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この本は、副題がすべてを語っていますね。こういう、欧米の優秀な人が書いた、ジャンル分けされていないおおきな歴史の通史って本当におもしろいですね。最近で言えばジャレド・ダイアモンドの『銃・病原菌・鉄』が流行りましたけど、あんなふうに人類の歴史を1つの観点でズバッと切るという本です。これは基本的に人類がこの10万年の間にいかに豊かで平和で安全になったかということを、数字を挙げて証明しているんですよ。
石田衣良公式メルマガ「ブックトーク『小説家と過ごす日曜日』」18号
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巷には誤った認識が多数あることが分かった。
グリーンピースといった環境テロリスト達がいかにいい加減でデタラメな人々・組織なのかがよく分かる。
将来・未来に悲観することはない,楽観して大丈夫,だと思わせる内容である。
「進化は万能である」と違って訳文も普通だし,書いてあることも至極まっとうである。リドレー氏は変な人ではなかった。訳者が悪いのかもしれない。先に「進化は万能である」を読んでしまったのが失敗かもしれない。
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まず読み切った自分褒めたい 笑
人類は交換と専門化によって発見や発明を繰り返して進化してきた。今、世界的な社会問題としてある貧困や人口爆発、地球温暖化だって、乗り越えられるはず。
このことを大量のデータや過去の前例を踏まえて理論的に説明した「合理的楽観主義」の本。
読み終わって思ったのは、社会全体が変わっていくことを恐れてはいけないということ。状況は変わっていくのに自分たちが変わらなければ当然自分たちが苦しくなっていく。その変化に対応する、むしろ、その変化を自分で引き起こすくらいの気持ちと力が求められてる気がした。
少なくとも、今の自分の周りの人たちは安定を求める人が多い。きっとその価値観から1歩も出れない人は繁栄していく社会の変化に追いつけないのだろうし、自分自身、貪欲に進化しなければならないと感じた。
人類の繁栄は個人の安定を保証はしないのだから。
きっと医療の世界も繁栄のために変わっていく。その中で個人として生き抜くためにはただ漫然と仕事をしていくのではダメなのだろう。
具体的な話をすれば、AIと比較した自分の利点となる技術を身につけるとかね
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早川書房公式ツイッターで紹介されていたので購入。
ああ、ありがとう>早川書房公式ツイッター
「人類の未来」について述べている書籍のほとんどが、『悲観論』に満ちあふれている。書店にはありとあらゆる悲観的な未来についての情報で満ちている。でも、本当に未来は悲観的なの?明るい未来は来ないの??ってなんとなーく思っていたのが腑に落ちる本が見つかった感。そう、こんなのが読みたかったね。歴史をたどれば人類が、いかに発展してきたのか。現在の自分の生活を百年前のエリート層と比べて、二百年前の上流階層と比べて、三百年前の王侯貴族と比べていかにすばらしいか。人類は、『交換と専門化』これによっていかに進歩に進歩を繰り返してきたのか、そして、現在の社会はますます『交換と専門化』を推進している。このままいったら大変だーじゃなくて、このままですむわけないでしょと!
技術により困難が生じても、技術がもっと進めばその困難は解決できるんじゃないかなあ
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ヒトの繁栄は,その社会全体で分業(専門化)と交換.
繁栄=時間の創出
時間に余剰が生まれることで,さらなる価値創出の機会が生まれる.これを繰り返して人はどんどん幸せになる.
テクノロジーにとっての交換は遺伝子にとっての生殖に値.
確かに,昔の生活を思えば,生活を維持するのに必要なコスト(1日のうち他者に貢ぐ時間)は減っているように見える.
周囲の人間はその余暇を無に使っているような気がするが
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利己的な遺伝子やファクトフルネスとも親和する内容であり自然科学(生物,進化,環境...)と社会科学(経済,政治,経済史,歴史...)を縦横無尽に横断する良作.
これは手元に置いておいて読み返したい一冊.
読書スタミナがなくて後半は読まずに返却.リベンジする
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人類が交換と専門家により繁栄してきて、そしてこれからも繁栄は続いていく。
世界は絶望に向かう悲観論に注目されがちだがこれまで予測されたものは大きく外れている。
むしろ予測に反して世の中は良くなっており貧困や病気、環境問題、エネルギーなど改善されてきている。
少し楽観的な主張は強いと感じたが全体的に世界が良い方向に向かっているのは間違いないと思う。
昔は良かった,というフレーズはここ最近ではなく何千年も前から言われているが、実際全体の数字で見ると世界の問題は確実に解決されてきている。
人間は昔(というか恐らく自分が若い時代)とネガティブ論が好きなだけでそれに現実的で数字や根拠を用いてツッコミを入れている本。
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合理的楽観主義者の本は読んでいて明るい気持ちになれる
そして、分業と専門化、それを支える信用は最近考えていたことが言語化された感じがして面白かった。
発展した場所は必ず規制と保護主義の温床になるので次の自由、資本、知識が流動化している場所に飛び込むことが大事だと思わされる本
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- 人類は分業と専門化によって発展してきた。
- 分業と専門化には信用が必要で、利己主義になりすぎると継続的に分業ができなくなるため、継続的に取引が行われる場合に人間は礼儀正しく振る舞う。
- 知らない相手との分業に役に立つのが、貨幣と国家による法律の設計。法律によって、完全に見知らぬ他者を信用して分業が可能になる。
- この信用が発達した結果、銀行業というシステムが生まれ、貨幣領域において信用が信用を生むサイクルができた
- イギリスは工業の勃興期に自由貿易を推進する人間が首相になった、これにより分業が爆発的に広まり急激な経済発展が起きた
- 逆に保護主義は分業を止め、貧困に陥る
- 自由、資本、知識が十分に流動化する場所には機会が溢れており、才能が集まる
- 具体例は以下
- ここ30年のシリコンバレー
- 戦後の日本
- 産業革命期のイギリスで
- 発展した後は、そこで蓄えられた資本を守ろうとするインセンティブが働き、大企業優位な規制が蔓延し保護主義になる
- それが発展を止める
- 一方で、知識も分業が起きている。特に、テクノロジーは既存のテクノロジーを組み合わせるが、部分の総和より大きい全体となる。
- 車を社会実装したヘンリーフォードは自分は何も目新しいものを発明していないと認めたことがある
- イギリス人はモーターと発電機を発明したマイケル・ファラデーを褒め称えるが、そのアイデアの半分はデンマーク人のハンス・クリスチャン・エルステッドに負っている
- アメリカ人はエジソンが白熱電球を開発したと学ぶが、実際はイギリスのジョセフ・スワンやロシアのアレクサンド・ロディ人などの商業的に成功しなかった先人の功績である
- 分業の規模は市場の規模に応じる
- 世界の貧困が減少しているのは世界規模での分業が発展してきているからである