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今さらながら、初島荘。初御手洗。
占星術殺人事件は、例の有名すぎるトリックで有名すぎる。
トリック重視の作品で、知っちゃってるのはやっぱり楽しみ半減。
でも御手洗潔、割と好きですけど。
ミステリーっていいよね、面白いよねと改めて思う作品だ。
占星術、というのが猟奇的な事件の中では何だか女々しくて御手洗といい犯人といい、ラストのシーンが頷ける。
御手洗潔シリーズは、順番的には次はどれ?
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そうだ、京都に行こう。哲学の小径を往復ダッシュしよう。
十数年ぶりくらいに読みましたか。こっちは「改定完全版」なので再読と言ってよいものかどうかは分かりませんが。
いや、うん、あれっすわ、とりあえず、素晴らしいミステリは何よりもまずその犯人に敬意を払いたくなる、ということを再認識した。前ついったで呟いたんだっけか。別段犯罪を推奨とか、シリアルキラーへの憧憬とかそういうんじゃなくて、むしろそれを書く作者の方がすごいんだろうとか、まあそうなんですけど。なんていうか、すごい、犯罪というものがある種の芸術のように出来上がってしまっている、素晴らしい。
トリック自体はあれだ、いまだに恨むからな、じっちゃんの名にかける方の高校生探偵は。こっち読む前に、あっちの話をアニメで見ちゃったからな。結局あれは、島荘の名前をちゃんと出すことで決着したんだっけ?
まあそんなことは置いといて、やっぱり、これは日本ミステリ界において読み継がれるべき作だと思う。作中に使われる小道具(占星術)の専門性、探偵役の非凡性、犯罪の狂気性、猟奇性、途中に挟まってる読者への挑戦、保たれた論理性、犯人の意外性。ミステリというものがこうあってほしい姿をしていると思うんだ。
初心にかえる、という言い方もおかしいけれど、読みたいミステリってこういうのだなぁ、と思える。
抜粋。
ただ私には、一般的な意味での後悔というものはありません。考えに考えた末やったことです。なまじのことでたちまち後悔するくらいのものなら、やらない方がよいと思います。
こういった姿勢、覚悟こそ、求めるべきもの。
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2013/8 初読
2022/4 再読
読んで今作程に衝撃を受けてトリックは今のところ無い。占星術に狂った人物がアゾートを作ろうとしていた、と言う猟奇的ストーリーが見事な目眩ましになっている。中学高校の時に読んでいたら、本気で推理作家になろうなどと、職業選択を誤ったに違いない、ちゃんと大人になってから読んで良かった、と初読時につくづく思ったことを思い出した。
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今さらながら島田荘司を初めて読んだことを恥じる。
ミステリー小説の中で名作と名高い占星術殺人事件。
もう30年前もの作品になるが、これはもう古いとかどうとか
そんな発言が恥ずかしくなる類だ。これは名作と呼ばれる作品だ。
戦前、1936年2月26日に起きた猟奇的悲劇の序章。
そこから40年経てども謎が解明されることはなかった占星術殺人事件。
それをふとしたことから解決することになる御手洗潔。
物語は40年分の混沌と狂乱を背負い加速していく。
これは純粋にトリックを楽しむものなのだろうと、かかって読んでいた。
著者からの挑戦状という、挑発的な文面もその意味を濃くさせる。
しかし、本当の意味を見失っていた。
これは何よりも悲劇であり、悲しい物語だということを。
ただ単にトリックの解明を楽しむ作品ではなかった。
結果として、そこには十分すぎる人間模様が描かれていたのだ。
とは言え、自分も多くの皆さんと同じように某高校生探偵の話しを
先に読んでしまったが故に、このトリックがわかってしまった。
いや、わかってしまったのではなく思い出してしまったのだ。
それはものすごく悔しいことであり、これ以上の罪はないだろう。
初めて触れていれば、あの感触を味わえたのに・・・
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昭和十一年に起こり迷宮入りとなった猟奇殺人事件のトリックに名探偵御手洗潔が挑むミステリー
