投稿元:
レビューを見る
まさに「こう来たか!」というミステリーでした。
フィルムの中に隠された真実。身内の心の闇―
読み進めると、その苦しみが伝わってくる、そんな気持ちにもさせられました。
投稿元:
レビューを見る
ミステリーミステリーしてるミステリーです。まさに教科書通りという感じでよくできています。でもあまりに教科書通りで物足りなさも感じます。個人的には横溝正史ばりにもうちょっとグロさが欲しかったところです。
投稿元:
レビューを見る
うーん、読み終わってからwebの書評を見ると納得してしまう
amazonのレビューにある”この作品の最大の悲劇は、乱歩賞に選ばれてしまった事。 ”これがすべて
決して駄作という訳ではないのだが、少なくてもミステリとしては下の下
骨董市でリールに出会う出だしは悪くないと思うんだが
中途半端にトリックに引きずられた感じ
戦争とトリックを二つの話に分ければ佳作が二本できたかもしれないんだが…
投稿元:
レビューを見る
第48回江戸川乱歩賞受賞作品。
乱歩賞受賞作なので、ミステリーなんだろうけど、私にとっては、ミステリーと言うより、「戦争が残したもの」がどれほどの人の心に傷をつけているのか?
そんなことを考えてしまいました。
ストーリーは、ある骨董市で偶然手に入れたフィルムの映像に隠された謎を解き明かすと言うもの。
その間にいくつかの殺人はあるものの、60何年前の戦時中の日本では、当り前のように殺人が行われ、それが罪に問われない時代があったことに怖さを感じた。
ミステリーとしては、オススメってほどじゃないけど、そういう歴史の上に、今の私たちの生きている世があることは、きちんと自覚して生きていかなければいけないと、考えさせられた作品だった。
投稿元:
レビューを見る
サスペンスの方に分類。とはいえサスペンスにしては全体的に緊迫感に欠ける。ミステリとしては意外性が薄く物足りないし、犯人や悪玉キャラの動機とか、造型もうすく、クライマックスはチープだった。小説の書き方はすごく手馴れた感じがするし読んでいる間はそこそこ面白いけど、それゆえに、全体的に作り物の感が否めない。「TENGU」ぐらいの筆力があるともっとよかったんだけどな……。
でも私はこの作品は好きだ。戦争と歴史についての考え方は胸をつかれるところがあると思う。小説の「つくり」を読むべきか「なかみ」を読むべきか、それは読む人の自由だけど、この作品を書いた作者の、誠実な姿勢が見えるような気がして、(まるで論文でも書いたかのような参考文献の多さからもそれはうかがえると思うんだけど)そういう作品は、基本的に全部好きです。
投稿元:
レビューを見る
久々の推理小説だったわけですが、面白かったです!
やっぱり推理小説っていいなと思えた一冊。
ストーリーの展開の速さとかもちょうど良かった。
投稿元:
レビューを見る
日本人が忘れてはいけない先の大戦について
取り上げられており、読み終えたときに
妙な余韻が残りました。
著者の作品は初めて読みましたが読みやすくて
よかったです。内容も江戸川乱歩賞を取っただけの
事はあると思いました。
投稿元:
レビューを見る
第48回江戸川乱歩賞受賞作。
CM制作者・日下が骨董市で偶然手に入れた、古いフライフィッシング用のリールとスチール缶。その中から発見した古い16ミリフィルムの映像を使い政党の広告を制作しようとする日下だが、そのことから歴史の中で蓋をされてきた事件に巻き込まれていきます。
トーマス・グラバー、長崎の原発、特高警察、在日外国人二世
戦争と言う狂気が生んだ事件。でも、それで済まされることなのか?戦争の歴史が忘れられ、市民が考えることをしなくなった時、狂気の歴史をまた繰り返すのではないのか?真実から目を背けようとする怠惰な生き方を戒める一冊です。
投稿元:
レビューを見る
第48回江戸川乱歩賞。
