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天地が逆になっている世界の描写は面白いが、その世界がどのように生じたのか?という謎解きを読みたかった気も。
ラスト1行の解釈がよくわからない。
探していた娘が出てくるのかと思ったがそれも無い。
これで完結でいいのかな?作者はあとがきで物語は語り尽くされておらず、いつか執筆したいような事を書いているが。
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頭上に地面、足元に星空。手を離せば宇宙の一部となってしまう世界で、
人々は足元に地面があるという「地国」を目指す…
という粗筋からは想像もできないまさかのロボットバトルもの。
そのロボットバトル部分がどうにも、ケレン味重視なのか設定重視なのか…
あまりグッと来なかったというのが素直な感想です。
そういう意味では「屍者の帝国」とも似たような印象を受ける。
ぶっちゃけ、著者はこの類の小説向いてないんじゃないか、という点で…
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「以前の短編の設定を…」の短編が思い出せなかったのが、読み始めてすぐに思い出しました。リングワールドの外側で生存するとしたら…、興味深い設定です。本編の記述からは、リングワールドとダイソン球の中間をイメージしました。戦闘場面等での力学法則を意識した描写が非常に見事です。最終場面から後は、本編と違う設定もしくは追加の設定を利かせた物語になることが予想されるので、続編があるにしても一旦ここで終了するのは納得がいく展開です。既出の短編の設定を活かしたこの手の長編化をもっと期待しています。
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(1)本筋の中では魅力皆無のナタちゃんの過去を描いたエピソード(約30ページ弱)だけ感動。すばらしい。(2)ザビたんにはドン引き。メタレベルのダジャレをなぜそんなところで使うのか理解不能。(3)こどもとロボットが合体する話は、もう(ry
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過去の短編作品を長編化した作品だが…これは短編のままの方が良かったのでは?
確かに面白いんだけど、途中から話をデカく膨らませ過ぎて、読んでてうまく話しに乗りきれないと言うか、読者置いてきぼりと言うか。
ΑΩの時と同じパターン。
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展開に裏切られ続ける。チェックメイト感漂う短編ラストからのまさかの巨大兵器ゲット&勝ち上がり戦展開。そしてまさかの"ザビタン"長老。さらにさらにまさかの地国。そしてさらにさらにさらに絶望に見えて「いや、だがアマツミカボシなら・・・」と希望もあれこれ想像できるラスト。しばし呆然した。『海を見る人』にこの長編の冒頭部分が短編として収録されていたように、この長編もさらに壮大な世界のごく一部でしかない。個々のキャラクターが掘り下げられていたけれど、ヨシュアがまだ手付かずなのは今後に期待していいということだろうか。
あとがきでも触れられているとおり設定先行型の世界であるが故に、少なくとも地国を舞台としてもこれと同程度の長編が一冊書けるだろうし、この世界の成り立ちについてもさらに数冊書けるだろうということも容易に想像できる。文中に出てくる具体的な数値からスケールを出してみるとまたおもしろいだろうと思われるが自分にはその下地がなかったので軽く検索してみたところおもしろい示唆がネット上にいくつか転がっている模様。ストーリー以外の部分まで楽しみたい方は、ぜひ検証されてみてください。
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良い話だな感動的だ。SFSFしたのは嫌いだが、イリスに乗ってレギオン(名前だけ)やらラミエルやら倒していくと言う怪獣映画的なストーリーはそれなりに面白かった。途中のザビタンのレイ的な自爆劇は本当にやる必要あったのかと。ストーリーは漫画的であんまりSFらしくないね。中心の太陽から地表まで3億kmとかでか過ぎ。火星の軌道半径超えてんじゃん。出力の落ちた太陽を覆って太陽エネルギーを過不足なく得るって設定はSFじゃお約束だけど、こうやって語られるととてつもなく巨大だね。こんな膨大な材料どっから持って来たの。
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「人類が太古に住んでいたという、原初の世界さ。そこでは重力が外から内へと向かってたんだろ。」
ハードSFを書かせたら、とことんハードな小林泰三の、短編から長編に昇格した一作。
頭上に地面、足下に星空が広がる世界、
全てのものは手を離しただけで空の彼方へ落ちて行く世界。
人々は僅かな資源を、分け合い、奪い合い、どうしようもなく衰退しながら暮らしている。
明らかに生き物が暮らすには向かない、過酷すぎる世界。
主人公カムロギは、地面の上にある、と神話が言う「地国」を目指して北限の地を目指す。
ちょっと読み進めれば分かるので書いてしまいますが、要するに巨大な宇宙コロニー(的な物)の外側にへばりついているのですね。
例によって出てくる数字を計算すると、世界の全容が詳しく分かる仕掛け、だそうです。
計算結果はこちらへどうぞ↓
http://www2s.biglobe.ne.jp/~ttsyhysh/diary/di0207d.html#020722
答えが分かるとものすごいセンスオブワンダーを感じることができるんですけどね。
これほどの驚きはなかなか他の人ではないですよ!
