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切ないなあ
明るくまとめられているけど、どうしようもないことには変わりなくて、
そう思うととことん切ない。。。
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児童養護施設で暮らす5人の子どもたちの話です。両親が死んだり、親に虐待されたりと子どもたちが施設で暮らす理由は様々です。施設の大人や子どもたちの関係に温かさを感じる反面、どうしてもお互い踏み込めない領域があったり、子どもたちが直面する現実が本人たちにとって残酷なものだったりとリアルなところもたくさんありました。
最後の数ページにこの作品のメッセージが強く出ています。人によっては甘い考えと思う人もいると思います。でも私は人間の弱いところを肯定してくれている優しいメッセージだと思いました。
年長者の子どもが最後にぽろっとでた言葉にグッときました。子どもたちが将来自分達が納得できる未来を迎えられたら、と思います。
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児童養護施設で暮らす五人の子供たちの物語。高校生の佐緒里は大学進学を目指していたが、家庭の事情で断念せざるを得なくなる。彼女が施設を離れる前に思い出を残したいと、小6の太輔は地元の蛍祭りで恒例の、ランタンを飛ばす「願い飛ばし」を計画する…
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「青葉おひさまの家」で暮らす子どもたち。
夏祭り、運動会、クリスマス。そして迎える、大切な人との別れ。
さよならの日に向けて、4人の小学生が計画した「作戦」とは……?
著者渾身の最新長編小説。
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舞台は児童養護施設「青葉おひさまの家」。年齢も境遇も違う五人がひとつの班として日々を過ごしている。施設での暮らし、親や親戚とのかかわり方、学校での位置、それらは家族と暮らす子どもたちからは計り知れないほどの心構えや心配り、そして忍耐と孤独にあふれている。だがそれだけではない絆が培われていることもまた確かなことなのだった。あまりに辛くてそこから逃げたとしても、次の場所にはいままでと同じ幅の道が続いているのだという言葉に胸を打たれる。誰かのために、という気持ちが力を生み出すのだということも強く伝わってくる。スタジオジブリの近藤勝也氏による挿画を読後に再度見直すと、あたたかな気持ちになる一冊である。
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児童養護施設に預けられた年代の違う子供たち・・・
いつかは、離れ離れになる時が来る。その時、本来の家族以上の絆が途切れてしまう。
それでも自分を見守ってくれる人が必ず現れるという希望をいつまで持ち続けることが大事と訴える子供達。
普通の家族になれないけれど、家族の大切さを一番理解しているのは、この子供達かもしれない。
夢を実現させるために、何年も行われなくなったお祭り「蛍まつり」を子供達の力で再現させることになったのは感動の1シーン!
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読み終えて、子どもに、「今いるところ(学校)が世界の全てじゃない。いつでも違うところに移ることができる。だからギリギリまで耐えることなく、どんどん話して」と伝えた。
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逃げた先には同じ幅の道が広がっている。
このひと言に救われた。
自分の「世界」に完成はない。だからいつでも描き直す事ができるんだよ。
そんな意味がタイトルに込められてるのかな。
優しい文章にジブリの鈴木さんが描いた表紙がぴったりです。
色んな世代の人に読んで欲しい一冊。
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初の朝井作品!
とても読みやすい作品でした。
救いようのなさがあって、でも希望もあって。
他の作品も読んでみたいです。
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切ないっ!
朝井リョウはどうしてこうも切ない感情を活字にしちゃうんだ!
子どもだけど、子どもなりに辛いことや恥ずかしいことや苦しいことがある。
太輔もミホもまりちゃんも淳也もさおり姉ちゃんもみんなみんな悪くない。不条理で勝手な大人の都合が突き付けられて。それに正面から向き合ったり、受け入れていったり。
特に、イジメとか、認めたくないことも、恥ずかしくて辛いことも受け入れて生きようとする淳也やまりは見ていて苦しかった。
最期に希望が見えたわけではない。いや見えるんだけど私には苦しさの方が大きくて。
しかし、今の自分より彼らはずっとずっと強い。
心がきゅーっと締め付けられました。
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佐緒里、太輔、美保子、淳也・麻利兄妹。
ランタン、児童養護施設。
やめようか悩みながらの完読。
泣いたけど。
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切なかったけど、ほんわり温かさが残った。
寂しさに立ち向かうのも自分自身だけど、温かさを求めて進んでいくのも自分なんだの思いがランタンと一緒に舞い上がった。
「世界地図の下書き」というこのタイトルがピッタリのstoryだった。
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ランタンを飛ばす祭りはアジアでよく行われている祭りのようで、いつか映像を見たことがある。幻想的な風景だ。実際に日本でも行っているところがあるのだろうか?