主人公である広告代理店勤務の男が、骨董市で偶然手に入れた16mmフィルム。しかしそれを取り返そうと何者かが陰で動いている。
フィルムは、ある政治家にとって知られてはいけないものが写っていた。戦時中の“鬼畜狩り”だ。戦時中日本にいた外国人、混血児らは、敵国スパイとみなされ、日本産業に貢献していようが、日本国籍を持っていようが、厳しく監視され、または殺された。
グラバー邸でおなじみグラバーの子・倉場富三郎(トーマス・グラバー)、鯛生金山を経営した範多範三郎(ハンス・ハンター)などもその影響で生活が制限されていた。
投稿元:
レビューを見る
読書途中で図書館に返却してしまう大失態。
が、集中切れずに読了。
忘れてはいけない、本当にあったかもしれない話。
ノスタルジックな釣りのシーンは、頭の中に鮮やかに描き出された。
それだけにラストがせつない。
投稿元:
レビューを見る
人も国家も滅ぶ時は、
時間をかけて熟成し、
突然何もなかったかのように、
消滅する。
そして、それは歴史となる。
投稿元:
レビューを見る
すこぶるよくできた作品。
読後、解説を見て江戸川乱歩賞受賞作品と知る。受賞は伊達じゃないと納得。ミステリの面白さはもちろん、戦争の悲惨さを伝える社会性も備えており、一気に読み終えてしまった。
骨董市で売られた古い釣り道具が、戦時中の封印された犯罪を暴き出す。過去と現在を結ぶ展開は見事だった。戦争が生み出した狂気を、ミステリという小説の形にして読む者の心に打ち込もうという意欲を感じた。
ラスト。過去の残酷な真実が明らかとなり、しばし茫然。このラストで、過去の罪の真相について多くを語らせなかったところは特に好感が持てた。いろいろと考えさせられるところとなったからだ。
著者の誠実さが滲み出た、傑作ミステリだと思う。
投稿元:
レビューを見る
今の日本は戦争へとひた走っていた戦争直前の日本に似ている。
戦前に日本の社会に貢献した外国人、その子供(混血)が、開戦した途端に、スパイ扱いされて特高警察の厳しい監視の元におかれる。その中で起きた事件を偶然撮影したフィルムをめぐる話。(たまにはマジメに書いてみた…)
読みやすい文章、読みやすい話。はっきり言えば可もなく不可もなく。
こういう本が一番印象に残らんねやろうな~って感じ…。
投稿元:
レビューを見る
骨董市で買った古い釣り用リール。それと共に入手した柳行李(やなぎごうり)に昔のフィルムが入っていた。好奇心に駆られたコピーライターの日下哲は、フィルムの再現を試みる。過去の映像が現代に蘇ったその時、日下の周りでは不穏な動きが…。1個のリールが結ぶ過去と現代。日本人が封じてきた忌まわしい出来事は、今もなお、人々の心の奥底に澱(おり)のように潜んでいた。
2002年度の江戸川乱歩賞受賞作。長崎の原爆投下の生々しい描写から幕は開ける。すぐに舞台は現代へと変わり、日光の骨董市で主人公、日下哲が運命のリールに出会う場面が描かれている。突然の場面転換に少々戸惑いを覚えるが、全く異なる2つの場面がどのように重なっていくのかを読み解くことも、本書の楽しみ方の1つなのである。
物語の序盤は、フライフィッシングの説明やコマーシャルの制作風景などの専門的な記述が多い。自身もフリーのコピーライターである著者の得意分野なのであろうが、知的好奇心を満たすには興味深い半面、ミステリーの流れとしてはやや遠回りな印象を受ける。しかし中盤にさしかかると、リールの売り主である女性、月森花と主人公や雑誌記者との会話がテンポよく進み、ストーリーが広がりを見せ始める。なかでも、雑誌記者が熱く語る現代政治への批判は、本書の中核をなす「反戦」メッセージとなっており、一読に値する
投稿元:
レビューを見る
乱歩賞という事で、期待をしたのですが・・・。
読むのに苦労しました。
そして、話が大きくしたかったのでしょうが、大きくなれず、何だかしっくりこない終わり方になってしまいました。
残念。