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いつものミエヴィルかと思いきやがらりと作風が変わっていて驚いた。こういうのも書くんだ。
しかし、登場人物の会話や、ストーリーの広げ方にはミエヴィルらしさも見える。オカルトのアレコレもなかなか楽しい。下巻でどう風呂敷を畳むんだろう?
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大英博物館の学芸員ビリーが、展示されていたダイオウイカの消失事件に巻き込まれ、カルト教団や魔術師がひしめく影のロンドンを渡り歩く話。登場するカルトや魔術師が、この作者の本邦初訳『キング・ラット』を彷彿とさせるけったいな面々で、読んでて非常に楽しいです。使い魔の労働組合がゼネストをやっていたり(ワティはこの話のナンバーワンキャラだと思う)、トレッキーの魔術師が撮影で使われたフェイザー(魔術で発砲できるよう改造済み)を報酬に転送魔法を提供していたり…。くすぐりどころを心得ているなあ。
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読み始めはやめようと思った。現代詩の様な突飛な会話の構成と、遠慮容赦の無い、オカルト存在の機銃掃射。だが、読み進めて行く内にそれが癖になって行く、末節に拘らず読み流して行く感じで、いつの間にか、取り込まれてしまった!下巻が楽しみ、どうか裏切らないで…
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話はたいして進んでいないのにこのボリューム。
ミエヴィルらしい設定、仕掛けに対する動摩擦力が高いせいだと思う。
私は耐熱服を着ているので、摩擦熱を結構楽しめた。
下巻はどうだろう。
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初めてクトゥルフモノを読んだかもしれない。いやホラーとしてなら読んでるけれど、現代物では初めてのような気がする。最初はダヴィンチコードのようなサスペンスを想像していたが、濃すぎる登場人物たちを眺めているうちに、大いなる神とゆかいな仲間たちににやにやさせられる。
しかしながら文体が読みつらい! いや内容が濃いだけ? 読むのに時間が掛かったぞう。
オカルトとかクトゥルフとかに忌避感が無い方ならオススメ。
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典型的な表紙買い・タイトル買い。マイブームのダイオウイカさんの勢いで衝動買いしたら、ウィンダムの「海竜めざめる」でも「海底二万里」でもあなかった。クボデラさんの名前はちらっと登場。舞台はひたすらロンドン。カルトパンクとでもいうのでしょうか。これだけ異形のモノが詰め込まれてて、道を切開すると、臓物が脈打っているロンドンって、なんだかあとをひく魅力がある。なんといっても、ストライキを起こしている使い魔の親玉のワティがかわいい。女刑事コリングスウッド、ひっぱたきたくなるほど憎たらしい魅力がある女性は久しぶり。
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深夜アニメっぽいノリは嫌いじゃないけど、ロンドンが魅力を放つのは1960年代までかな。
訳文がすごく読みづらい(特に会話文)のは、原文自体が難解なせいか。
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物語の良さがひどすぎる翻訳のせいで台無しにされた見本のような作品。ロンドン博物館から忽然と消えたダイオウイカ標本を巡るぶっ飛んだSFなのに!なのに!この翻訳本当にヒドい!
