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映画のヒット&直木賞で定着しかけていた朝井リョウのイメージを見事に塗り替えられました。これはすごい。
最初の数ページで空気感と状況説明をバチッとキメられた時点で「おぉ…これは凄そうだ」と思ったけれど、最後までグイグイ来ました。
孤独感とか裏切りとか勇気とか、ぎゅーっといろんな感情が詰まっていました。
「希望はあるんだよ」ではなくて、「そう思わないと負けそう」というところまで書いちゃうんですよね。すげえ。
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直木賞作家の朝井氏の本を初めて読みました。
『何者』は就活がテーマみたいなので読む気にならず
この本を手にとってみました。
施設でくらす子どもたちの話。最後はとてもよかった
と思います。
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朝井リョウさんの新作。児童養護施設を舞台に、何かに向かって生きていくためのヒントをくれる一冊。子どもはもちろん、全世代にオススメの一冊。
さすがです朝井さん、御馳走さまでした。
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昨日、情熱大陸みた。サラリーマンなのは知ってたが、未だ7万の賃貸に住んでいるらしい。若いのにつつましくてすばらしい。
親からしたら理想の息子。
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朝井リョウ、直木賞受賞後第一作。
といっても「小説すばる」で連載が始まったのは2012年11月号からなので、厳密には時期が被っているのだが。
舞台は児童養護施設。
その中で暮らす5人の子どもたち。
序章として、三年前、一番大きな女子が中三、最も小さい子が小学一年生という時代に起こったある出来事から物語は始まる。
先日放送された「情熱大陸」だったか、何かの雑誌のインタビューだったか、朝井リョウ君が「いじめの問題を書きたい。逃げる選択肢もあるんだよ、と」と語ったのを覚えているのだが、それをテーマにしたかったらしい。
「いじめ」の話というと全体のトーンが暗くなりがちだが、そこはさすがに作者である。
真っ直ぐな話というよりは、五人の関係を複雑に絡ませ、少しオブラートで包みながら話は進行していく。
時折語られる独特の比喩も相変わらず見事だ。
時を経れば、施設を出てみんな離れ離れになる。
大切な仲間を失おうとしている。
でも、こんな素晴らしいことが自分達だけでできるのだから、独りになっても、みんな強く生きていけるはずだ、新しい仲間ができるはずだ、と将来に希望を持たせる。
ラストシーンは、やはり涙が零れた。特に幼い麻利の健気さに胸を打たれる。
彼の作品で泣いたのはもう何度目になるだろう。
どうしてこれほど素敵な物語が創れるのだろう。
彼の才能は底知れないというか、引き出しは無限にありそうだ。
朝井リョウファンならずともオススメの一冊です。
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施設に暮らす子どもたちが、悲しみの中から立ち上がり、仲間と共に成長する物語。子供たちが健気で、胸を打つ。頑張れ!と応援したくなる。
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みんな誰もがちょっとずつ孤独。だからこの広い宇宙にひとりぼっち、と感じることもあるではないでしょうか。
でもその宇宙は繋がっている。自分がいる宇宙のとなりには誰かの宇宙がある。だからひとりぼっちではない、と太輔たちは教えてくれているような気がします。
人と出会って、辛いことや楽しいことを経験して、いろいろな道を進んで、自分の世界が作られていく。
夢や目標は下書き。それが叶えられて初めて地図として存在するようになる。自分の世界を作っていくことはそれの繰り返しだと思います。
まだまだ子どもだと思って甘えてばかりいると思っていた主人公達がいつの間にかしっかりと自分の足で立とうとしている力強さがとても頼もしかったです。
いくつかの土地を移り住んだ過去の自分が読んでいたら、とても大きな勇気がもらえたような気がします。
実際に目に浮かぶような最後の丘の上での光景があまりにも綺麗すぎて心が穏やかになる涙で読了しました。
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〈内容〉「青葉おひさまの家」で暮らす子どもたち。
夏祭り、運動会、クリスマス。そして迎える、大切な人との別れ。
さよならの日に向けて、4人の小学生が計画した「作戦」とは……?
著者渾身の最新長編小説。
直木賞受賞後第一作!
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小学生の頃は、学校が世界の全てだった。
でも、本当はそんなことはなくて、逃げ道や複数の世界がたくさんある。それに気付ける子供のほうがきっと少ない。
そう思っている子供たちに訴えかけている内容だった。
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不覚にも泣いちゃったよ・・・
ちびっこが悩んだり必死でがんばったりする姿って
やっぱ胸打たれるよね・・・
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大好きな作家さん。
様々な事情で児童養護施設で共に暮らす子ども達の物語。
最後のほうで、タイトルの意味が胸にすとんと落ちた。
主人公は小6男子なんだけども、最後の最後の数行が何かとても良かったよ。
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児童養護施設の5人の子供たちの旅立ちの物語。
本作の文章は丁寧で読みやすいので、作者の文筆家としての実力を感じました。
いびつな人間関係の物語が多かったと思いますが、本作ではかなりオブラートに包まれて表現されています。
また、いじめに対しての一つの対策として「逃げる」ことを堂々と提示していることには賛同します。
逃げた先にも希望があるはずと思わなければやってられない、という本音も同感です。
もちろん困難に立ち向かう勇気も大事ですが、どうしようもない時には逃げる(という言い方が嫌なら方向転換する)勇気もさらに大事です。
最後の道があるからこそ、できる限りの努力も可能なのだと思いますので、人をそこまで追い詰めないように気を付けたいものです。
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児童養護施設で暮らす子どもたちのはなし
1つのことに向かって頑張った経験って、どこにいっても生きてくると思う。
P323
「私たちみたいな人が、どこかで絶対に待ってる。これからどんな道を選ぶことになっても、その可能性は、ずっと変わらないの。どんな道を選んでも、それが逃げ道だって言われるような道でも、その先に延びる道の太さはこれまでと同じなの。同じだけの希望があるの。どんどん道が細くなっていったりなんか、絶対にしない。」
H25.12.12読了
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心にじわーっときた。
自分の世界で一生懸命生きている。それは大人も小学生も変わらない。
ラストはじんとくる言葉がたくさんちりばめられていました。
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苦労しながらも我慢づよく日々生きる登場人物たち。その努力もむなしく、困難は思うようには立ち去ってくれない。そんな時でも、僕らは逃げずに戦い続けなければいけないのだろうか。
「逃げる」ことに対して罪悪感を抱いてしまう。逃げたらそれが前科となって、その過去の延長である現在の自分に自信が持てなくなる。根性がないと言われても反論できる気がしない。真面目すぎるとは思うが、どうしても怖い。目の前にある困難も怖いし、逃げ癖がつくのも怖い。
ただ、世の中どうにもならないものはもので、無理なものは無理だ。我慢の限界はある。その場合は逃げたって責められる筋合いはない。むしろ別の場所に生きる決断を下せるのは立派なことだ、と、この小説を読んで考えを整理した。