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少し冗長に感じられて、途中でどうしても読みすすめなくなってしまった。
同級生の死をきっかけに、自分たちの小学校の謎、戦争、満州、そういったキーワードで物語が進むのだけれど、どうしてもそのきっかけが弱く感じられて、ストーリーに乗り切れなかった気がする。
コンディションが変わってから読めば、面白く読めるのかもしれないけれど。
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最後の最後が良かったので☆3つになったが、そうじゃなかったら2つの所。
まず構成が好きになれなかった。一人一人の『報告』という形が鬱陶しくて。自然を装った各メールの文体も痛く感じた。だいたい、何を何の為に報告しているのかも分からなかったし、自衛隊への反感や反戦などのメッセージも所々盛り込まれているのも気に入らなかった。登場人物が多い割には人物描写がはっきりしないので、誰が誰なのかもわからなくなるし、感情移入もできず。
良かったのは、最後の笑子のお父さんの幻想。なんだかとても美しかったし、だんだんと昇華していく高揚感が良かった。生まれずに亡くなった子供達が宇宙から見ているという空想と描写は小説家ならではだと思ったし、それを読んだ上で表紙絵を見るとなんとも子供を慈しむ気持ちになった。
全体的に、とても期待して読んだものだっただけに残念。「寵児」とは全く異なる雰囲気で、この作家が歩んだ年月を感じた。
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妻であったり友人であったりする道子がスズメバチに刺されて急死。その後集まった同級生が道子さんの秘密を探すという名目でメールしたり集まったり。だいたいは満州からの引き上げをテーマにした反戦もの。
でもこれだけではつまらなかったと思うが、哲君とクロの一コマなどがいい。
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ボストンでの爆弾テロのニュースをきいてアメリカが常に戦争状態の中にいる事を再確認させられた。この本は登場人物乃ほとんどが語り部となる面白い手法であるとともに、最初の主な登場人物が第二次世界大戦直後の東京で小学校に通っていた同窓生で、その仲間の一人が急死したときに集まって話しだした戦後の状況にかんしての会話がきっかけとなり自分たちがいかに疎開の事、満州の事、シベリアの事(シベリアは当初はいまほど広い地域ではなく戦争を機に中国との関係もあり海まで拡大されたこと、当時ロシアはアラスカまで領土にしており、財政難からアメリカに売却した事など)いかに自分たちが無知であったかに気付き、おのおのがいろいろ調べ進める事となる。僕もいかに歴史に疎いかに気付かされ恥ずかしくなった。また戦後に被害にあった女性の話も身につまされるもので
戦争の被害の表面に出ない部分をより多くの人が知る必要も感じた。平和ぼけの日本人(僕も含め)はもう少し戦争の事を知るべきかと。書評を読み買った本だが、大当たりでした。一読の価値あり。
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すごく遠回りをして、作家が伝えたいことを聞いたような感じだ。もどかしかった。津島さんは、上坪隆著の「水子の譜〜ドキュメント引揚げ孤児と女たち」に触発されてこの小説を書いたということで、とどのつまりはこの本を紹介したかったのだろう。だから、僕は買いましたよ、この本。このテーマの本もいくつか読んでいて、とても興味ある内容だから。はい。