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娯楽企業としての「選択と集中」の結果、今の任天堂があるということです。記しておきたいことをいくつか。
※本来、娯楽って枯れた技術を上手に使って人が驚けばいい。別に最先端かどうかが問題ではなくて、人が驚くがどうかが問題
※娯楽はよそと同じが一番アカン
山内前社長の座右の銘
「失意泰然 得意冷然」
運に恵まれない時は、慌てず泰然と構えて努力せよ
恵まれた時は、運に感謝し、冷然と努力せよ
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Kodama's review
この経済不況にもかかわらず、絶好調の任天堂さん。2009年3月期の売上は1兆8386億円!僅か3800人の従業員から生み出す一人当たりの売上と利益は、あのトヨタも凌ぐ…。ビックリです。
この続きの感想は後日、ブログでUPします。
(09.6.20)
お勧め度
★★★★★
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「だって、私たちは、娯楽の会社ですから」
マリオというキャラクターやファミコンとういゲーム機には馴染みが深くとも、どういう社風なのか、どういう会社なのかについて知る機会はいままでなかった。
もっと大きく言えばゲーム業界という娯楽産業の実態につても。
それらをクリアにし、おそらく任天堂への理解を深めより強い愛着と興味をわかせる一冊。
売れる保証はないが、正しいと思ったことをやる。
娯楽だけを極める。
何か、頑固というか職人気質というか、独特な雰囲気が漂う任天堂。
ただし、当たるも八卦、当たらぬも八卦ではなく、外部のソフトも全て審査し、質を保つ事に注力し、失敗しても耐えられるキャッシュを確保するなどしめるところはしめている。
山内・岩田という対極のスタイルながらカリスマ性のある経営者の下に、宮内、横井といった人材がいたことが任天堂を支えてきた事を考えると、任天堂が何より運が良かったことは彼らのような優秀な人材を抱える事ができたこと。
というより彼らが正に任天堂を作り上げたのだという事が分かる。
長年支えて来た横井が事故で死去し、宮内氏も定年が近く、近年は新たなハード機に関する情報がないが、次の任天堂がどうやって成長していくのかは非常に興味深い。
何が起こるか分からない非常に流動的な業界。
・任天堂の社名の由来
-人生一寸先が闇、運は天に任せ、与えられた仕事に全力で取り組む
-人事を尽くして店名を待つというのは違う、努力は際限がなく人事は尽くせない
-最後は天が決める。それまでは最善を尽くせという解釈だ
・発売から4年近くたった2009年3月には、DSは史上最速のペースで1億台を突破した
-史上初の1億台突破:PS(突破まで9年半)
-携帯型で唯一の1億台突破:GB(突破まで11年)
・Wiiの低消費電力に貢献したのは面積を18.9㎡と極小に抑えたCPU
-処理能力をGCの2倍近く上げたにもかかわらず大きさは半分以下
-PS3搭載CPUの面積は228㎡と10倍以上で消費電力も10倍以上
・宮本は、ポパイの代わりに「マリオ」を、オリーブの代わりに「ピーチ姫」を、ブルートの代わりに「ドンキーコング」の絵を描き、ゲームクリエイターとしてデビュー
-元々決まっていた工事現場という舞台設定から作業服のキャラクターを想定し、荒いドット絵でもわかりやすいという理由でヒゲをつけたキャラクターを描いて単に「おっさん」と呼んでいた
-米国法人の社員に見せたところ、マリオという同僚に似ていると話題になり、そう命名された経緯がある
・任天堂という会社は昔からゲームとうい事業ドメイン以外に対しては極めて禁欲的
-Wiiフィットが普及したからといって、自らがデータを収集して健康管理のビジネスに手を出そうなんてことは絶対に考えられない
・絞ってなければソニーさんやマイクロソフトさんのようなジャイアントカンパニーを向こうに回して競争なんかできないわけですよ
・キャッシュ保有の理由
-一回失敗したら後がないような状況ではうまくいかないビジネス
-ファブレス企業なら��はの信用保証
-任天堂のハード開発は全部外のパートナーとやっている
-技術のロードマップに乗らないことをしてくださいなんて無茶なことを言っても、任天堂は絶対にとりっぱぐれがないと思って下さる
・キャッシュを確保した上で投資家への対策として、利益還元を大幅に増やし、2005年度から配当性向を50%以上とし、長らく年間140円だった配当金は2007年度1260円まで増えた