表紙のイラストにもなっているシーンはラストに訪れる。
幻想的で切なくて、不安に満ちているけれど希望がある、希望を持ちたいと願う結末になっている。
理不尽に何かを奪われることがある。それは誰にでも起き得ることであって、その不公平さに逆らうことができない。
ただ、どうしても辛かったらそこから逃げてもいい、逃げた先にも、希望がある、と全力でメッセージを送ってくれる本。
朝井リョウ、という人はとても健全で公平で優しい人だなあ、という気持ちになる。一見リア充で人生は順風満帆、なのに鋭くて繊細で優しい。不思議な作家。
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朝井作品は実はお初^^メディアとかで見かける朝井氏の雰囲気や喋り方と同じでさっぱりとして判りやすい文章はとても好感が持てる。中盤までは淡々としたイメージだったんだけどラストがとても良かった。いじめられたり、嫌悪感を抱く存在に無理に立ち向かって行こうとしなくてもいいんだ。逃げてもいいんだよ。・・・っていうメッセージ。子どもたちだけじゃない、全ての人にも通じる強い著者の思いがが伝わってきてジーンときた。できるだけ小学生とかにも手にとって欲しいと思ったからこんな表紙絵にしたのかな。
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「児童養護施設の子供たち」というレッテルは障害者と同様に強力で、困難乗り越え系の予定調和になるし、ある種の上から目線というか同情が前提となるので、ズルイ部分もあるというのは重々承知なのだが、それでもラストは「夢・希望」という言葉が嫌いな捻くれ者の自分でも泣ける。イジメ小説は重松清という金字塔があるのでそれを超えるのは中々難しいが、もうちょっと大人の身勝手さに切り込んでもよかったような。「X for Y」といういかにもって感じのネーミングを持ち出したので、NPO/ボランティアの偽善を暴くのかな?とも思ったがそれもないし、内容的にはかなりユルイ。児童養護施設の現実はもっと厳しくて過酷だ。
前半は単なる小学生の群像劇で話が進まないし冗長で退屈。運動会のあたりの中盤から大人が動き出してやっと物語になる印象。もう少しコンパクトにできるんじゃないのか?題・材テーマは悪くないんだし勿体無い。
視点と表現のチグハグさと、くどくてピンボケの比喩表現は相変わらず。そして時制と場面変換の分かりにくさが読み難くしている。これは太輔目線1人称の少年小説風に書いた方がよかったんじゃないのかと。
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小さい頃に住んでいたマンションの別の階に、夏休みになるとやってくる三姉弟がいて、同じ年頃だったので、会えば一緒に話したり遊んだりしていた。ところが彼ら、三人の結束が強いのはいいのだけど、言動に少し問題があって、困らされることも幾度かあった。
周りの大人たちに、こういうことがあったんだけど、と話すと「ああ、あの子たちはねぇ、仕方ないわー」と、みんな一様に渋い顔をする。聞けば普段は養護施設に預けられている子たちだとか。
両親揃っていても、何らかの事情があっても(どういう事情かは知らないままだけれど)、「施設の子ども」というだけで、渋い顔で「あの子たちはねぇ」と言われる。
困らされたと言っても、しょせん子どもどうし。大人から見れば大したことではないはずで、相手が近所の他の子だったら、きっと笑いながら他の言葉をかけてくれたはず。
「施設の子ども」というだけで偏見の目で見られることに、幼いながらなんともいえない気持ちになったことをよく覚えている。
太輔、淳也、麻利、美保子、佐緒里。
この物語に登場する子どもたちには、そういう大人からの偏見の眼差しは描かれていないが、学校でのいじめは子どもどうしだけれど同じような偏見を感じるし、他に物質的な問題もいろいろと起こる。淳也と麻利、それぞれが受けるいじめ、佐緒里の進学問題……。
そんな中、太輔たちは3年前から中止になった「願いとばし」を復活させようと計画する。
材料の調達方法などは問題があるし、他にやりようがあるだろうにと思うところもあるけれど、一生懸命さは伝わり応援したくなる。
不器用なまでに一生懸命なのは、みんな、大切な誰かのためにやり遂げようとしていたから。
太輔は佐緒里のために、淳也は麻利のために、美保子はお母さんをまだ好きでいられるために。
立ち向かうだけが勇気じゃない。逃げてもいいんだよ。と言ってくれる作品は増えたけれど、この本はそれだけではない。
逃げた先にも、同じだけの希望がある、と言ってくれる。
逃げた先の道だって狭くならない、と言ってくれる。
私たちは、絶対にまた私たちみたいな人に出会える、とその先に希望を抱ける言葉をくれる。
その先がダメでも、また先、そのまた先、きっと希望はある。あるはずだと。
夕暮れの空に次々と上がっていく願いを乗せたランタン。
そのランタンのようにそれぞれ旅立っていく子どもたちには、切なさや淋しさも感じる。
けれど、希望は消えない。
読み終わった後に、表紙の子どもたちの顔を見て、そう信じることができた。