まれたから
喪失感やストレスとは無縁の育児時代だったけれど(笑)
でも、お母さんでない自分、妻でない自分、について意識することはあるよね。
「お母さん」という名の役柄ではないけれど、こどもの前ではお母さんスイッチ入るし、母である自分はキライじゃない。
でも、そうでない自分の時間を大切にしたいと思う。
ちっぽけでも、ひとりよがりでも。
あらためて、そんな気持ちを再確認した作品。
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梨々子さんのひとりの人間として、2人の子どもの母として、妻として、悩みながら生活しているお話。「普通」であることとか、「平凡」であることとか、自分が何者であるのか、何者かである必要があるのかをぐるぐる考える。何が光なのかがよくわからなくて、読み進めるのが苦しかった。きっと、私の中にも間違いなくある見たくない部分なのだろうな。
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本屋大賞を取った作家のだったので買ってみた
途中はあんまりだったけど読み進めると面白かった じんわりとした面白さ
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タイトルと表紙に惹かれて
衝動買いしてみたら
2016年本屋大賞作家の本だった。
羊と鋼の森は文庫になったら
真っ先に買おうと思っている。
この本は 映像化されたら
真っ先に観に行きたい。
ほとんどの物語は梨々子の胸の中。
この映像化は難しそうだが
梨々子のつぶやきの一つ一つが
暮らす環境も性別も超えて
こんなにもしっくりと肌に馴染むとは。
チクチクと編み続ける編み物を
誰もが編み続けているんだ。
もうその言葉だけで
幸せだとか生きがいだとかの
誰にもわからないものになど
目を向けなくてすみそうだ。
上質の小説でした。
宮下奈都さんの綴る梨々子の内面の
言葉たちは本当にすぐれもの。
私も使いこなせるようになりたいな。
こんな言葉 うちのあたりにもあるのかな。
「あ?」
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たんたんと語られる、梨々子の日常。
東京から、田舎へ行くことになり、母として、妻として、全然ちゃんとではなく、でも決して投げ出さず、日常をこなしていく感じ。
旦那はかつて一目惚れしたはずなのに、
でも、嫌いではない感じの
あーー、そういうのあるかも…的な。
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人の感情を顕微鏡でみるような繊細な描写。人はひとりだけど、誰かのひとりでもある。その誰かとの関係のなかで、自分自身を見つけていくのかな。
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作家の宮下奈都さんは、「全国書店員が選んだ いちばん!売りたい本 2016年本屋大賞」を取っている。
本屋大賞になった本って、けっこう面白いんだよね。
という事で、大賞を取った本(『羊と鋼の森』)ではないけど、同じ作家さんの作品を読んでみたいなと思って。
で、これは(私にとって)大当たり。
もちろん、好き嫌いは個人差があるので、これをつまらないと思う人もたくさんいると思う。
ストーリー展開が大きくある訳じゃなく、一人の女性の10年間を淡々とつづっているだけなので、ページをめくるのがワクワクしてたまらないという訳でもない。
何も無いのだが、私はこの主人公に凄く共感してしまった。
鬱になってしまった夫。
それがもとで、会社をやめ都会から田舎に引っ越すことになる。
その田舎の、洋服屋のチラシのモデルになる時もある夫。
すなわち、ある程度カッコいいわけだ。
息子二人も、人見知りでコミュニケーションが取れないとか、発達障害があるとか。
小学校に何度も呼び出されても、強い信念をもっている主人公。
最初は、なんで私がこんな田舎で生活しなければならないの?
こんなハズじゃなかったとか、いろいろ揺れるんだけど、様々なちょっとした出来事の積み重ねでだんだんとその生活に溶け込んでいき、幸せを感じるようになる。
読了感が、なかなか良かったです。
この作家さんの作品は、他にも読んでみたいなと思いました。
なかなか、そういう作品に出合えないですけどね。
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学生時代はクラスの中でも美貌で注目され、恋も思うままにできた梨々子。
結婚し、二人の子供が生まれるが、子育ては期待通りにはいかない。
その上、かつては輝いて見えた夫、達郎は、鬱病に罹り、東京の暮らしから「脱落」する。
夫とは心が通じていないことにもがき、自分が「誰でもない者」だと突きつけられるつらさが、丁寧に描かれ、読んでいるこちらまで息詰まるようだった。
「ダロウェイ夫人」を引用しながら、主婦の飢餓感を描いた「巡り合う時間たち」のように。
その梨々子が、少しずつ変わっていく。
「自分は一人である」こと、「自分が誰でもない」ことを受け入れるようになっていくのだ。
それは、本当の意味で大人になったということだと、私は思った。
梨々子の二十代終わりから三十代終わりまでが描かれる。
地味な作品とも言えるけれど、実はかなり骨太な成長小説なのではないか、と思っている。
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図書館で。
この作者さんの本を読むのがこの本が最初だったらほかの作品を読もうとは思わなかっただろうなぁ…。出会い方って大事だな。
ものすごい自己顕示欲が強いというか見栄っ張りなヒロインがグダグダと私悪くないし、私頑張ってるしと主張しているようなお話で疲れました。なんていうのか主婦の妄想小説みたいというか。特にアサヒ君の件あたりはもう、都合の良い妄想としか思えない。
