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目の前にある何かを存在させているのは、その『形』ではなく『意味づけ』なんだと気付かされる。気付いたところで消滅は止まらないけど。
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小川洋子のもので初めて読んだのがコチラ。ひさびさにやられた本。「博士〜」も良い作品だが、この本の世界観はツボだった。
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今まで当たり前にあったものが、次の瞬間にはこの世界から消されている。
それが『消滅』。
ただ、物が消えることよりも、その物の記憶を無くすことが本当に悲しいと思った。
消滅の前では、どんな大事な思い出も無くしてしまう。
次々と消えていく様子が、非常に細やかな美しい文章で綴られている。
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物語は実に淡々と進んでいくのですが、なんだか、静かな悲しみの漂うお話でした。最後の最後にほのかな希望も感じましたけど。
小川洋子さんのお話は、食べ物を食べる描写とか、小物に関する描写とかが美しくていつもドキドキしてしまう。
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記憶狩りでどんどん奪われていくもの。
当時、失うことについて考えていて、なんて切ないんだろうって思った。
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すべてのものが、一つずつ「消滅」していく話。香りが、花が、鳥が、小説が、自分の手が、足が、少しずつ消滅していく。美しくて儚い。小川洋子はこれだからやめられない。
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小川洋子さんならではの不思議なストーリーです。「わたし」が住んでいる島では、突然、あるものが消滅していくのです。それも、何の前触れもなく、1つずつ。消滅するものが様々で、最後には、思わぬものまで消滅していきます。 日々の生活の中で、消滅している何かに気づいていないような、気づいても諦めているような、妙な感覚に襲われて、読了後不安になりました。
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全てが失われていく世界を美しく描いている。
しかしそこには現代への警鐘が鳴らされているような気がしてならない。
僕たちはいつの間にか大事なものを失い、それを忘れてしまったのではないか?
ふとそんなことが頭をよぎった。
小説の中に登場する小説も、本筋と相まって深い余韻を残す。
美しく儚い哀しい物語の中で、最後まで記憶を失わないR氏の存在が強い光を感じさせてくれる。
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(2007.7.1)読み始め。
また一つ消滅が訪れました。前回はエメラルドという石でした。その前は香水という液体でした。
この島は失っていくだけの島。
さぁ、これからバラの花を川に流しに行きましょう。なにしろ消滅してしまったのですから。この消滅は誰にも逆らえないのです。
(2007.7.10)読み終わり。
「わたし」の全てが消滅してしまったら、「わたし」は彼に何を残せるのでしょう?
・・・とても切ない物語ですがとても面白かったですよ。皆さん読んでくださいよ。
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誕生日に購入した3冊のうちのラスト1冊。なんか、小川洋子ワールド満開な感じ。「密やか」っていう言葉がまさにぴったり。[07/10/21]
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静かな静かな世界観。全てのものが少しずつ失われていく閉ざされた島。何もかもが一つずつ消滅していく。モノも思い出も。それを悲しいと思うことすら忘れている島の人々の様子は、どんどん失われ続けていることをあきらめている今の世の中への警鐘なのだろうか?喪失感をどこまでも追求しながらどこまでも密やかな物語。
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「鳥」「薔薇」「写真」「カレンダー」「春」、色んなものが失われていく島のお話。
失われていく様がゆっくりじっくり静かに描かれている。この「消滅」がいつまで続くのだろうと読み進めると・・・。寂しくて優しい世界。この小説の世界観も好きだけど、「薬指の標本」のほうが好き。
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モノが消えて、モノに関する記憶が消えていくのが当たり前の島の中のお話。
当たり前のように記憶が消えない人がいて、
記憶が消える人を気の毒に思い、思い出させようとあれこれ意見したりする。
うーん。どうだか。普通に苦もなく消えるんだったら、消えたらいいじゃん。
楽しい記憶まで消えちゃうけどさ。消える人たちが別に困ってるわけじゃないし、
そりゃあの環境で記憶が消えない人はキツイだろうと思うけど。
自分にとって大事なことだからって、人にも押し付けようとするのは、どうかと。
いや、そういうレベルの話じゃないんだろうとは思うけど(笑)
とにかく最初から最後まで、シーーーンとした美しい物語でした。
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すかすかのこころをかかえても、なんとか生きてゆけるわ。なくしてしまったものがなんなのかさえもうわからないんですもの。
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SF仕立てのミステリなのかな、と思って読んでいたらファンタジーでガッカリ。
秘密警察のあらましについて説明してくれれば100点をあげたいくらいなんだけど。
とくに食事や生活の中の煩雑なこと、そういったことをていねいに描いているのが印象的。
じわじわと迫り来る喪失感、それは他のどこでもなく日常から訪れ、日常を食い潰していく。
小川洋子といえば、作中作のような狂気まじりの偏執的な愛を書くイメージがあったので、希望あるラストは意外。