・横井が入社した1965年は、花札の任天堂からトランプの任天堂へと代名詞が移り変わっていた頃
-1953年、プラスチック製トランプを日本で初めて製造し大ヒット
-1959年にはディズニートランプを発売し、空前の大ヒット
・カラーは電池がもたない、屋外でみにくい、高い
・ファミコン人気で我が世の春を謳歌してにた任天堂も、1980年代後半になると安穏としてはいられなくなる
-1987年、NECホームエレクトロニクスがPCエンジン発売
-セガ・エンタープライゼスも1988年にメガドライブを発売
・ディズニートランプの勢いにのり任天堂骨牌は1962年、大証2部、京証上場
-翌年、社名を任天堂に改名
・重なる投資、売れない商品、ふくらむ負債と在庫の山、いつつぶれてもおかしくない状況の中、山内は金策に奔走し、花札やカルタといった安定商品でなんとか食いつないだ
・1977年、ゲーム&ウォッチが生まれ、負債を補ってあまりある金を運んだ
・文明開化の波は激しく、賭博行為は禁止だったがカルタの輸入は認められていた
-花札など国産カルタも販売自体は解禁すべきとの議論
-1885年、花札の販売を解禁
-1889年、全面解禁
-山内房治郎が店を構えたのはこの年
・任天堂がDSで目指したのは、いつでも空き時間に気軽に楽しむことができるカジュアルなゲーム。かつ、タッチパネルを活かした直感的な操作方法で初心者に対する壁を崩し、テーマも教育から音楽まで
-アップルストアに揃うゲームの傾向もまったく同じ
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岩田社長のゲーム人口拡大戦略というビジョンが明快で、その実行力、社員との接し方などに感銘を受けた。Appleと比較されがちな任天堂だが、Apple社はテクノロジーベースの会社、任天堂はあくまで娯楽の会社という主張も印象的であった。
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ゲーム業界って本当に厳しい世界なんだと強く感じさせられた。ゲームとは娯楽、日常生活で必ず必要なものではなく、ゲームが無くても快適な生活は送れるだろう。それにパソコンやテレビなど、強力な競争相手がいる。競争相手はソニーやマイクロソフトだけではない。
あってもなくても別に良い。あった方が面白いかもしれない。そのような存在であるゲームを多くの人に売るのは、難しいだろう。家電を売るのとは意味が違う。
もちろんハードが売れなければソフトは売れない。それだけに、どれだけたった二つの据え置き型と、携帯型のハードが売れるのかにかかっている。もしハードが思うように売れなければ、次世代機が出るまで、どれだけ頑張っても利益は出ない。
こんな厳しい世界にいる任天堂、心底すごいし、カッコイイ。日本を代表する企業として、これからも僕たちを驚かすようなゲームを開発してほしい。
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任天堂が現在まで歩んできた激動の歴史を詳細に綴っている。
社長が変わっても笑顔創造企業を貫く任天堂の変わらない体制に感動した。
社員数が意外と少ないからこそ社長の持つ任天堂スピリットを社員一人一人が持つことができるのかもしれない。
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本書の紹介にも書いてある通り、任天堂に関する書籍は案外少ない。
特にそのビジネススタイルや内部構造に迫るものは全くなかった。
Nintendo DSやWiiでSCE、マイクロソフトという名立たる巨人の攻めを巧みにかわし、躍進する事で急にスポットライトが当てられ生まれた本書。
残念ながら内容は、過去の日経ビジネスで組まれた任天堂特集の焼き直しに近いので、任天堂の未知の内部に迫るという目新しさはないものの、その歴史を紐解きながら名作、名機の生まれた逸話/思想を読むのは面白い。
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任天堂の快進撃の秘密に迫る。任天堂関連の書籍はほとんどお目にかかれなかったので貴重だと思われる。
笑顔創造企業の哲学を貫き、任天堂らしさを守った結果が現在の実績。
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普通に面白くなかった。
今の任天堂を作った二人の天才の話がメインで