今の本格ミステリーの流れを作ったということでそのうち読まないといけないよなあ、と思っていた作品ですが、改訂完全版が文庫化されたのでようやく読むことができました。
正直前半はかなり読みにくい。殺された画家の手記がまず読みにくく、これを何とかクリアしたと思ったら、今度は御手洗とその助手石岡君の過去に起こった事件の概略と考察が続きます。
自分の好みの問題なのですが、探偵が事件の真っただ中にいる、もしくはリアルタイムで捜査が進んでいる状況に探偵も警察と一緒に加わる、という流れじゃないとイマイチ緊張感に欠けるというか……。その状態が200ページ近く続くのでだいぶつらかったです
そこを乗り越えた後はスムーズに読み進めることができました。二人は事件解決のため京都に向かうのですが実際行ったことのある地名が多数登場しうれしかったのもありますが、やはり探偵たちが実際に動いているのが好きなんだろうな、と再認識しました。
そして真相については全く気づきませんでした……。確かに言われてみれば分かるんですが、実際読んでいるときは全く思い当たらず……。犯人に完璧に負けた、という感じです(苦笑)
御手洗の変人ぷりも面白かったです。シャーロックホームズをこき下ろす場面はシャーロキアンの人に読んでもらって感想を聞いてみたいですね(笑)
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御手洗潔シリーズ
竹越文次郎刑事の手記を手に入れた御手洗と石岡君。その手記から43年前昭和11年に起きた梅沢平吉殺害事件、平吉の義理の娘・一恵殺害事件、そして平吉の6人の娘たちが被害者となったアゾート殺人事件の捜査に当たる。
平吉殺害事件。
二二六事件の夜、モデルを使って絵を描いていた平吉が密室のアトリエで殺害される。雪に残された男女の足跡。睡眠薬を飲み後ろから殴られた平吉。摘まれた平吉の髭の謎。ドアにかけられた鞄錠の謎。
一恵殺害事件。
3日後に殺害された一恵。死後に犯された形跡があり、犯人の血液型はO型と推定された。
アゾート殺人事件。
平吉の娘たちが旅行先から消え身体の1部を切り取られた姿で日本各地から発見された。奪われた部分で作り上げられた人形の謎。
竹越文次郎の息子・竹越刑事からの挑戦。京都に飛び事件の調査に当たる御手洗、石岡君。
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凄いの一言に尽きる。
わたしも、推理したけど
無理だったー
さすが、ミステリーの巨匠の作品です。
でも、推理作家ってすごいなぁ。
自分で事件起こして
自分で解決しなきゃいけないんだもん。
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完全版が出たということで、十数年ぶりに読み直しましたが、
フォントや大きさが変わり、とても読みにくく感じました。
個人的にはこの頃の御手洗さんが一番好きです。
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犯人探しのためのネタがきちんと記載してあるのに、なかなか盲点となっていて、読み終わってから、「なるほど」と思わせるあたりが、すごい本。
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横溝正史かレッドドラゴンかと思って読み始めたけれど、
ちょっと違ったみたい。
途中でトリックわかっちゃたし。
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有名作品だけあってトリックはなかなか面白かった。図にかいて何とか解こうとしたけど、あと一歩及ばなかった。
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学生の頃(十年以上前)に読んだのだが、「改訂完全版」ということで再読してみた。ほとんど覚えているのはやはりトリックが鮮烈だったからだろうか。
「改訂」では硬さが取れた印象。
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島田荘司の「衝撃のデビュー作」にして代表作、日本の(新)本格ミステリの金字塔、最高傑作のひとつ。・・・と言われています。ミステリ好きでこれ読んでなかったらモグリ、的な位置づけ。
たしかにプロットはよく考えられているし、トリックの妙には感心した。退廃的というか倒錯したエロティシズム(に見えるだけですが)と残虐性を漂わせ、懐古趣味、横溝正史的なホラー幻想、耽美的な味つけも面白い。伏線、というかミスリードの多彩さも楽しい。