でも、読者の何%が計算すると思ってるんだ…?
「リヴァイアス」みたいな怪獣大決戦がメインで、全体的にはスペクタクル。
ナタの出生話は、極限状態の狂気って感じで良かったです。
以下愚痴。
ラストはどう取れば良いかわからずぽかーんとするしかない感じ。
長老ザビタンのネタは、笑うところか悩む。萌えを狙ったのでは、ないよね…?
カムロギ、生活困窮具合と比べてインテリ過ぎない?
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『AΩ』に次ぐ、小林泰三のSF長編第2作。
「天国と地獄」ではなく「天獄と地国」であるのが、設定を語っている。大地は頭上にあり、下は星海。落ちるということは遙か真空の宇宙空間に吸い込まれてしまうわけであり、これが天獄。人々は大地に穴を穿って住み、乏しい資源とエネルギーをやりくりして何とか「村」を維持している。大地の下には独立した岩塊「飛び地」があり、ここには空賊が住み、村を襲っては資源とエネルギーを奪う。破壊された村の生き残りは「落穂拾い」となって、一人乗りのオンボロ宇宙船を駆って、空賊の略奪の残り物を漁る。
という設定からすぐさま、この世界の人々は遠心力によって疑似重力を生み出している人工天体の居住区間の外側に張り付いて生活していると推察される。人工天体が『宇宙のランデヴー』のラーマのような円筒体か、リングワールドのような環か、はたまたダイソン球のような球状物かは当初はわからない。どうやら内側にちゃんとした居住区はあるらしく、そこにはたぶん資源もエネルギーも豊かにあるだろう。そこが地国なのである。
主人公は落穂拾いのチーム・リーダー、カムロギ。彼らはこの世界の最低層なのだが、大地に埋まった人間と昆虫を合わせたような体長数百メートルの巨大人造物を発見し、地国を目指す。この世界には「天使」とも「邪神」とも「ギガント」と呼ばれる、類似の巨大兵器が3つあって、力のバランスを取っていたが、そこにカムロギたちが参入し、スーパーロボット大戦が発生する。ここが中盤の読みどころで、巨大ロボット・アニメへのオマージュだ。しかし小林泰三だから若干ながらスプラッタな味わいが注入されている。カムロギが何だか素朴でいい人なのも味がある。
そして当然のことながら終盤に向けて、物語はこの世界の構造の解明へと進む。
『海を見る人』所収の同名短編の長編化。
読みながら情景をイメージするのだが、大地たる人工天体はたぶん球体で、私は球状に湾曲した大地とその上で戦う巨大ロボット(の如きもの)をイメージする。どうしてもそうイメージしてしまう。違うのである。頭上に広がる超巨大な球状の天体とその下で戦う巨大なロボット、なのである。そのたび頭の中で情景をひっくり返しながら読んだ。何と頭の硬いことよ。
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タイトルの通り、天と地が逆になった世界を舞台に展開するスペースオペラ。設定はいいし、巨大ロボット(バイオ兵器?)や宇宙艦体の戦闘シーンも迫力があって読み応えあり。なかなかオモロい小説だと思うんだが…
どうも冗長すぎるキライがある。こんだけのページ使ってこの世界の成り立ちすら見えてこない、しかもラストはほったらかし。余韻を残すというレベルじゃなく、次のページ繰らないとアカんレベルのほったらかし。
最初も最後も曖昧模糊ってのは、短編もしくは中編でこそ生きてくる設定だと思う。あとがきで続編云々を述べているが、最初からシリーズ物として展開しているなら、あとがき以前にそう記すべき。
起承転結の承転だけで長編は実験とはいえ、無理があると思うがな。
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2018年1月9日読了。足元に宇宙の果ての天獄・頭上に巨大な天体を抱き減りゆく資源を奪い合い生きる人々、伝説にある天体の内部=地国を目指しカムロギたち一団は旅立つが…。相変わらず大量の数値データ・仮説が怒涛のように示され、登場人物たちはグチョグチョの肉や内臓にまみれ妙に緊張感のないやり取りを繰り返すが、設定は非常にユニークで面白い。映像化されたらどんな感じになるのだろう…?「地国を目指す旅」なのにお話のメインが巨大ロボットバトルを生き延びるための必死な努力になってしまっているのは微妙なところだが、「強大な力を持つ同士が戦う場合決着がつくのは一瞬」という点が非常な緊張感をもって描かれており、小林節に慣れている読者としてはとても楽しめる。続編はあるのかな?これ以上の驚きがあるのかな?