あって、創造の組織作りや経営のシステムに
関しては特にこれといったものが無かった
気がする。
ゲームがそんなに好きじゃないからかな。
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ゲーム業界は特異な業界であると個人的には感じる。
蝉と表現してもよかろう。
開発にかかる時間の長さと、発売後のPLCの短さである。
企業としては、
常に新製品を投入していけるだけの開発力が全てと言える。
こうしたゲーム業界で圧倒的な強さを誇り、
トヨタ・ソニーと並ぶと言ってもいい世界企業の
任天堂の強さを特徴的な4名の人物から見ている。
現社長の岩田氏・取締役宮本氏、
元開発部長横井氏、前社長山内氏である。
よく知っているゲーム機やソフト開発の裏側も満載で、
ゲームに関心のない人出も、楽しく読める内容だと感じた。
加え、改めてリーダーシップの強い企業であることが理解出来た。
それもトップだけではなく、ミドルもである。
結果、創発的なイノベーションが起こり、
これまでのゲームのヒットに繋がったのは疑いようもない。
リーダーシップについては、やや特殊な例になるかもしれないが、
モノ作りへの拘りについては、製造業全般への汎用性も高く、
今後に活かせる点も多い内容。
社員がいつまでも働き続けたい会社であるためには・・・
これを実現出来ている任天堂の強さが、
ゲーム業界での復権を実践出来たのだと思う。
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1つのテーマについて、長くしつこく考え続けることが大切
任天堂がなぜ、こっちへ向かうのか、何回も何回も繰り返し言いました
一つづつ仮説を立てて裏付けを取ろうとする 裏付けが取れたら今度は戦略に織り込んで行く 勘から確信になって動ける様になって、説得しやすくなる
起きていることの理由
パラノイアだけが生き残る
ビジネスには病的なまでの心配性が必要
プレッシャーなんか感じだってしんどいだけ。いかに楽しく仕事をするかだけを考えている。
役に立たないものに人は我慢しない
人事を尽くして天命を待つというのは違う 人事は尽くせない、努力は際限ない
失意泰然、得意冷然
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・「いろいろなことを考え,調べていくと,どの角度から見てもゲームをする人が減っていた」.「ゲームから離れてしまったユーザーを呼び戻すことが必要です-」と岩田は語った.
・「竹田さん,もうこれ以上性能ばっかり上げてもダメですよ」「つまり,技術のロードマップを外れろということですね.」
・必需品であれば,必要に迫られて説明書を読んでくれる.使い勝手が悪くとも,多少は目をつむってくれる.でもゲームの場合は,そうはいかない.楽しんでいる時に不愉快になるような要素は許されない.
・モノづくり=ハード=必需品.このカテゴリーにいる会社は,より良いモノを安く作ることが至上命題である.娯楽産業はあらゆる点で必需品を作るハード側の産業とは違う.
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娯楽に徹せよ。独創的であれ。
誰もが知ってるゲームの王者、任天堂。
本書でも触れられてるけど、任天堂についての本ってあまりないから、この本は結構おすすめ。
任天堂の歴史から、ゲームの常識を変えたWiiとDSの開発秘話、岩田社長と宮本茂(任天堂の大躍進の主役の1人、海外ではめちゃくちゃ有名&人気)の関係などなど、当事者へのインタビューをもとに分かりやすく読めます。
これ読んだら10人中9人は任天堂行きたくなる笑
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アップルと比較対象されるけど、「娯楽」に徹しているのが違うところ。なんというか技術系の「天才」というのは、何か共通点があるなと思う(本文とは関係ないけど)。
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本書でも触れられているように、任天堂に関する本はほとんどない。その中で、任天堂のこれまでの歴史や、任天堂がモノづくりをどう考えているかなどを垣間見ることができる貴重な一冊だと思う。この真似をすれば必ず成功するのだという成功本として捉えるのではなく、「任天堂はこうしている」ということを踏まえて、自分なりに色々考えてみるという風に読むと、何か得られるものがあると思う。