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(上下まとめて)面白かったけど文体が読みにくかった。原文か翻訳のせいかはわからないけど。一般人が知らない裏の世界のバトルに巻き込まれるというのはファンタジーとしてはベタな設定だけど、道具立てとか世界観が独特。真面目な雰囲気でさりげなく描写がシュールなのがいい。ダイオウイカが消えるという導入からおもしろいし、終盤、漂白剤のスプレーでグリザメンタムと戦うシーンとか想像すると超笑える。かっこいいけど。
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「クラーケン」ですよ、海洋冒険SFでしょ、ふつう。オールド・ファンならジョン・ウィンダムを思い浮かべるかもしれません。
ウィンダムのを星新一は「海竜」と訳したけど、クラーケンは本書の場合、ダイオウイカです。NHKが撮影に成功する前にも、ダイオウイカは存在し、その標本はあったわけで、本書はNHKのダイオウイカ・ブームとも関係ありません。
ダイオウイカの標本はとあるロンドンの自然史博物館の呼び物です。ダイオウイカの標本作製を担当した学芸員のビリー・ハロウが主人公です。ある日、ビリーが見学者たちを案内していると、あの巨大なダイオウイカの標本が消えていた。というのが発端。
奇妙な警察官がやってきて、ビリーの取り調べをするあたりから、なにやら不条理劇のような怪しい雰囲気が漂ってきます。
ジャンル横断的というかジャンル混淆的なのがミエヴィルじゃねえか。ハヤカワ文庫の「SF」に収録されているからといってSFと思ったら大間違いだ。遠い惑星の話ということでは、自然科学的スペキュレーションに基づく設定の『言語都市』だって、主たるテーマは言語論的スペキュレーションだぜ。『都市と都市』はまったくもって社会学的スペキュレーションで組み立てられている。『ペルディード・ストリート・ステーション』はSFだか、魔法ファンタジーだか、異世界ものだか、何だかわらかねえ。
では『クラーケン』は何かというと、『アンランダン』に近い手応えである。つまり、『ペルディード・ストリート・ステーション』は異星のあり得ない都市を五感を伴ってそこに存在させてしまう小説だった。『クラーケン』はといえば、現に存在しているロンドンという都市をあり得ないものに変えてしまうのである。裏ロンドンがある『アンランダン』のように、本書のロンドンにも裏の組織やら怪しい登場人物たちがうじゃうじゃと湧いてくるのだ。
誰が、何のために、ダイオウイカを盗んだのかは謎だけど、しかし、どうやらダイオウイカは神らしいんだよね。少なくともダイオウイカを神とあがめる宗教集団なんてのが出てくる。そして、世界の終わりもかかわっているらしい。
ダイオウイカの関係者ということでビリーは命を狙われたり、保護されたりするのだけれど、流されているばかりで主体性がないんだ。そうこうするうちに、警察の原理主義者およびセクト関連犯罪捜査班、喋るタトゥー、得体の知れない殺人者親子ゴスとサビー、日本の折り紙の技術で何でも小さく畳んでしまう収縮術師、エジプト時代に死者とともに埋葬された奴隷像が反乱を起こして現在に至るワティ、使い魔のストライキ、イカれたものがたくさん出てきて、おもちゃ箱をひっくり返したようになるんだな。
たぶんビリーは何か重要なことを知らず知らず知っているのか、特殊な能力を持っているのだけど、まだ上巻ではそれはわからないんだ。
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魔術都市・ロンドンに蠢く、数々の魔術師、預言者、占い師、使い魔、暗殺者、そしてカルト宗教家たちが入り乱れ、「聖なる遺骸」を奪い合う、というファンタジー小説。
消えた「遺骸」(=博物館に展示されていたダイオウイカの死体)を巡る陰謀は、伝奇ロマンやSF、サスペンス、ミステリー等々の要素を混ぜ合わせ豪奢に描かれていて、「遺体」の突飛さにも関わらず説得力がある。特にダイオウイカを崇めるクラーケン神教会の教義は面白い。たとえば序文には、その神秘性が端的に表れていて、本編に入る前から期待感が高められる。
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チャイナ・ミエヴィルだから期待したのに。
ダイオウイカをめぐる戦いなんて読むだけ時間のムダ。
かなり早いタイミングで挫折した。読破できる人ているんだろか。
『都市と都市』執筆中の気分転換に本書を書いたらしい(あとがきより)。
本気で書いたものだけ読めばいーや。
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ファンタジー。サスペンス。ミステリ。伝記。警察。
様々な要素を詰め込んだ感じの作品。
ファンタジー感溢れる、異様なロンドンの雰囲気が独特。
女性警官コリングズウッドのキャラが好み。
どんな結末になるのか、下巻に期待。