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小山ゆうさんほどの作家がなぜ、名作「あずみ」を「AZUMI」という形に
してまでずるずると続けていたのか謎でした。
しかし、12巻を読んで、なんとなく納得。
おそらく、小山さんは「あずみ」と「おーい!竜馬」をコラボさせた上で
あずみが幕末の英雄・坂本竜馬に惚れる姿を描きたかったのだと。
勝手な解釈ですが、前作「あずみ」では戦い続きで悩み、苦しむこと
ばかりだったあずみに、普通の少女らしい心温まる家族との触れ合いや
恋愛をさせてあげるために、描き始めたのがこの幕末編の「AZUMI」
なのではないかと思いました。
そう思えば、設定としては若干無理がある双子の兄・駿介の存在も
納得できます。(双子にしては能力に違いがありすぎるので)
駿介という存在を通して家族を得られたわけですから。
あずみほどの女が惚れる男はそうはいないと思いますが
相手があの、坂本竜馬なら十分ありえると思うし、説得力があります。
従来の歴史ファンも喜びますしね。
前作「あずみ」ほど楽しみにしていなかった「AZUMI」でしたが
小山先生があずみの恋をどのように描いていくのか、楽しみに
なってきました。
歴史通りにいけば悲恋しかないのかもしれませんが、願わくば
わずかでも、あずみに女性としての幸せを感じさせてあげてほしい・・・
と思います。