鬱とは言え家事にも育児にも非協力的でしかも独りよがりに物事を決断しちゃうなんてひどい旦那だと思うけど…この本の語り部は奥さんだけだもんなぁ。旦那側から見たらまるで違う話になるのかもしれないな、なんてぼんやり思いました。
独身の自分には結婚して夫婦になって子供まで居るのにこの二人はここまで分かり合えないのか、それでも繋がっていたいのか、という驚きのような感想を持ちます。もちろん子供もいるし簡単に別れてしまえとかそういうことを言っているわけではなくなんでもっと腹を割って話し合わないんだろうと不思議に思うのです。夫婦なのに。
話し合っても分かり合えないと思ってるのであればもう仕方ないのでしょうが…。孤独だ、一人だというのはわかるしある程度その通りだと思うけれども、だからこそ人間は言葉を使って思いを伝え合うんじゃないのかなぁ。
しかも家族で夫婦なんだし。いや、世の夫婦なんてみんなそうだよ、分かり合ってないよと言われればまあそれまでなんでしょうが。でも分かり合いたくて、誰よりもつながりを持ちたくて結婚したのではないのか?そのあたりよくワカランというか。(そんなロマンチストな事言ってるから独身なんだって話もあるかもしれませんが)
というわけであまり心に響かなかったです。
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一瞬、官能小説かと思ってしまいそうなタイトルですが、宮下奈都ですからちがいます(笑)。彼女が書く主人公はたいていが女性、学生とかOLとか。そして彼女の作品を読むといつもふんわりと幸せな気持ちになります。読後感の非常にいい作家さん。
今回の主人公は学生でもOLでもない、専業主婦・梨々子。昔から、学校一の美人ではないけれど、クラスで1番か2番。いつもにっこり穏やかであることを心がけ(計算し)、好かれる存在であると自負していた梨々子は、会社の役員にも気に入られます。その役員が梨々子に会わせようと連れてきたのは、海外営業部のホープ・達郎。一目惚れした梨々子は、あまりその気のなさそうな達郎に猛烈にアタック、落として結婚。潤と歩人という可愛い息子ふたりにも恵まれる。ところが達郎が鬱病に。会社を辞めた彼は、実家のある田舎に引っ越したいと言う。呆然としつつも達郎について行くしかなく、東京から田舎へと移る、その年が0(ゼロ)年。それから2年ごとに10年目まで、梨々子の目線で語られます。
一目惚れしたころとは変わり果て、15kgは太ったであろう夫なのに、田舎の紳士服店のチラシのモデルを頼まれたと嬉しそう。周囲からさんざんモデルみたいと言われてきた梨々子にはそんな話は来ず。悶々とする0年は、何をするのも馬鹿馬鹿しい。そんなそぶりは少しも見せずに微笑む梨々子ですが、隣りの住人には見透かされていたりもします。「自分が主役でありつづけたい人」だと。子育てに悩み、不倫に走りかけ、自治会の役員になり、最後には一人前の田舎の主婦になる梨々子。方言を見事に話せるようになった梨々子に、0年の彼女とはまったくちがう印象を受けます。これもやっぱり読後感のいい1冊。
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最初のうちは、何を書きたい作品なんだろう?と思いながら読んでいた。出来事には山谷あっても、主人公の価値観やら処理力やらはとても普通だなぁと感じられたので。
最後まで読んで、どうやらその普通を受け入れる物語なのだなぁとわかった。
受け入れるというか、諦めるというか、納得するというか。
どうしてみんなで普通だとか平凡だとかいう言葉を使って、潤を下ろし、歩人を打とうとするのか
佑樹くんのおかあさんとしか呼ばれないのがさびしくなっちゃったのよ
みんな自分のことをいちばんごまかしたいのよ。ほんとはこんな自分じゃないって自分を慰めたり励ましたりするの。
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主人公の梨々子は、東京八王子育ちのそこそろきれいで自分に自信がある人。
かっこよくて仕事もエースと言われるようなオットと結婚し、子供二人に恵まれたところから、夫が鬱で夫の田舎に帰るところからストーリーは始まる。
2年刻みで綴られる梨々子の日記には、生活、口調、考え方の変化が丁寧に描かれている。
梨々子の子供っぽさ、自己顕示欲に読んでいてイライラすることもあるが、知らない土地で、誰にも気軽に頼れない正解のない子育てをする大変さを考えると、同情してしまう。
最後は、梨々子の内面の変化を見ることができてよかった。
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ずいぶん回り道をしてしまった。滑って転んで道を踏み外した。回り道の一歩一歩が私の人生だと思う。出た結論は「手ぶら」
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表紙の絵の先入観で、タイトルをよく読んでおらず、"モデル妻"の話かと思って読み始めたらモデルは妻ではなく夫だった…。
どんなところでも大切な人さえいればいい。
場所じゃない、人なんだと感じた作品。
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解説が辻村深月さんというその一点で手に取った本。
普段解説読まないのに。
略して「イナツマ」。
7年前に解説で「10年後の自分を想像できない」と書いた辻村深月さんは今、どのような思いを胸に生きているのだろうか。
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東京から夫の故郷に移り住むことになった梨々子。田舎行きに戸惑い、夫とすれ違い、恋に胸を騒がせ、変わってゆく子供たちの成長に驚きーー三十歳から四十歳、「何者でもない」等身大の女性の十年間を二年刻みの定点観測のように丁寧に描き出す。じんわりと胸にしみてゆく、いとおしい「普通の私」の物語。解説・辻村深月