が、そうなんですが。
個人的には最後まで、冷めた感覚が抜けませんでした。超絶トリックに大興奮!・・・するどころか、細部の詰めの甘さやアリバイの緩さが気になってしまう。
「本当にこんなに都合よく何もかもうまく行くかねえ?」
「ずいぶん運のいい犯人なのね」
という皮肉めいたツッコミが次々と浮かんで来る(笑)。
要するに、説得力に欠けるのです。本格ミステリにどこまでの現実的、社会的リアリティを求めるのか、それはそれで議論もあろうと思うけど、本作品には残念ながら、良いミステリがconvincingであるために必要な程度のリアリティを感じなかった。
その要因の最たるものが、御手洗潔という(これも有名な)探偵役。
ファンの方には申し訳ないけど、丸っきり好感の持てない、説得力のカケラもない人物造形に苦笑するしかなかった。変わり者である、という設定(言い訳)で納得できるならいいけど、問題は彼に「昭和の最晩年に20代の若者である」人間としてのリアリティが欠如していること。
どう説明したらいいのか・・・たとえば金田一耕助や刀城言耶が奇矯な人間として描かれていても、それはそれで彼らの棲息する「小説的リアリティ」をぶち壊すものではない。だけど御手洗(と友人の石岡)には、強烈なウソ臭さ(ありえなさ)を感じてしまう。二人の会話の空々しさ、つくりものっぽさ。思考回路の(作者の)ご都合主義。
島田荘司の他の作品には、十分にリアリティのある人物も多々登場するので、決して作者の力不足ではないと思う。ということは、これはわざと、御手洗と石岡にホームズとワトスンの古い翻訳ミステリみたいな語調で話をさせている、ということになる。・・・それが作者の意図なら、私には合いません、としか言えない。
肝心の探偵役をこれっぽちも好きになれない、どころかバカバカしさを感じてしまう。本格ミステリを読むにあたって、これほどツライことはないと今回、痛感しました。
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密室で殺された画家が遺した手記には、六人の処女の肉体から完璧な女=アゾートを創る計画が書かれていた。その後、彼の六人の娘たちが行方不明となり、一部を切り取られた惨殺遺体となって発見された。事件から四十数年、迷宮入りした猟奇殺人のトリックとは!?名探偵御手洗潔を生んだ衝撃作の完全版登場!
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冗長だった。途中で何度も挫けそうになった。最初の手記の部分がつらい。その後、京都に行くまでがつらい。最後に後書きがつらい。後書きにもあるように、この本が画期的だったのだろうけど、そういう歴史的な価値として読んでおくべき本のように思った。
名探偵の御手洗氏は双極性II型だな、見てると。
それにつけても、このトリックといい、現代社会を舞台にすると推理小説というものはどこまで箍を締められてしまうのかと思う。携帯電話、インターネット、この2つがあるだけで大きく違う。逆に、だからこその推理小説というのがあるのだろうか。
あと、この著者の本は何につけ衒学的に過ぎるような気がする。占星術の細かいところまでは逐一読んだりしていない。改訂完全版とあるのだから、これが著者にとって正しいものなのだろう。
そのくせ、下のような本線に関係のないところをメモっている自分がいるのだけど。
p141. 過去日本の死体を埋めた事件で、死体が出ているのはみんな犯人の自白のためなんだ。
p174. そしてね、実に不思議なことに、この五カ所の神社が、みんな東経139度線に沿って、南北に一列に並んでいると言うんだな。
p176. こういうわけで、卑弥呼の邪馬台国は、滅亡したかそれとものちの日本の中央政府軍に併合されたかしたのだろうと考えられるが、大和に中央政府を樹立した後、大和朝廷は政策として、もとの邪馬台国人たちを、卑弥呼の子孫も含めて東北へ強制移住させたのではないかというのが、さっきの小説の考え方なんだよ。奈良時代以降の中央政府の政策を見ると、歴史的に上総、上野、武蔵、甲斐あたりの関東地方は、朝鮮半島の動乱を逃れてきたいわゆる「帰化人」を、強制的に移住させていた地域だったらしいんだ。しかしこれは朝廷の前々からの政策を踏襲したものに過ぎないと推察されるので、その強制移住第一号が、邪馬台国人だったのではないかという考え方なんだ